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貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。
覚悟せねば極楽には行けません。
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「し、し、知ってるって……」
動揺しながら訊き返すと、本当は秘密なんだろうけど、と声を小さくして言う。
「……ちょっと前、サイモン様の執務室で聞いたんだ」
「聞いたって、何を?」
自然、私もやや小声になる。まさか、私の毎朝習慣も全部筒抜けなんじゃあ…。戦々恐々としていると、前脚が普通に声を掛けて来た。
「ご案じなさらぬよう。お伝えした事は、私共が『前脚』『後ろ脚』と呼ばれている事。そして、マリー様をお守りしている事のみです」
「そ、そうなの……」
前脚とアイコンタクトをする。のみ、という所を強調していたという事は、実際に馬としてライドオンしている事は知らないのか。私はひとまず胸を撫で下ろした。
「では、改めて前脚。風邪を引かぬ内にナマズを持って屋敷に戻り、風呂にもちゃんと入るようになさい」
「ははっ!」
前脚は今度こそナマズを抱えて屋敷の方へと去って行った。
それを見送っていたグレイは気を取り直したようにこちらを向く。
「さてと、お昼までまだ時間があるね。どうする?」
「あれを釣って少し疲れたから、私は睡蓮を刺繍する事にするわ。道具も持ってきてるの」
「じゃあ僕はのんびり釣りをするよ。あまり大きなものは返す事にしよう」
グレイは宣言通り待ちの釣りに入った。敷物の上に腕を枕にして仰向けになる。私もいそいそと刺繍道具を取り出した。
少し、思案する。
ただ刺繍するだけじゃ味気ない。私は昼までに仕上げる事に決めた。となると出来るのは小さめのモチーフ、花と葉っぱ一つずつぐらいか。
睡蓮をよく見ながら輪郭線をデフォルメして作っていく。
「……」
睡蓮というか、蓮にも見える。私は薔薇も好きだが蓮も好きだ。泥の中に根を張りながら清浄な花を咲かせる。極楽浄土の花であり、人は死後、その蓮の花の上に生まれ変わるという話を聞いた事がある。一蓮托生という言葉があるが、私も今世ではグレイとそうありたいものだ。
ふと、花について語られたダンマパダの一節を思い出した。
『美しく、しかも香りのある花があるが如く。善く説かれた言葉を実行する人にこそ実りが得られる』
逆を言えば、実行しなければ実りも何もない。
――分かってる。でも、この世界は怖いんだもの…。
それに、何が善か悪かも一概には言えない。良かれと思った事が裏目に出る事もままある。
前世では例えば善意を持った男の人が迷子を保護しても警戒されて酷い場合には通報されたり、乗り物の中で老人に席を譲ろうとしても、『老人扱いするな』と逆に怒られたり。事件を通報してもあれこれ聞かれ、果ては犯人と疑われて不当な扱いを受ける事だってある。
そういう親切や正義が仇となる事例には大なり小なり枚挙に暇がない。だから、皆見て見ぬふりをするようになった。誰かがやるだろう、と。
それは私も例外じゃない。トラブルに巻き込まれたのなら、それは運が無かったですね、で終わる。
今世でも、考えを伝えるだけで私自身は何もしない。それを実行するかどうかはその人次第だ。
根底にはきっと恐れがあるのだと思う。拒絶が怖い、失敗が怖い、異物と排除されるのが怖い。実際、私はひどく臆病なのだから。
だから、これでいい。このままで。私一人、この世から居なくなっても世界は回り続けるんだし。お前の代わりは幾らでもいる、って言われた事もある。それに、前世大変だった分のご褒美として勝ち組ニート生活をやるって決めたんだから。
私は自分に言い聞かせるようにして際限なく沈んでいく思考を打ち切った。刺繍に専念する。
***
花。蓮。蓮と言えば蓮根。
集中したお蔭か瞬く間に仕上がっていく刺繍。だんだん蓮根が食いたくなってきた。グレイに訊けば手に入るかな。
前世ではアジア中心に結構食されていたけれど。こちらでは見たことが無い。余談だが、エジプトにあった『ロータス』は睡蓮の部類であり、蓮根は食えない。原産地はインドなのだ。
私はグレイに呼び掛けた。
「どうしたの?」
「あのね、暖かい国に睡蓮に似た、大きな花が無いかしらって思って。ピンクの花で、水中に根があって。水の上に茎を伸ばして咲くの」
私の説明に、彼は腕組をして思い出すように斜め上を見た。
「うーん、『蓮』の事? うちか祖父の家にあったと思うけれど。祖母も母も花が好きなんだ。外国の珍しい植物を時折手に入れて育ててみてる」
「本当!? 今の花が終わって、全部一度枯れてしまった後、その根っこを分けて頂けないかしら」
まさかの僥倖! ひょっとすると蓮根を思ったより早く食べられるかも知れない。私は期待に身を乗り出した。グレイは怪訝な表情をしている。
「根っこ? 花じゃなく? 育てるの?」
「いいえ、食べるの。とっても美味しいのよ」
「あれ、食べられるの!?」
目を丸くして驚かれた。この国じゃ食べないだろうしなぁ。私は根っこはレンコンという野菜の一種で食べられる事を説明する。肉挟みで焼いたのとか美味しいのだ。
「多分、私の知ってる植物と同じだったら食べられるわ」
「分かった。じゃあマリーの知ってるものなのかどうかうちに見に来ると良いよ。丁度今蕾が付いてるし。後、その『レンコン』を食べる時は僕もご馳走になって良い?」
「ええ、是非見に行かなくちゃ。花開くのはきっと早朝よね。早起きしなくちゃ。食べる時も一緒に食べましょう」
輪切りにすると穴が沢山開いてて、ハンコ遊びをしても面白い等と話す。グレイは「じゃあ今度の手紙に使ってみようかな」と思案げにしていた。
そんな会話をした後、彼はお手洗いで中座した。屋敷が近いのでそちらへ一度戻る事になる。緊急時を除き、流石に他人様の庭で立ち小便なぞはしないものだ。
さて。
好機とばかりに私は刺繍道具を置いた。やりたい事があり、機会を窺っていたのである。
徐にバスケットから用意させていた人参を取り出すと、使っていない釣り竿から針を取り、代わりに人参を括りつける。馬が釣り糸を食べたら危険なので、人参を草で括り、その草と釣り糸を繋いでいる格好である。
「後ろ脚」
「はっ」
流石は馬の脚。私が何をしたいのかよく理解している。
後ろ脚は私を持ち上げるとリディクトの上に乗せ、釣り竿を渡してきた。念の為なのか、手綱を握っていた。
私はそっと釣り竿を動かし、リディクトの目の前に人参を垂らす。
そう、私はこのようにして本当に馬が歩き出すのか検証してみたかったのだ。
「……」
しかし予想に反してリディクトの脚はピクリとも動かなかった。試しに人参を鼻の先に近づけてみる。
首だけを伸ばして人参を食べようとしたところですっと前方に離す。
やはりリディクトは動かなかった。それどころか、私の方を振り返って、じーっと見詰めて来る。それがアホの子を見るような眼差しに思えて、だんだんいたたまれなくなってきた。
「……『馬の鼻先に人参をぶら下げる』とは偽りであったか」
心が折れそうになったので一人頷いて納得し、そろそろ降りるかと後ろ脚に声を掛けようとしたその時。
「……何やってんの、マリー」
呆れたような声。私はビクリとして思わず釣り竿を取り落とした。
動揺しながら訊き返すと、本当は秘密なんだろうけど、と声を小さくして言う。
「……ちょっと前、サイモン様の執務室で聞いたんだ」
「聞いたって、何を?」
自然、私もやや小声になる。まさか、私の毎朝習慣も全部筒抜けなんじゃあ…。戦々恐々としていると、前脚が普通に声を掛けて来た。
「ご案じなさらぬよう。お伝えした事は、私共が『前脚』『後ろ脚』と呼ばれている事。そして、マリー様をお守りしている事のみです」
「そ、そうなの……」
前脚とアイコンタクトをする。のみ、という所を強調していたという事は、実際に馬としてライドオンしている事は知らないのか。私はひとまず胸を撫で下ろした。
「では、改めて前脚。風邪を引かぬ内にナマズを持って屋敷に戻り、風呂にもちゃんと入るようになさい」
「ははっ!」
前脚は今度こそナマズを抱えて屋敷の方へと去って行った。
それを見送っていたグレイは気を取り直したようにこちらを向く。
「さてと、お昼までまだ時間があるね。どうする?」
「あれを釣って少し疲れたから、私は睡蓮を刺繍する事にするわ。道具も持ってきてるの」
「じゃあ僕はのんびり釣りをするよ。あまり大きなものは返す事にしよう」
グレイは宣言通り待ちの釣りに入った。敷物の上に腕を枕にして仰向けになる。私もいそいそと刺繍道具を取り出した。
少し、思案する。
ただ刺繍するだけじゃ味気ない。私は昼までに仕上げる事に決めた。となると出来るのは小さめのモチーフ、花と葉っぱ一つずつぐらいか。
睡蓮をよく見ながら輪郭線をデフォルメして作っていく。
「……」
睡蓮というか、蓮にも見える。私は薔薇も好きだが蓮も好きだ。泥の中に根を張りながら清浄な花を咲かせる。極楽浄土の花であり、人は死後、その蓮の花の上に生まれ変わるという話を聞いた事がある。一蓮托生という言葉があるが、私も今世ではグレイとそうありたいものだ。
ふと、花について語られたダンマパダの一節を思い出した。
『美しく、しかも香りのある花があるが如く。善く説かれた言葉を実行する人にこそ実りが得られる』
逆を言えば、実行しなければ実りも何もない。
――分かってる。でも、この世界は怖いんだもの…。
それに、何が善か悪かも一概には言えない。良かれと思った事が裏目に出る事もままある。
前世では例えば善意を持った男の人が迷子を保護しても警戒されて酷い場合には通報されたり、乗り物の中で老人に席を譲ろうとしても、『老人扱いするな』と逆に怒られたり。事件を通報してもあれこれ聞かれ、果ては犯人と疑われて不当な扱いを受ける事だってある。
そういう親切や正義が仇となる事例には大なり小なり枚挙に暇がない。だから、皆見て見ぬふりをするようになった。誰かがやるだろう、と。
それは私も例外じゃない。トラブルに巻き込まれたのなら、それは運が無かったですね、で終わる。
今世でも、考えを伝えるだけで私自身は何もしない。それを実行するかどうかはその人次第だ。
根底にはきっと恐れがあるのだと思う。拒絶が怖い、失敗が怖い、異物と排除されるのが怖い。実際、私はひどく臆病なのだから。
だから、これでいい。このままで。私一人、この世から居なくなっても世界は回り続けるんだし。お前の代わりは幾らでもいる、って言われた事もある。それに、前世大変だった分のご褒美として勝ち組ニート生活をやるって決めたんだから。
私は自分に言い聞かせるようにして際限なく沈んでいく思考を打ち切った。刺繍に専念する。
***
花。蓮。蓮と言えば蓮根。
集中したお蔭か瞬く間に仕上がっていく刺繍。だんだん蓮根が食いたくなってきた。グレイに訊けば手に入るかな。
前世ではアジア中心に結構食されていたけれど。こちらでは見たことが無い。余談だが、エジプトにあった『ロータス』は睡蓮の部類であり、蓮根は食えない。原産地はインドなのだ。
私はグレイに呼び掛けた。
「どうしたの?」
「あのね、暖かい国に睡蓮に似た、大きな花が無いかしらって思って。ピンクの花で、水中に根があって。水の上に茎を伸ばして咲くの」
私の説明に、彼は腕組をして思い出すように斜め上を見た。
「うーん、『蓮』の事? うちか祖父の家にあったと思うけれど。祖母も母も花が好きなんだ。外国の珍しい植物を時折手に入れて育ててみてる」
「本当!? 今の花が終わって、全部一度枯れてしまった後、その根っこを分けて頂けないかしら」
まさかの僥倖! ひょっとすると蓮根を思ったより早く食べられるかも知れない。私は期待に身を乗り出した。グレイは怪訝な表情をしている。
「根っこ? 花じゃなく? 育てるの?」
「いいえ、食べるの。とっても美味しいのよ」
「あれ、食べられるの!?」
目を丸くして驚かれた。この国じゃ食べないだろうしなぁ。私は根っこはレンコンという野菜の一種で食べられる事を説明する。肉挟みで焼いたのとか美味しいのだ。
「多分、私の知ってる植物と同じだったら食べられるわ」
「分かった。じゃあマリーの知ってるものなのかどうかうちに見に来ると良いよ。丁度今蕾が付いてるし。後、その『レンコン』を食べる時は僕もご馳走になって良い?」
「ええ、是非見に行かなくちゃ。花開くのはきっと早朝よね。早起きしなくちゃ。食べる時も一緒に食べましょう」
輪切りにすると穴が沢山開いてて、ハンコ遊びをしても面白い等と話す。グレイは「じゃあ今度の手紙に使ってみようかな」と思案げにしていた。
そんな会話をした後、彼はお手洗いで中座した。屋敷が近いのでそちらへ一度戻る事になる。緊急時を除き、流石に他人様の庭で立ち小便なぞはしないものだ。
さて。
好機とばかりに私は刺繍道具を置いた。やりたい事があり、機会を窺っていたのである。
徐にバスケットから用意させていた人参を取り出すと、使っていない釣り竿から針を取り、代わりに人参を括りつける。馬が釣り糸を食べたら危険なので、人参を草で括り、その草と釣り糸を繋いでいる格好である。
「後ろ脚」
「はっ」
流石は馬の脚。私が何をしたいのかよく理解している。
後ろ脚は私を持ち上げるとリディクトの上に乗せ、釣り竿を渡してきた。念の為なのか、手綱を握っていた。
私はそっと釣り竿を動かし、リディクトの目の前に人参を垂らす。
そう、私はこのようにして本当に馬が歩き出すのか検証してみたかったのだ。
「……」
しかし予想に反してリディクトの脚はピクリとも動かなかった。試しに人参を鼻の先に近づけてみる。
首だけを伸ばして人参を食べようとしたところですっと前方に離す。
やはりリディクトは動かなかった。それどころか、私の方を振り返って、じーっと見詰めて来る。それがアホの子を見るような眼差しに思えて、だんだんいたたまれなくなってきた。
「……『馬の鼻先に人参をぶら下げる』とは偽りであったか」
心が折れそうになったので一人頷いて納得し、そろそろ降りるかと後ろ脚に声を掛けようとしたその時。
「……何やってんの、マリー」
呆れたような声。私はビクリとして思わず釣り竿を取り落とした。
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