婚約破棄され売れ残りなのに、粘着質次期宰相につかまりました。

みゆきんぐぅ

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執着旦那と愛の子作り&子育て編

なんで自由になったのにウチに籠るんだ。

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気をしないようにしているのに気になってしまう、そんな事はないだろうか?

まさに今シャリオンはそんな状態だった。
仕事を手にし目にしている最中は集中しているのだが、書類を終えるとスイッチが切り替わるように考え事に浸る。
側近として使えるゾルはそのことにとっくに気づいているが何も言わなかった。

そんな調子のシャリオンの元へ入った知らせに余計に集中力がそちらに行った。
待ち過ぎてお昼が過ぎたのを忘れていた。

報告は子供達の帰宅の知らせだ。
それ以外に何もないと言うことは、無事帰ってくるという事でホッとした。

今領地は少々面倒なことが起きている。
それは死山から帰った日にゾルから報告を受けたことなのだが・・・。
領民の一部から城に棲みついている大型魔物を駆除してほしいという要望が出ている。
ヴィンフリート曰く人の心を読み取る力を持てるだけの存在だというヴィスタの周りで、そんな恐ろしいことをよく考える。・・・いや。領民からしたら当然の反応であろう。

神獣という存在は物語の中の生き物で大きく神聖な生き物としか表記がないうえに、神獣は大抵人を守るとされており、結界を壊すような魔物が領城に棲みついているなんて領民からしたら不安になるのは当たり前だ。
領民からの要望は叶えたいところだが、今回のだけは聞けなかった。
訴えてきた人物には、強大な力の持ち主の為排除できずに共に生きていくことを伝えさせた。
それにくわえて全領民に改めて、領地内で見かけてもけして手を出さない事と出さなければ襲われないことを改めて領土内に通達した。
そんなわけで、領地は今微妙な状況であり、あのヴィスタに会いに行くという子供達が心配なのだ。

子供達は領城から出ないし、領民が領内に侵入することは出来ない。ヴィスタも約束をしているから大丈夫だと思うのだが。

聞き分けが良く一度約束したら守る子供達であり、ヴィンフリートに果敢に飛び込みガリウスに怒られたため、攻撃的にはならないと思うのだが。

本当なら止めさせたかった。

しかし、子供達がヴィスタに『挨拶』をしたいという気持ちを大切にしたいし、何より過保護にしすぎては駄目だと自分に言い聞かせた。
レオンの過保護にシャリオンは何度も諦めた。
それはシャリオンを思ってのことだと解っているが、シャリオンは出来れば子供達のことを安全に守りながら叶えてあげたいのだ。
それに、上に立つ者として許すことも出来なけれならず、それを子供達にも見てもらいたいのだ。

そんな思いで送り出した子供達。
迎えに来た第二騎士団の者達に、しっかり立派な挨拶と受け応えをする姿に感極まった。
勿論貴族たるものそんな人前で泣くなどみっともないことをするわけもなく、表面上必死に耐えたわけだが。
子供達を抱き寄せて褒めてやりたくなるのと、誇らしげに思うのと、寂しさを感じた。
すると、何だか不思議そうな眼差しがこちらを見上げてきていた。
魔力を抑えてから数日しかたってないが、こんなふうな表情を見かけるようになったが、あれはなんだったのだろうか?考えていると帰宅の知らせがあった。

子供達はヴィスタにしっかりと挨拶をしてきたと報告してくれるのだが、疲れているのか元気が無い。
早く休むように言ったのだが、邪魔をせず大人しくしているのでもう少しシャリオンのそばに居たいと言う子供達。

「シャリオン様」
「ん?」
「そろそろ昼食の時間を取られてはいかがでしょうか」

時計を見ればいつもなら取っている時間だ。
いつもならゾルがとっくに昼食をとるように言ってくる時間なのだが、こうなることが解っていたのだろうか。
シャリオンは心の中でゾルにお礼を言うと子供達の方を見て、両腕を広げるとふわりと飛んできたところだった。
護衛をしていた者が息を飲んだのが聞こえて、そちらに視線をむけた。
そう言えばまだ退出をさせていなかったことを思い出した。
しかし、・・・子供達の高い魔力はいずれ知れ渡ることだ。
シャリオンは護衛をしてくれた第二騎士団達には、魔力が高いだけでなんでもないように話す。

「子供達は魔力が多くて歩くよりこの方が楽なんです」

シャリオンがそう言うと、少し手前で止まった子供達を不思議に思いながら抱き寄せる。
人前でやっては駄目だと教えたのに破ってしまった思っているのだろうか。
覗き込むと、タンザナイトとエメラルドの瞳が少し潤んでいるようだ。
両腕に収まった子供達を撫でることが出来ないのが歯がゆい。

「素晴らしい能力で隠すことは無いのですが、慣れない者もいるため伏せておりました。
このことは陛下や王太子殿下もご存知です。
アルベルト様もご存知ですので聞いてみてください」

そういうと騎士はハッとして敬礼をした。

「「っ・・・失礼いたしました」」

出来れば口外するなと言いたかったが、それを止めておく。
シャリオンが騎士団に口止めを出来る権限は無いからだ。

「いえ。今日は子供達を護衛して下さりありがとうございました。
もう、大丈夫ですので今日はお下がり下さい」

騎士は敬礼をすると出て行った。
子供達の方にも一礼をするところを見ると、何かを聞いて居るのかもしれない。
そんな事よりも今は子供達だ。
しがみついている子供達は自ら浮遊をしている為シャリオンは重くはなく、離れたがらない子供達を抱き寄せて歩いた。
導かれるまま食事の部屋として使っている部屋に移動をする。
王族たちも使う食堂はあるがシャリオンはあまり優雅に時間を取れる余裕はなく、ゾルが部屋に食事を用意してくれているのだ。
シャリオンはそれほど食にこだわりが無いが、城で出される軽食は充分に美味しく量が沢山だ。

机に着くと準備をされるまで2人に問いかけた。

「おかえり」
「「ただいまもどりました」」

ソファーに浅く座り背中は背もたれに寄り掛かると子供達が楽になりやすいようにすると、すぐさま胸にしがみつきそんな子供達の背中を撫でる。
そろそろ大きくなってきて2人一緒は厳しいかもしれない。

「ドラゴンのヴィスタとあってどうだった?」
「?ドラゴンじゃないヴィスタがいるのですか?」
「ドラゴンしかあってないです」

その言葉を聞きながら人化しなかったのかと思っていると、ゾルが耳打ちする。

「シャリオン様。あの者にはハイシアにいるならドラゴンでいるように言っております」
「あ。そうだった」

ゾルの言葉にシャリオンは思い出した。

「あのドラゴンは人のかたちにもなれるのだけど、ハイシアではドラゴンでいるように言ってあるんだ」

その言葉に子供達は不思議そうに首をかしげる。
2人揃って同じようにするのでクスリと笑った。

「とある人にとてもよく似てね」
「「わたくし」「ぼく」たちに、にてるといわれました」」
「ヴィスタそんなこといってたんだ」
「「はい」」

他人(?)はそう言うかもしれないが、
シャリオンからしたら子供達もガリウスもヴィスタは似てない。
話していたら直ぐにわかる。

「全然似てないよ。シュリィとリィンは比べ物にならないくらい可愛い」

そう言いながら2人の額に口づけると、2人は嬉しそうにした。
どうやら、ご機嫌は直ってきたようだ。
乳母によると機嫌が悪いときは眠い時だと聞き、落ち着けよう2人の背中を撫でているのだが、目はぱっちりと開いている。
これはシャリオンがガリウスにされて、ホッとすることなのだが、子供達には元気になってしまいあまり効き目はない様子。
撫でるのをやめると不満げに手を見てくる子供達にシャリオンはクスクスと笑いながら2人の背中を撫でながら話すのを続けた。

「それで?ご挨拶をしたらヴィスタは何か言っていた?」
「ハイシアのガーディアンになるって言ってました」
「はい?」

思わずセレスを見れば苦笑を浮かべている。

「んー。なんか可笑しなことを言っている気配はしたんだよね。
けど、ドラゴン形態のあいつはよくわからないんだよね」
「・・・、それで」
「直感的に調子乗ってるなって思ったから、またハイシアを襲うようなことがあれば、この領地の専属魔術師として戦うだけでそれは伝えたよ?」
「・・・セレス」

珍しく攻撃的な発言に、その視線は真剣でシャリオンはコクリと頷いた。
相手が強くて勝ち目はないのが解っていても、そうならない様に手を打つがヴィスタが牙をむいてくるのならばシャリオンだって戦う。
すると、腕の中からも声が上がった。

「「ちちうえにもとうさまにてをだしたらゆるさないっていってきました」」
「ヴィスタが強いのは解っているでしょう・・・?」

セレスに触発されてしまったのだろうか。
だとしてもガリウスとの約束を破るようにも聞こえるそれに、シャリオンが厳しく言うが子供達はコクリと頷いた。
そして、ぎゅうとシャリオンの服を握るそれを見てシャリオンは叱ろうとした言葉が引っ込んだ。
子供達が頑張ろうとするのは、シャリオンが弱すぎるせいだ。
ヴィスタに手を出すなと言って難しいなら、他の手を考えなければならない。

「もし、僕が傷つけられるようなことがあっても、自分を一番に考えて」
「「っ!!」」
「そう言っても難しいよね」
「「っ・・・いやですっ」」
「・・・ありがとう」

『ありがとう』は間違っているとは解っている。
シャリオンが傷つけられるという事を、想像してか膝の上で子供達はぐずぐずと泣き出してしまった。
優しい子供達の背中を撫でる。

「でもね。僕はあのドラゴンと友達なんだ」

そういうとゾルの小さなため息が聞こえてきた。

「だから、あのドラゴンが僕を傷つけることはないから安心して?」
「「ほんとうですか・・・?」」
「うん。本当」

訝し気に尋ねる子供達に安心させるようにそう答えるシャリオン。

「えー?シャリオン様のお友達なの??」
「うん」
「じゃぁ僕も許さないとダメか」

子供達が過剰に反応しない様にあえて口にしてくれているのだとわかる。
これで無茶をしないでくれたらいいのだが。

「「ちちうえ・・・ごめんなさい・・・」」
「謝らなくていいんだ。
・・・僕が2人を愛していて大切だってことは忘れないで。」
「「!・・・っ」」

そう言うと、シャリオンにしがみつく力が強くなる。
そんな2人の背中を撫でながら慰めると、疲れが限界に達したのか次第にシャリオンの腕の中で眠りについた。
久しぶりに腕にのしかかる重みにも愛おしさを感じていた。

☆☆☆

その日の夜。
部屋に戻ってきたガリウスに今日の出来事を話す。
無事に帰ってきたことを話した。

「そうですか」
「うん」
「それ以外に何かなかったですか?
子供達はドラゴンに喧嘩を売りませんでしたか」
「ううん。大丈夫。・・・あ。そう言えばヴィスタが子供達にハイシアのガーディアンになるとか言ってたみたい」
「・・・また勝手なことを」

ガリウスは忌々しそうにいうのに苦笑を浮かべた。

「折角自由になれたのに。・・・なんでハイシアに籠るんだろう」

ため息が止まらない。
そう言う理由で飛び出したのに、モヤモヤする。

「そんなにハイシアを気に入ってくれるのは良いのだけど」

そんな良い取り方をするのはシャリオンの良いところだ。しかし、ガリウスはヴィスタの事を遠ざけたい存在であり、言葉に気を使っても厳しい物言いになってしまう。

「約束を破らないように監視するためですよ」
「そう言う理由なの・・・?」
「わかりませんが、彼らにとって人間の一生なんて一瞬でしょうからね」
「そうだね」

シャリオンの顔色にガリウスはまだ続けようとしていたが以上はやめた。

「あのドラゴンのことはいいでしょう。
ところで他に子供達に何かありませんでしたか?」
「他には・・・。
今日、2人が・・・『アシュリー・ハイシア』と『ガリオン・ハイシア』て、名乗ったよ」

最近、2人の成長を見て感激して胸が熱くなる。
それにくわえてアシュリーが『アシュリー・ハイシア』と名乗れるのは少ししかない。

「私も同席すればよかったです」
「そうだね」
「泣きませんでしたか?」
「うん。ちゃんと立派に挨拶できてた」

思い出してみても、数日前までの子供らしいそれはなくとても立派だった。
親の贔屓目だが可愛らしくも、王族としても貴族としても将来有望だ。
見た目は赤子なのに、はきはきと話す子供ははたから見たら異様かもしれないが、シャリオンからしたら褒める言葉しか思い浮かばない。
そんな風に言うシャリオンにガリウスは首を横に振った。

「違います。シャリオンがです」
「っ・・・、」

その言葉に浮かべていた笑顔がピタリと止まる。
その笑顔が無理していると分かっているようで、シャリオンの肩を抱き寄せられるとガリウスの胸に飛び込む形になるがすぐには起き上がれなかった。
顔が見られる事が無くなると、堪えていた涙を誘われているようだ。
ハイシアに行ったのも『ドラゴンに挨拶』と言っていたが、ようはシャリオンの為に行ったようなものだった。
目頭が熱くなってきて押し殺そうとすると余計に駄目だった。

「泣き顔は誰にも見せては駄目ですよ。
特に騎士団の人間は絶対に見せては駄目です」
「っ・・・そんな、騎士の皆さんが誰彼構わずみたいに言ったら失礼だよ。
「普段むさ苦しい相手しか見ていないからから、勘違いして貴方を守れるのは自分だけだとおかしな考えを抱く者が湧きます」
「子供達を無事に護衛してくれたのに」
「ハイシアまでの、それもワープリングを使っての道のりくらい護ることも出来ないようでは、クビです。
まぁ、城に住み着いてるアレに関しては無理だと思いますし、その為のセレスです。
とは言え、子供達の顔を見せられたのは良かったです」

期待してないようにも聞こえるかもしれないが、これは適材適所という意味である。
現にガリウスはクスクスと笑いながら答えた。
寂しさと悲しみに泣きそうになっているシャリオンの気を紛らわさそうとしているのだ。
まぁ・・・思い出させたのはガリウスなのだが。
顔をあげたシャリオンを慰めるように優しく微笑む。

「あの子が助けを求められる場所を一つでも多く作って置きたいのです」

確かに国を守る騎士と繋がりがあるのは良いだろう。
彼等は第二騎士団で直接護衛に当たる事は無いだろうが、それでも騎士というものに触れさせられる機会だ。

「うん」
「ルーク様やアンジェリーン様も私達の所へ来る分には大目に見てくださるはずですが、彼女の一番近くにいるのは側近や騎士達です」
「そうだね・・・」

そう返事をしながら、シャリオンはアシュリーの周りを真剣に考えてくれているガリウスにホッとしながらも反省した。
罪悪感ばかり考えて、アシュリーのことを考えていなかったからだ。
どんなに容姿が王族の証である金髪碧眼だとしても、王家の近さで言ったら親になるアンジェリーンの方が断然近い。
レオンが健在の間は、アシュリーにおかしなことをするような人間は居ないだろうが、自分の世代になった時同じように他貴族に一目置かれるような存在になれるかと言ったら疑問である。
そもそも、貴族同士の繋がりをシャリオンは殆どしておらず、むしろガリウスの方がしているくらいだ。

「僕も頑張ろう」
「シャリオンにお願いがあるのです」

気を入れ直したシャリオンにそんな呼びかけに首を傾げた。

「お願い?」
「えぇ。赤蜘蛛の皆を彼女の周りに集めたいのですが」

アシュリーの周りに集めるという事は頻繁に会うようになる為、確認をしてきたのだろう。
ウルフ家の者を付けたいがサーベル人だとわかる者達を付けられないのはシャリオンにも解る。
ハイシア家の目印でもあるようなウルフ家のものは、王族の人間の結婚ともなれば別だが王族の養子では難しいだろう。
そこで赤蜘蛛達なのだ。

「心強いけれど、彼女達は彼女達の生活がある。長く拘束するようなことは・・・」

そう言うとガリウスはクスリと笑みを浮かべた。

「その点は大丈夫です。むしろ喜ぶのではないでしょうか」
「そうなの?」
「彼女達はウルフ家の者に嫉妬してますから」
「どういたこと・・・?」
「貴方の役に立ちたいのです。・・・以前私に報告に来ていた女性を覚えていますか?」
「覚えてるよ」
「彼女はあのような嬉しそうな表情はめったにしません」
「そうなの・・・?とは言ってもね。
僕の方こそ彼女達のおかげ話が上手くいった所があるのだから、そこまで恩義を感じてくれなくて良いのだけど」
「彼女達は足りないと思ってるようです。
それにアリアならまだ歳は近いでしょう」

確かにそうかもしれない。
アシュリーが年頃になる頃はすっかり大人になっているだろうが。

「・・・、もしかして、この事を考えてハドリー領に?」
「子供に付けるためにという事は考えてませんでしたよ。
それに彼女は参入のために入ったゾイドス家ですが本当の妹のように接したカインを大切に思っているようです。
猫をかぶって何も知らない令嬢になり切ってたわけですから、本当に何も知らないカインが放っておかないのでしょう。
それに、ハドリーは今後ハイシアの要になるためカインにつぶれてしまっては困りますから。
流石に私も生まれてくる子供が金髪碧眼になり王族になるなんて想像できません。
あの頃は、素行が悪くとも王太子妃がいましたからね。あの方はルーク様と折り合いがつきませんでしたが、子を成す事には意欲的でした。
むしろ、贅沢をするために王妃になり、子を成せば良いとさえ思っておりました。
ルーク様も彼女とは合わないと思っているならさっさと別の方と収まってくださればいいものを」

そうため息混じりに言うガリウス。
実際のところそれが難しいのは分かっている。
当時では有力な貴族の家の娘で、王太子と言えど生みの親が男爵で後ろ盾が少なかった。

「すぎた事は仕方がありませんね」
「うん」
「それと、こちらはいいことです。
一つ決まった事があります。
王家のことですので内密にお願いしたいのですが」
「どうかした・・・?」
「ルーティ様が正式に王配になる事が決まりました」
「!」

ルークの生みの親のルーティは王妃が亡くなった後もずっと側室でいた。
ブルーノのが溺愛をしているのは一目瞭然だったが、亡くなった後も話を進めなかったのはルーティの望みだった。
ルーティは側室であったが王妃よりも城の人間に好かれており、誰からも好かれるルーティは彼女から『男爵の息子で顔をいかして子を産むしか能がない』などとしいたげられており好きにはなれなかった。

しかし、王配の席が空いているという状態であることで彼女の存在を示したかったのだ。
それは、ブルーノが冷酷に系譜から抹消したことにも関係がある。
確かに彼女がしたことは人道的ではなく、一歩間違えればライガーはこの世からいなくなっていたかもしれない。
しかし、彼女がライガーの母親であることは変わらず、存在を消す事でライガーが気に止むことを恐れたのだ。

それほど気にしていたと言うのに「王配」になるという話は、正直驚きを隠せない。
しかし、ライガーも成長し、言われてみたら頃合いなのかもしれない。

「そうなんだ。
ブルーノ様もさぞかし喜んでいるかもね」
「えぇ。口では『かたちは関係ない』とおしゃってますが明らかに浮かれております」

幼いころからよく知っているブルーノに思わずその様子が想像出来てクスクスと笑った。
ルーティの願いは理解はできるが、ライガーはそのような事は気にしてないし、寧ろルーティを生みの親だと慕っている。
自分の本来の母よりも愛され愛している。と、そう言ったのはライガー自身で、むしろ母の痕跡は全て消し去りたいとまで思っている。
はっきりと聞いたわけではないが、うっすらとそんな風に話していたのを覚えている。
例によってそれを表面に出さないのはライガーの優しさで、ルーティの想いを踏みにじりたくなかったのだ。

「勿論2人にもです。そう言えばアンジェリーン様に夜会のお誘いがありましたね」
「・・・うん」

やたら夜会に誘ってくるアンジェリーン。
一人で行けば良いものを、一人では逆に出ないそうだ。式をあげるには一緒に出ると言ったのを有耶無耶にしたのもあるかもしれない。
シャリオンを誘ってもガリウスが多忙で行けないと断っていたのだが、やり方を変えてガリウスに直接言っているようだ。

「気が乗らないなら私一人でも」
「それは駄目!」

普段ではあまり発さないような、強い否定をしてしまいハッとした。
次第に頬が熱くなっていく。
結婚をしても、いや。
むしろますます色気を纏うガリウスを、夜会に1人で行かせるなんて事、許容できるわけがない。
特に、今はアシュリーの事もガリオンのこともあり、愛想良くするだろうと思うと気が気ではない。
すると、ガリウスがクスクスと笑った。

「えぇ。私も貴方がいらっしゃらないなら出たくはありません。
アリア達も領での振る舞いはなれたものでしょうが、
こちらのやり方を思い出させることと、ウルフ家の女性の使用人と顔合わせをさせるためにも数回は必要です」
「うん。そうだね」

準備もせずに物事はこなせない。
アシュリーのことが告知されるその日までには慣れてもらいたいところだ。

発表は1歳か2歳の誕生日後だろうか。
少なくとも7歳までは置かないはずだ。

「大丈夫です。私に任せてください」

そんな頼りになる言葉を聞きながらシャリオンは頷いた。


★★★


【別視点:アシュリーandガリオンandセレス】

少し前に戻り、子供達がハイシアに戻った時の話。

ハイシアに戻ると自分達の部屋で少し休む。
魔力は多いが体力は普通の赤子の子供達は魔法を使わないとそれはそれで疲れてしまう。
今日はセレスとウルフ家以外の者がいるから魔法は使えないためだ。

そのこともあり、子供達は不機嫌だった。
一番は、魔力を抑えているせいではっきりと聞こえないざわめきが耳障りだった。
互いの声は変わらず聞こえるのに、抑えたことに不鮮明でイライラしてしまう。
聞こうと思えばわかるのだが。
それは、機嫌にも反映されてしまい2人とも無口で、隣のセレスはそれをみながら不思議に思っていた。

「しゅりぃ。いまはトカゲのことかんがえてください」
「わかっています」

ガリオンの注意にアシュリーは頷いた。
2人の会話にセレスが笑った。

「それガリウス様の真似?」

それに2人はムゥっとする。

「あれ。ガリウス様って言われるの嫌なの?」
「ちがいます。とうさまであっています」
「そうだよね~。2人はガリウス様も大好きだもんね。
で、なんで不機嫌なの?」
「ちちうえは、・・・」
「・・・・おいやみたいです」

2人はそう言いながらしゅんとする。
アシュリーは王族にガリオンは貴族になる事は幼い2人でも理解している。
いろいろな制約に縛られ自由がないことも、そしてそれが抗えないことも分かっている。
それはシャリオンもガリウスもそうであり、そうなる運命に疑問は持たず当然であると思っている。
ない自由もあるが、ある自由もあるからだ。
そう教えられているというのはあるが、それ以前に2人の物分かりは異常なほど良いのが一番で、その2人が受け入れているのはシャリオンが喜んでくれるから。

なのだが。

王城に住むようになり行儀を学んでいくとい、シャリオンが表面上は嬉しそうなの時折悲しそうに一瞬微笑むのが2人は辛いのだ。
褒められるのが、嬉しそうにしてくれるのが、楽しくて教えられることは何でも覚えていった。
器用な子供達だが知る機会がなければわからない。

魔力を抑えた事により今は昔よりもシャリオンやガリウスの声が聞こえないことが不安になった。
魔法道具を取ってしまおうか?
しかし、セレスやジンと遊ぶためにつけたいと言ったときシャリオンは止めなかった。と言うことはそれを望んでいる??

王城の行儀や歴史を教える講師が、『普通じゃあり得ない!素晴らしい!流石神童です!』などと言うが、
自分達は可笑しいのだろうか。

「せれす。『ふつう』とはどうすればいいのですか」

しゃんぼりとしてカートの中で項垂れる。
そう尋ねたのはアシュリーだが、ガリオンもそう思っているようだ。
尋ねられたセレスは驚き戸惑うが、2人がぶつかった壁が何なのかうっすらとわかる。

「ボクも『ふつう』ではないから・・・良くわからない。ごめんね」
「「・・・」」
「もしかしたら、ガリウス様ならあの観察眼でわかるかも。
けど、シャリオン様は絶対そう言うこと気にしないよ。それは、絶対っていえる」

そういうセレスに顔をあげる。
その視線には疑う気持ちと信じたい気持ちが織り交ざっているのに気づくとにこりと微笑んだ。

「シャリオン様はどんな時も褒めていたでしょう?」

叱られたこともあったが、セレスの言う通りだ。

「「・・・はい」」
「・・・羨ましいな」
「「・・・?」」
「ううん。『羨ましい』は、面白くないよね。ごめんね」

セレスの言っている意味がよくわからず不思議そうに見つめると、スッと視線を逸らした。

「ところで休めた?シャリオン様との約束で早く帰るとしたんでしょ?」

休みのセレスを駆り出すのに少しの時間でいいと約束したのは子供達だ。
その言葉にこくりと頷くと目的の場所に向かった。

☆☆☆

カートに乗り押してもらいながら、でこぼこな石造りの城壁を進む。
城内は平であり感じなかった揺れが途端にするようになる。
普段は護衛の兵士しか歩いておらず、少々の荒れは見える。
ゴミが落ちている様子はないが古い作りの道は、視線を逸らすと領主城のふもとに街が見える。
まだまだ遠いが部屋の中よりも鮮明に見えるそれに、子供達は先ほど落ち込んでいたのも忘れ目を輝かせていた。
そんな子供達を見ながらセレスはクスリと笑った。

ヴィスタが根城にしている監視塔は少々離れており、それもそこまで手押し車を引いて歩くのは少し時間がかかる。

遠目から見えていた塊は近くになるにつれて、上下する動きで呼吸しているのだとわかった。
一行がたどり着くと眠たげの瞳がぱちりと開いた。

「これがトカゲですか?」
「あー・・・うん」

皮肉った呼び方をするガリオンにセレスは苦笑を浮かべる。
シャリオンの前ではあのように言ったが、子供達とてこのヴィスタは好きではない。
しかし、読んだ後でシャリオンとの約束を思い出した子供達は、目的の挨拶をした。

「アシュリー・ハイシアです」
「ガリオン・ハイシアです」

目が開いていることを確認してから話始めたのだが、動かないヴィスタに子供達は不思議そうにした。

「「お耳聞こえないのですか?」」

そう言いながらセレスの方を見てくる子供達。

「んー。どうなんだろう?
ドラゴン。ボクのこと覚えてる??
ねー!起きてよ。
アレだけのことして忘れちゃったーー?」

そう言いながらセレスはぺちぺちと届く範囲の口元をたたくセレスに第二騎士団の護衛達が慌て始めた。
そんな風に煽っては一たまりもないからだ。
ヴィスタの実力は知らないが、これだけの巨大魔物に攻撃をされたら一撃のようにしか見えない。

そう呼びかけたセレスにドラゴンがパチパチと瞬いた。
そして眼球がセレスの方に向き、セレスに気付くとバチバチと雷が散った。
セレスは瞬時にそれを防ぐと、第二騎士団は息を飲みセレスの実力を知ったと勘違いする。

実際のところはヴィスタが抑えたのだ。
大きなあくびをしたドラゴンは上半身をむくりと起き上がれた。

「ぐぁぁぁぁぁぁっ・・・・くぁ・・・・っ」

眠たげなそれに一行は見上げる。

「くぁくぁ(すまん。ねぼけた)」
「うわ。・・・んーボク人間カウントされてないのかな?」

シャリオンからこちらから手を出さなければ、手を出さないと言う話だったからだ。

「まさか今呼びかけたヤツを攻撃と見たのー?貧弱ー」
「ガルルルル(そんなわけあるか)」
「というか、そんな厳つい顔やめてくれない?お子様達が怖がらせるき?」
「がぅがぅ(ちがう。・・・久しいな。あの時の人間か)」
「久しぶり~」
「ぐぁ(怪我はもう治ったようだな)」
「なんだ。すっかり完治したみたいじゃん」
「くぁくぁ(で。一体なんのようだ)」

なお、セレスは良く解っておらず、奇跡的に会話が成り立っているだけだ。

「機嫌わるそー」
「ぐるるるッ」

そんなセレスに面倒くさそうに唸る。
すると子供達が声をあげた。

「「こんにちは」」

ぎろりとセレスを睨んでいた凶暴な双方が、小さな赤子に向けられる。
攻撃しなければ攻撃しないと言われているが、今しがたあんなことをしたばかりで、ウルフ家もついてきた騎士も警戒をする。

「アシュリー・ハイシアです」
「ガリオン・ハイシアです」
「くあぁ?くぁくぁ(ん?我はヴィスタだ)」
「「ヴィスタ」」

子供達以外はさっぱりだったが、名前を口にした事にやりわかった。
答えられたヴィスタも驚いた。

「ぐるるる(シャリオンとガリウスの子供か。・・・よく似てるな)」
「「はい」」
「(そうか。それでなんのようだ?
最近はあっちの城に篭りきりであっただろう。
シャリオンはどうした)」
「ちちうえはおうじょうでおしごとです。
「わたくし」「ぼく」たちは、ヴィスタにあいさつしにきました」

そんなものは誰一人いなかったから、ヴィスタは面白そうに笑った。

「ぐぁ(その割には、攻撃的な目だな。何をしにきたのだ)」

もう一度ヴィスタは尋ねてきた。
子供達は促されるまま告げた。


「「なぜここに住んでいるのですか」」
「ぐるぐる(シャリオンとの約束だからな)」
「ちちうえとやくそく・・・?」
「くぁくぁ(そんなことを聞きに来たのか)」
「そうです。・・・ちちうえととうさまにてをださないでください」
「だしたらぼくたちがゆるしさません」

後ろでそれを見ているセレスは笑いそうになるのを堪えた。
以前ヴィンフリートに威嚇をした時、怒られた子供達はガリウスに相手の力量を見ろと叱られていた。
今は気配だけは出さずに言葉だけで意思表示をしている。そんな屁理屈のようなこと、シャリオンは殺到し、心配したシャリオンを心配したガリウスは怒るのが目に見えている。
これは報告しない方がいいかもしれない。
ドラゴンがこんな赤子の戯言に本気になるわけがないし、聞いた話でヴィスタがシャリオンが気に入っているというのはガリウスから聞いて居るから、ヴィスタが子供達に手を出さないのは解っている。
だが念のため魔力を封じている魔法道具に手を置きいつでも解除できる状態にし、もう片方の手はカートに手を置き子供達よりも少し前に立ちながらドラゴンを見上げた。
勿論念のためでたとえ黒魔術師と言える魔力に戻したとしても、実際ヴィスタが手を出して来たら負けるが。

「ぐぁー(ださない。シャリオンが約束を守る限りずっとだ)」

しかしその言葉を子供達は簡単には信じられなかった。

「くるるる
(・・・ガリウス似か?疑い深い。
フ・・・分かった。その間ハイシアを守ろう。
その間、我がここにいても問題ないだろう?
なにもしない。
我はシャリオンに嫌われてしまっているからな。
これ以上嫌がることはしないようにはしよう)」

「「ハイシアをまもってくれるのですか?」」


「は???」

「っ・・・!?」


子供達の言葉に露骨に不快感を出したのはセレスだ。
トラブルメーカーだなんてそんな可愛いものではない。
出来ればこの大陸から消えて欲しいくらいでなければ、安心できない相手がハイシアを守る?
連れてきた護衛のざわつきだす。
聞かなくともこのドラゴンがそう言っているとわかったのだろう。
彼らとてこのドラゴンがアルアディアの王都の結界を破る程の強大な力を持っているのは知っている。

「ちょっと待ってよ」

セレスは苛立ったようにドラゴンを止める。


「何言っているかわかんないけど可笑しなことを言ってると思ったら・・・。
『ハイシアを守る?』笑わせないでくれる?
シャリオン様にだけ媚びてこの地を守るって・・・・自分がおかしいことを言ってるのわかんないの??」
「ぐるるる(何を怒っているのだ)」
「何言ってんのかわかんないよ」

苛立ったように返事をするセレスに子供達は驚きながらも教えた。

「「何を怒っているのか聞いてます」」

「ありがとう。
・・・、回りくどいことしていないで、人型みたいになってくれない?」

前者は子供達にいつも通りに答えた後、ギっとドラゴンを睨み上げるセレス。
ここまで怒りをあらわにしているセレスは子供達は初めて見てそんなセレスにヴィスタへの怒りは収まった。

「くぁくぁぐぁぁぁ(それは無理だ。シャリオンとこの国で人型にならないと約束している。
我の顔はアリュリーとガリオンとよく似ているからな)」
「「わたくしと」「ぼくに」似ているのですか?」

子供達の言葉にハッとした。
『何が』と言うのは言わなかったが、2人に似ているのはガリウスだけではない。

「・・・。どんな理由があったとしても、またハイシアを襲うようなことがあれば、この領地の専属魔術師として、またボクが相手になるよ」

あの戦いは結局負けてしまった。
闘いに挑むまでに大量の魔力を奪い取ったにも関わらず勝てなかった相手だが、強いからと言って何もせずには引き下がれないのだ。

しかし、そんなセレスの袖をガリオンが引き寄せる。

「せれす。おちついてください」
「っ・・・」
「ちちうえとどんなやくそくをしたのですか?」
「くるるる(2人の真実の愛を見せつづけろと言った)」

その言葉に不安げだった子供達はホッとする。
それ程簡単な約束はないからだ。


「「????
なぜそんなむいみなやくそくをしたのですか?」」

身近で二人の仲をよく知ってる子供達は不思議そうにした。約束を反故された時まで決まっていると知らない子供達は不思議そうにしている

「はいしあをまもりたいならそういえばいいです」
「りぃん。ちちうえがすきなやからというものだわ」
「なるほど」

そんな風に言い合いながら子供達はドラゴンを見た。
シャリオンとガリウスの愛は疑う必要はない。
むしろ、自分達が愛されなくなることを怖く思っていた。


けれど、王城のシャリオンの元に帰った子供達の不安は一掃した。
セレスの言う通りガリウスに今度聞いてみよう。
そう思う子供達だった。



┬┬┬

長くなってしまった。。途中で切ればよかったです。
ここでシャリオンのうじうじターンは終わりです。
子供を離れさせる事に罪を感じ悩む性質なのでちょっとしつこいくらいうじうじしてみました。


さて。
気付けばもう一年立ってました。
カレンダーみて驚いてます。
最近サボり(画面は毎日開いてるけれど)、
気味ですが読んでくださってありがとうございます!
これからも頑張ります。
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