474 / 671
うら若き有閑貴族夫人になったからには、安穏なだらだらニート生活をしたい。【1】
グレイ・ダージリン(90)
しおりを挟む
「これは美味い!」
からしに蜂蜜という組み合わせがこんな風になるなんて。
王都の屋敷に戻った僕は、朝食に出た鶏肉に舌鼓を打っていた。マリーが新たに提供したレシピだ。
「本当、とっても美味しいよねグレイ兄様! 僕、からしって嫌いだったけどこれなら好きになれそう。あーあ、メリーも帰ってくれば良かったのに」
メリー様がいないことに不満げにしながらも、イサーク様の口にも合った模様。
ヴェスカルも、「僕もこれ大好き!」と笑顔になっている。
「うふふ、メリーちゃんは今大事な時期だから仕方ないのよ。イサークちゃんにも分かる時がその内来るわ」
とティヴィーナ様が宥めると、
「女の子の方が成長が早いと言いますものね」
とキャロライン様。
イサーク様は肩を竦めた。
「ちぇっ。ヴェスカル、後で一緒にヘドヴァンのところに遊びに行こう?」
「うん、イサーク兄様!」
「ヘドヴァンと遊ぶのは良いが、変な言葉を教えるのは程々にしておきなさい、イサーク」
「はぁい、父様」
イサーク様を窘めるサイモン様に、僕は噴き出しそうになる。
先だっての地下牢のあの一件には本当に参った。時折思い出し笑いをしてしまう。
王都へ帰る馬車の中で、「イサーク様とヘドヴァンに全て持って行かれたよ」とマリーに話すと、腹を抱えて大笑いしながら「優しい子ね」と目尻を拭っていたっけ。
「お茶にジャムを溶かして飲むというのは新しいですわね。だけど、好きですわ」
「うふふ、お茶には色々な可能性があるものですわ。来春には、薔薇のジャムを作って溶かしてみたいわ」
「あら、素敵ね」
ふむ……ラベンダーの花のジャムや砂糖漬けを作ってみても良いかも知れないな。他の花でも出来そうだ。貴婦人や令嬢達が飛び付くに違いない。
耳をそばだてながら商売のことを考えていると、執事によって手紙が運ばれて来た。
余程緊急の手紙以外のものだけだけど、それでも結構な量。僕宛てにもちょっとした山が。
数通開けてざっと目を通すと、聖女の夫である僕と友好を求めるものばかり。まあマリーの聖女の力を恐れた場合、搦め手で来るだろうとは思っていたけれど――まあ、逆手に取って利を引き出すとするか。
色々と考えを巡らせながら手紙を閉じると、手紙を読んでいたマリーが「神聖アレマニアのエリーザベト皇女殿下ね」と呟いた。
「どうしたの?」
「ああ、作家ローズマリー宛てのファンレターが来てるっていう連絡なの。異国のやんごとなき筋がローズマリーに会いたい、サインが欲しいって。でも、立場上無理なのよねぇ」
心苦しいけれど、サインで我慢して貰おうと思うわ、とマリー。
「会えない代わりに、皇女殿下特別の何かがあれば良いかも知れないね」
「そうね。考えてみる」
頷いたマリー。そこへ、キャサリン様がマリーのドレスが出来上がってきていると言った。以前彼女がデザインしていた動きやすい聖女の衣装だ。
代金はトーマス様が立て替えてくれていたらしい。後で金額を聞いてお返ししないと。
「最終調整があるだろうから後で呼ぶがいい」
「まあ、間に合いそうだったら明日トゥラントゥール宮殿に着て行こうかしら?」
「だったら急いだ方が良いだろう」
トーマス様は言って、執事に目配せをする。その意を受けた執事は早速使いを出す指示を飛ばした。
「ところでマリー……とグレイ」
相談があるのだが、と切り出すトーマス様。
思わず身構えると、精神的に疲れたので旅に出たいという要望。
それでか、と僕は合点が行く。
久しぶりに会ったトーマス様達がどんよりと窶れていたように見えたのは、やはり気のせいじゃなかったんだ。
留守を預かっている間何があったのかは知らないけれど、相当鬱屈が溜まっていたらしい。
サイモン様から有無を言わせぬ迫力で休暇をもぎ取っている。
そんなトーマス様は、ナヴィガポールで絵でも描いてのんびり過ごしたいとのこと。キャロライン様は実家の領地に海がないそうで、海とオコノミに興味を示していた。
カレル様が、「俺もどこか遠くに行きたいよ」と心底羨ましそうにトーマス様達を見た。
そうか、カレル様は皇女エリーザベト殿下の世話役を任じられているから旅に出る訳にもいかないんだ。
僕はカレル様に心から同情しながら、トーマス様達の旅の手配を約束したのだった。
***
「グレイ様。執務室へ来るようにと旦那様が」
朝食後、自室でシャルマン達と共に手紙を仕分けていると、ナーテが呼びに来た。聞けば、カーフィが顔色を悪くしてやってきたのだという。
フレールの仕出かした事についての知らせを受け取り、大慌てでやってきたのだろう。
マリーは……ドレスの調整中。
どうせ加害者であるフレールの命乞いをしに来たのだろう。被害者の彼女は同席しない方が良い。
案の定、執務室に近付くにつれ、カーフィの悲痛な懇願の声が聞こえて来た。
――サイモン閣下! 妻に教育せず野放しにした私めにも責任がございます! 何卒、何卒お許しを!
僕は失礼します、と言って執務室へ入った。
床へ額づいていたのだろう。上半身を起こして這うように寄ってきて僕に縋り付く見て来るカーフィ。
その目は赤く、全体的に憔悴していた。
フレールが消息をくらませてから、相当心配し、探し回ったのかも知れない。
「グレイ猊下、どうにかなりませんか? あのような女でも愛した女なのです」
僕は歯を噛み締めた。
カーフィは憐れだ。だが、フレールを許すことは出来ない。
「残念ながら、貴方の減刑嘆願でどうにかなる域はとうに超えているんですよ。フレール・リプトン伯爵夫人は聖女マリアージュに魔女の濡れ衣を着せ、アレマニアの者達に殺すよう唆したのですから」
よしんば、僕達がフレールを許そうとも、マリーに忠誠を誓う彼らは許さないだろう。
身分剥奪と国外追放で済ませたのは温情だと思って下さい、と首を横に振る。
カーフィは目から光を失い、床に崩れ落ちた。
「そ、そんな……ああ、フレール。フレール」
そんなカーフィを見、サイモン様が溜息を吐いた。
「カーフィよ。私にも温情がない訳ではない。二つの道を提示しよう。お前が伯爵位も何もかも全てを捨てて神聖アレマニア帝国へ行くか、罪を減じるだけの功績を立てて迎えに行くか――どちらか好きな方を選ぶが良い。ただ、前者の場合はカレルと養子縁組の上で伯爵位を譲って貰うことになるがな」
「手紙にも書いた通り、フレールはアーダム皇子達と行動を共にしています。アーダム皇子達が解放されれば、彼女は皇子の保護を受け、神聖アレマニア帝国へ向かうでしょう」
容易いのは全てを捨てて神聖アレマニア帝国へ向かう事だけれど――フレールは恐らくカーフィを切り捨てるだろう。
カーフィは考え込むように床を眺めていたが、ややあって「……分かりました」と言って僕達に頭を下げ、のろのろと執務室から出て行った。
サイモン様がこちらを見て肩を竦める。
「蛇は執念深いというが、やれやれ。フレール夫人に似た女でも侍女としてリプトン家に送り込むか?」
「そうですね……」
カーフィがフレールを諦めてくれれば一番良いんだけれど。
***
次の日――
「じゃあ、行って来るわ。カレル兄には本当に苦労を掛けたわね……今日は麗しき月光の君(笑)を気取る必要は無いから好きなだけ鼻をほじったり変な顔したりして良いからね。ありのままのカレル兄で思う存分やりたい放題のびのびと過ごして欲しいわ!」
心なしか、カレル様の二つ名に含みがあるような……というか、貴婦人がなんてことを言うんだ。まあ、マリーに限っては今更な気もするけど。
案の定、ピキピキと額に青筋を立てたカレル様がマリーの頬を鷲掴みにする。唇が縦に伸ばされたマリーはまるで潰されたフグのようだ。
というか、同行者である女王リュサイや騎士ドナルド達が目を剥いているよ、マリー。
「……お前は俺を何だと思ってるんだ」
「痛たたたた、何すんのよ!」
誰もが認める貴公子カレル様に凄い内容を容赦も遠慮も無く言い放てるのは、妹であるマリーぐらいしか居ないだろうな。
からしに蜂蜜という組み合わせがこんな風になるなんて。
王都の屋敷に戻った僕は、朝食に出た鶏肉に舌鼓を打っていた。マリーが新たに提供したレシピだ。
「本当、とっても美味しいよねグレイ兄様! 僕、からしって嫌いだったけどこれなら好きになれそう。あーあ、メリーも帰ってくれば良かったのに」
メリー様がいないことに不満げにしながらも、イサーク様の口にも合った模様。
ヴェスカルも、「僕もこれ大好き!」と笑顔になっている。
「うふふ、メリーちゃんは今大事な時期だから仕方ないのよ。イサークちゃんにも分かる時がその内来るわ」
とティヴィーナ様が宥めると、
「女の子の方が成長が早いと言いますものね」
とキャロライン様。
イサーク様は肩を竦めた。
「ちぇっ。ヴェスカル、後で一緒にヘドヴァンのところに遊びに行こう?」
「うん、イサーク兄様!」
「ヘドヴァンと遊ぶのは良いが、変な言葉を教えるのは程々にしておきなさい、イサーク」
「はぁい、父様」
イサーク様を窘めるサイモン様に、僕は噴き出しそうになる。
先だっての地下牢のあの一件には本当に参った。時折思い出し笑いをしてしまう。
王都へ帰る馬車の中で、「イサーク様とヘドヴァンに全て持って行かれたよ」とマリーに話すと、腹を抱えて大笑いしながら「優しい子ね」と目尻を拭っていたっけ。
「お茶にジャムを溶かして飲むというのは新しいですわね。だけど、好きですわ」
「うふふ、お茶には色々な可能性があるものですわ。来春には、薔薇のジャムを作って溶かしてみたいわ」
「あら、素敵ね」
ふむ……ラベンダーの花のジャムや砂糖漬けを作ってみても良いかも知れないな。他の花でも出来そうだ。貴婦人や令嬢達が飛び付くに違いない。
耳をそばだてながら商売のことを考えていると、執事によって手紙が運ばれて来た。
余程緊急の手紙以外のものだけだけど、それでも結構な量。僕宛てにもちょっとした山が。
数通開けてざっと目を通すと、聖女の夫である僕と友好を求めるものばかり。まあマリーの聖女の力を恐れた場合、搦め手で来るだろうとは思っていたけれど――まあ、逆手に取って利を引き出すとするか。
色々と考えを巡らせながら手紙を閉じると、手紙を読んでいたマリーが「神聖アレマニアのエリーザベト皇女殿下ね」と呟いた。
「どうしたの?」
「ああ、作家ローズマリー宛てのファンレターが来てるっていう連絡なの。異国のやんごとなき筋がローズマリーに会いたい、サインが欲しいって。でも、立場上無理なのよねぇ」
心苦しいけれど、サインで我慢して貰おうと思うわ、とマリー。
「会えない代わりに、皇女殿下特別の何かがあれば良いかも知れないね」
「そうね。考えてみる」
頷いたマリー。そこへ、キャサリン様がマリーのドレスが出来上がってきていると言った。以前彼女がデザインしていた動きやすい聖女の衣装だ。
代金はトーマス様が立て替えてくれていたらしい。後で金額を聞いてお返ししないと。
「最終調整があるだろうから後で呼ぶがいい」
「まあ、間に合いそうだったら明日トゥラントゥール宮殿に着て行こうかしら?」
「だったら急いだ方が良いだろう」
トーマス様は言って、執事に目配せをする。その意を受けた執事は早速使いを出す指示を飛ばした。
「ところでマリー……とグレイ」
相談があるのだが、と切り出すトーマス様。
思わず身構えると、精神的に疲れたので旅に出たいという要望。
それでか、と僕は合点が行く。
久しぶりに会ったトーマス様達がどんよりと窶れていたように見えたのは、やはり気のせいじゃなかったんだ。
留守を預かっている間何があったのかは知らないけれど、相当鬱屈が溜まっていたらしい。
サイモン様から有無を言わせぬ迫力で休暇をもぎ取っている。
そんなトーマス様は、ナヴィガポールで絵でも描いてのんびり過ごしたいとのこと。キャロライン様は実家の領地に海がないそうで、海とオコノミに興味を示していた。
カレル様が、「俺もどこか遠くに行きたいよ」と心底羨ましそうにトーマス様達を見た。
そうか、カレル様は皇女エリーザベト殿下の世話役を任じられているから旅に出る訳にもいかないんだ。
僕はカレル様に心から同情しながら、トーマス様達の旅の手配を約束したのだった。
***
「グレイ様。執務室へ来るようにと旦那様が」
朝食後、自室でシャルマン達と共に手紙を仕分けていると、ナーテが呼びに来た。聞けば、カーフィが顔色を悪くしてやってきたのだという。
フレールの仕出かした事についての知らせを受け取り、大慌てでやってきたのだろう。
マリーは……ドレスの調整中。
どうせ加害者であるフレールの命乞いをしに来たのだろう。被害者の彼女は同席しない方が良い。
案の定、執務室に近付くにつれ、カーフィの悲痛な懇願の声が聞こえて来た。
――サイモン閣下! 妻に教育せず野放しにした私めにも責任がございます! 何卒、何卒お許しを!
僕は失礼します、と言って執務室へ入った。
床へ額づいていたのだろう。上半身を起こして這うように寄ってきて僕に縋り付く見て来るカーフィ。
その目は赤く、全体的に憔悴していた。
フレールが消息をくらませてから、相当心配し、探し回ったのかも知れない。
「グレイ猊下、どうにかなりませんか? あのような女でも愛した女なのです」
僕は歯を噛み締めた。
カーフィは憐れだ。だが、フレールを許すことは出来ない。
「残念ながら、貴方の減刑嘆願でどうにかなる域はとうに超えているんですよ。フレール・リプトン伯爵夫人は聖女マリアージュに魔女の濡れ衣を着せ、アレマニアの者達に殺すよう唆したのですから」
よしんば、僕達がフレールを許そうとも、マリーに忠誠を誓う彼らは許さないだろう。
身分剥奪と国外追放で済ませたのは温情だと思って下さい、と首を横に振る。
カーフィは目から光を失い、床に崩れ落ちた。
「そ、そんな……ああ、フレール。フレール」
そんなカーフィを見、サイモン様が溜息を吐いた。
「カーフィよ。私にも温情がない訳ではない。二つの道を提示しよう。お前が伯爵位も何もかも全てを捨てて神聖アレマニア帝国へ行くか、罪を減じるだけの功績を立てて迎えに行くか――どちらか好きな方を選ぶが良い。ただ、前者の場合はカレルと養子縁組の上で伯爵位を譲って貰うことになるがな」
「手紙にも書いた通り、フレールはアーダム皇子達と行動を共にしています。アーダム皇子達が解放されれば、彼女は皇子の保護を受け、神聖アレマニア帝国へ向かうでしょう」
容易いのは全てを捨てて神聖アレマニア帝国へ向かう事だけれど――フレールは恐らくカーフィを切り捨てるだろう。
カーフィは考え込むように床を眺めていたが、ややあって「……分かりました」と言って僕達に頭を下げ、のろのろと執務室から出て行った。
サイモン様がこちらを見て肩を竦める。
「蛇は執念深いというが、やれやれ。フレール夫人に似た女でも侍女としてリプトン家に送り込むか?」
「そうですね……」
カーフィがフレールを諦めてくれれば一番良いんだけれど。
***
次の日――
「じゃあ、行って来るわ。カレル兄には本当に苦労を掛けたわね……今日は麗しき月光の君(笑)を気取る必要は無いから好きなだけ鼻をほじったり変な顔したりして良いからね。ありのままのカレル兄で思う存分やりたい放題のびのびと過ごして欲しいわ!」
心なしか、カレル様の二つ名に含みがあるような……というか、貴婦人がなんてことを言うんだ。まあ、マリーに限っては今更な気もするけど。
案の定、ピキピキと額に青筋を立てたカレル様がマリーの頬を鷲掴みにする。唇が縦に伸ばされたマリーはまるで潰されたフグのようだ。
というか、同行者である女王リュサイや騎士ドナルド達が目を剥いているよ、マリー。
「……お前は俺を何だと思ってるんだ」
「痛たたたた、何すんのよ!」
誰もが認める貴公子カレル様に凄い内容を容赦も遠慮も無く言い放てるのは、妹であるマリーぐらいしか居ないだろうな。
46
お気に入りに追加
4,794
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。