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執着旦那と愛の子作り&子育て編
お迎えが来ました。
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さざめく音が絶えず聞こえる。
ふわふわとした意識の中でそれが波だと認識すると、ゆっくりと覚醒していった。
ここに来て数週間と言う時が経ったがまだ慣れない。
だが、不幸だとかは全く感じない。
むしろ、ガリウスと子供達と過ごせることにシャリオンは幸せを感じていた。
元から贅沢や嗜好品が好きという性質は無かったから、質素な暮らしでも不満はなかったし、不便な現状を受け入れ、絶望を感じるようなことは無かった。
これが期限付きだと思っているから、今が楽しめているのかもしれないが、正確なところシャリオンには分からない。
ふと、背中とお腹に温かさと重みを感じた。
眠い目をこすりながらお腹のあたりを見ると、子供達がシャリオンの腹の上によじ登ろうとして、力尽きてくっついたまますやすや寝ている。
クスリと笑っていると、太い腕に抱きすくめられる。ガリウスだ。
シャリオンを抱きかかえるその腕はとても安心する。
振り返り見上げるとこちらもまだすやすやと夢の中のようだ。
ガリウスとて慣れない生活で疲れているだろうに、一日中結界をはってくれいる。
この結界はただの結界ではなく、シャリオン達が寒くならない様に温度調整もしてくれている。
そのおかげで薄着で寝ても寒くもない。
特に昨日は・・・愛し合っていた間、二重にしてくれていたので疲れているだろう。
そっと子供達を下ろしガリウスの腕の中から出る。
目を覚まさないガリウスに頬にチュっと口づけた。
シャリオンを抱きしめる様に休んでいたがきつい体勢だろうに。
楽な体勢にさせると、うっすらと目を開きそうになった。
ガリウスをそっと撫でる。
「まだ寝てて大丈夫だよ」
「・・・ん」
返事は掠れた声で寝ぼけていて思わずガリウスを覗き込んだ。
やはり寝ている様だ。
そんな様子はそう見れたことに間をおいて思わずクスリと笑った。
・・・
・・
・
顔を洗う為に小屋を出る。
小屋の隣の井戸から水を汲み、桶に注いだ。
ここに来てから初めて井戸から水を汲んだ。
領地の城で井戸は隠されていたし、ある程度成長した後に見た事はあったがここにあるような手でくみ上げるものではなく、魔力を使って水をくみ上げるようなものだった。
洗い終わって海を眺めていると、声を掛けられた。
「おきてたのか」
「!?び・・・くりした」
音もなく現れたのはゾルだ。
どうやら以前シャリオンについていてくれたゾルのように感じた。
「久しぶり。ゾル」
「顔色は良いみたいだな」
「うん。元気だよ。
こんなに離れたのは久しぶりだね。元気だった?」
ここ数年は毎日のように顔を合わせていた。
だから、不思議な感覚だ。
謹慎内容がガリウスと子供達と過ごすと言うものだから当然と言えば当然なのだが。
「お前からは見えないだけで結界のすぐ傍にいたから安心しろ」
安心する笑みを浮かべるゾルに微笑んだ。
「ありがとう。迎えに来てくれたと言う事?」
「いや。来るのは別の人間だ。
昼間は小屋にいないようだからな。今日来るからちゃんとしていろと言いにきた。
アイツの結界の中はこちらかの思考共有が出来ないから直接来た」
「そうなんだ。・・・でも入れるんだね」
「中に入れる様になったのはついさっきだ」
「そうなの?」
すると、キィっと音を立てて小屋の扉が開いた。
不機嫌そうな表情で顔を出してゾルをチラリとみた。
「もうですか」
「そんなに嫌そうにするな」
「嫌ですよ」
即答をするとガリウスに意外そうに答える。
「貴族にはここは不便だろう」
ゾルはシャリオン達が内心喜んでいる事も、ガリウスが何かを企んでいるのは気付いていた。
しかし、それも持って2日だろうと思っていたのだ。
「特には」
シャリオンもガリウスと同じ気持ちはある。
何も考えることがないなら、4人でこのまま暮らしていきたい。
しかし、それは現実逃避でしかない。
結果としてシャリオン達には謹慎内容に不満が無かったが、この謹慎には終わりは来る。
シャリオンの表情をよんだのか、ガリウスはこちらに近寄ってくると抱き寄せてちゅっと軽く唇に口づけた。
「おはようございます」
「おはよう。ガリィ」
「起きたらいないので心配しました」
「僕もさっき起きたばっかり。そうだ。今日帰るみたいだけど、お迎えは別見たい。
だから後少しはここにいれるよ」
「そうですか」
「・・・本当に帰りたくないのだな」
溜息交じりでゾルはそう答えた。
「他に問題がなければ。・・・ですが今は帰らなければ」
「うん」
セレスの事も村が消えたことも心配だ。
謹慎中に情報が無かったがあれから進捗があったのだろうか。
「許可が下りるならここに住みたいくらいです。
流石に貴方達を野営のままと言うのは心苦しいので、ちゃんと屋敷を建てるので安心してください」
「それは助かるが。・・・残念ながらお前達の願いは叶わない。色々な人間がお前達を待っている」
「そうなの?」
「レオン様は日にまして口撃が激しくなっている。
相手貴族も最初は普通に接していたそうだが・・・。
シャーリー様の生家からも、・・・ガディーナ家からも、結果論で話を進めるのは行き過ぎではないかと文句が入っているらしい。
結果あの男は、今はレオン様を見るなり避けているそうだ」
ゾルは可笑しそうに喉で笑った。
「私達はむしろ幸せでしたがね」
「うん。・・・でも父上も父様もだけど・・・ガーブリエル様達も心配だよね」
「父はどちらかと言うと、シャリオンの方を心配していると思います」
「そんなことないでしょう」
実の父親から心配されているのが恥ずかしいのだろうか。
そんな事をいうガリウスを見上げたが、ゾルの話はまだ続きがあるようだ。
「心配がそれだけだと思ったら大間違いだぞ?」
「え?」
「大公の逆鱗に触れたようで・・・あの家に関連する者達の婚約に関して止めたり」
「・・・」
「王子はそれまでは大枠は確認して任せていたところを、詳細を確認する様になったり」
「・・・あの方はどんぶり勘定なところがありますからね。
その分下につくものがしっかりしているから回っているのですが、その者達に聞かなければわからないことばかりでしょう」
全てを把握しなくても良いとは思うが、・・・その口ぶりだと細かなところまで聞かれているのだろうか。
「王太子の王配も・・・あぁそうだ。お前たちがいない間に、正式に王配と側室と決まったぞ」
「そうなんだ」
「あぁ。で。その各大臣達の前で『私達の相談を乗って下さった親友のシャリオンが居ないのは寂しい』と言ったそうで・・・」
「ゾル。面白がってないでちゃんと言って下さい」
大体無表情なゾルが心底可笑しいのか、笑いが時折混じる。
それもとても意地悪そうな笑みだ。
「フッ王太子もそれを慰めると言うパフォーマンスをすることで、周りからの視線は冷たいようだが・・・自分の蒔いた種だ。
レオン様との鬱憤をシャリオンにぶつけたからこうなる。
存分に色んな人間からあの男が責められると思うと笑いが止まるわけないだろう」
どうやら何も言わなかったが、ゾルは思っていた以上に怒っている様だ。
あまり見ない、意地悪気に笑った。
「大臣と言うより、あの方があのようなことを言わなければ、謹慎にはならなかったと思うんですがね」
困った様にガリウスはこちらを見下ろしてくる。
それはシャリオンも聞きたいところだ。
「楽しかったから、これが罰になるとは思わないんだけど」
「アンジェリーン様もそうは思っているのでしょう。
ですが、他の人間はそう思わないでしょうからね。
何かしらの罰を与えたという体裁を作っておく必要があります。
それに・・・シャリオンは色々な人に愛されてますからねぇ」
溜息をつくガリウスにゾルはチラリと視線を向ける。
「今回はお前の方でもガーディナ家以外からも動きがあったようだ。
恨み以外にもあるとは思わなかった」
「・・・私に?」
揶揄われた内容にガリウスは驚いたように声を上げた。
恨まれる仕事だとは思うが、ガリウスの良さはよく知っている。
だからそんな風に言うガリウスやゾルに苦笑するのだった。
☆☆☆
ゾルが小屋を出てった後。
もう間もなく終了するこの時間を楽しんでいた。
今日は最後の日となったわけで、小屋でガリウスと子供達といた。
小屋から出ないことをに残念そうに子供達はしていたが、特に不満はない様でベッドの上で大人しく遊んでいた。
そのうちに光の玉を作り出すとシャリオンに投げてくる。
小さな光の玉は美しくて褒めると子供達は嬉しくなって沢山作り始めた。
ガリウスにも同じ様にしていたのだが、ガリウスは風の玉を造り子供達に投げると、初めて見たのかキャッキャとテンションが上がった。
シャリオンには出来ない芸当で羨ましい。
「がりーとーっ」
ガリオンがガリウスが造ったような風の玉を投げると、ふわふわ飛んでくる玉を指先で止めた。
「上手ですよ。師がよかったのですね」
「せれすー」
「ねてゅ」
最近セレスに会えていないことは理解している様だ。
ガリオンは真似をして風の玉を出す。
「しゅりー!」
「えぇ。どうぞ」
「んしょっ」
ポワンと出た風の玉。
2人が造ったものはガリウスの物に比べて歪ではあるが褒めた。
そんな3人を眺めていると羨ましく思う。
結局自身は魔法を習得するような時間を取っていなかったから出来ないのは当然なのだが。
シャリオンの視線に気づいたのか、ガリウスが腰に手を回した。
抱きかかえるようにして手を握られた。
「私の魔力が分かりますか?」
「え?」
じわじわと広がるその魔力は懐かしい。
子供達を宿して魔力が安定しなかった時ぶりだ。
「・・・うん、感じるよ」
「では逆に流してみましょうか」
「逆・・・?」
言われても良くわからないでいると、ガリウスの魔力に何かが掴まれるような感覚がある。
掴まれているのがシャリオンの魔力の様だ。
自分で動かすなどあまりしたことが無くて良くわからなかったが次第に動かすという事が分かる。
「あうー?」
「ちちうー?」
もう片方の手にアシュリーとガリオンが手を乗せてくれる。
そこからじわじわと魔力が広がってきた。
「・・・。そっとですよ?」
「「はーい」」
なんだかとても不服そうだがガリウスがそう言うと、2人はそう返事をする。
だが、2人のお陰で魔力を出すと言うのが分かってきたような気がする。
これまでやろうとしてこなかったからなのだろう。
すぐには出なかった。
魔力が低いシャリオンは直ぐに枯渇しそうになってしまいそうになるが、その度にガリウスが魔力の補給をしてくれながら、至れり尽くせりの魔法の練習を小一時間ほどしただった。
「んっ・・・ふっ・・・っ!ぁっ」
手のひらが今まで以上に熱くなった気がした。
その時は無我夢中でただそれだけだった。
「なん、か、・・・でるっ」
「・・・、」
「あー」
「うー」
そうしているうちにようやくとり出せたのは、ほんの小さな光の粒子だった。
直前に光と風を見たからなのかふわりと浮いた。
「・・・、」
「しゅごいー!」
「ちちうー!」
「ありがとう」
まだまだ小さい魔法だったが、産まれて初めて使った魔法だ。
シャリオン自身喜んでいると、さらに子供達が褒めてくれることに微笑んだ。
こんな時に一番に褒めてくれそうなガリウスが何も言ってこなくて、不思議に思い見上げると驚き固まっているのが見えた。
なんだろう?そう思ったのだが、よく考えてみたらガリウスは結界ははもちろんあらゆる魔法を使っている。
そんな彼に教えてもらったのに、これくらいしか出来なかった事に落胆させてしまったのだろうか。
「・・・、ごめんね」
「?とても素晴らしい魔法ですよ。流石ですシャリオン」
「・・・、気を遣わせてごめん」
「嘘ではありません。もう少し練習は必要ですが貴方のその魔法は素晴らしいものですよ。
そして貴方の欲しかったものでありますね」
「え?どんな魔法なの・・・?」
「状態異常を治すものです」
「そうなんだ・・・」
そう聞いてもやはりピンとはきていなかった。
元々この光の粒子がすぐれた魔法にはみえなかったが、ガリウスの言う通り状態異常を治すとしても、王都にいるガリウスは勿論、領地で守られているシャリオンがかかる様なことなどまず無い。
がっかりしているとガリウスは不思議そうに首を傾げた。
☆☆☆
太陽が真上に回る頃。
身支度を整え待っていると部屋のノックをされる。
2人で一体誰が迎えに来るのか?などと考えていたが、シャリオンもガリウスも外れてしまった。
騎士団統括と第二騎士団団長アルベルトだ。
「お待たせしました」
謹慎をしていた人間にいう言葉ではなくて苦笑を浮かべる。
「ご苦労様。こんな辺鄙な所まで、迎えに来ていただきありがとうございます」
「いえ。ワープリングを使いましたのであっという間です」
そう答えるのは騎士団統括だ。
村が一時的に消失したことなど、内密にしてたことに怪訝そうにしていたが、今日は笑顔を浮かべている。
処罰を受けたからだからだろうか。
「全く元気そうで安心したぞ」
アルベルトがガリウスにニヤリと笑った。
「おや。心配して頂けたのですか」
「当たり前だろう」
「それはありがとうございます」
「・・・可愛げのない。
シャリオン様、こいつは何かしませんでしたか?」
「ガリィ、ウスは良くしてくれてました」
人前で愛称で呼んでしまったことに頬が熱くなる。
気を付けてはいるのだが、彼等はクスクスと笑った後にシャリオン達の腕の中にいる子供達に気付いた様だ。
アルベルトとはもう会っているからか子供達はきゃっきゃっと反応する。
「あるぅ」
「あるべるとー」
「アルベルト様。・・・申し訳ありません」
伯爵相手に敬称を付けない子供達に窘めたのだが、アルベルトは首を振った。
「シャリオン様。気になさらないでください。それより、もう1人お連れしたのです」
「?」
誰だろうかと思っていると、姿を現したのはミクラーシュでシャリオンは驚いてしまう。
その彼は心配げにこちらを見てきている。
「ミー!」
「みくらー・・・んー」
相変わらず言いにくいようで、子供達が唸っている。
王太子の側室相手にも敬称なしは失礼にあたる。
子供達が率先して話すことを喜ばしく思っていて、しっかりと名前を呼ばせていなかった。
「ミクラーシュ様。だよ?」
「シャリオン。どうか気にしないで下さい」
そう言って朗らかにほほ笑むミクラーシュ。
その笑みを見る限り、今は安定しているようでホッとする。
「しかし、これも躾ですので」
「マナーレッスンはまだ先だと言っていなかったかな?
産まれてまだ半年たったばかりの子に現実的ではないのではないか。
非公式な場・・・それに、私はこのような可愛らしいアシュリー様とガリオン様にそのように呼んでいただけて嬉しいです」
この場は許容されたのは良いのだが、貴族としては困る。
そもそもこんなに早く他貴族に合わせる予定ではなかったのだ。
ホッと息をついた。
「ありがとうございます。
しかし、ミクラーシュ様が」
「敬称を付けないと約束してくださったではないですか」
そう言われたシャリオンに既視感を覚えた。
何だろうかと考えているとガリウスが思考共有をしてくる。
『騎士団統括の事は気にせず呼んでください。
・・・いえ。むしろ、親しいと言う事を知らしめる意味があります』
『失礼に当たらないなら・・・良いんだけど』
『なりませんよ。親しいことでハイシア家との友好度を示しておきたいのでしょう。
彼はこれまでシャリオンに厳しく接していたのもあります。その和解を示す目的もあります』
なるほどと、理解しつつ貴族はやはり面倒だなと思う。
シャリオンの方は洗脳されていたからだと分かったのだから今は気にていないのだが。
「・・・そうは言ったけれど。それは僕達だけになった時だけでしょう?
王太子の側室に言えるわけないじゃないか」
「大丈夫。そうだな、統括。第二騎士団団長」
「どうか気にしないでください」
統括はミクラーシュの言葉に一瞬眉を動かしたが小さくため息をついた。
後で聞いたところによると、統括とミクラーシュは顔見知りだったようだ。
「だ、そうだ。
・・・シャリオン、・・・貴方方は罪を償った。
もう帰ろう」
そういうミクラーシュの表情は少し辛そうに見えた。
ふわふわとした意識の中でそれが波だと認識すると、ゆっくりと覚醒していった。
ここに来て数週間と言う時が経ったがまだ慣れない。
だが、不幸だとかは全く感じない。
むしろ、ガリウスと子供達と過ごせることにシャリオンは幸せを感じていた。
元から贅沢や嗜好品が好きという性質は無かったから、質素な暮らしでも不満はなかったし、不便な現状を受け入れ、絶望を感じるようなことは無かった。
これが期限付きだと思っているから、今が楽しめているのかもしれないが、正確なところシャリオンには分からない。
ふと、背中とお腹に温かさと重みを感じた。
眠い目をこすりながらお腹のあたりを見ると、子供達がシャリオンの腹の上によじ登ろうとして、力尽きてくっついたまますやすや寝ている。
クスリと笑っていると、太い腕に抱きすくめられる。ガリウスだ。
シャリオンを抱きかかえるその腕はとても安心する。
振り返り見上げるとこちらもまだすやすやと夢の中のようだ。
ガリウスとて慣れない生活で疲れているだろうに、一日中結界をはってくれいる。
この結界はただの結界ではなく、シャリオン達が寒くならない様に温度調整もしてくれている。
そのおかげで薄着で寝ても寒くもない。
特に昨日は・・・愛し合っていた間、二重にしてくれていたので疲れているだろう。
そっと子供達を下ろしガリウスの腕の中から出る。
目を覚まさないガリウスに頬にチュっと口づけた。
シャリオンを抱きしめる様に休んでいたがきつい体勢だろうに。
楽な体勢にさせると、うっすらと目を開きそうになった。
ガリウスをそっと撫でる。
「まだ寝てて大丈夫だよ」
「・・・ん」
返事は掠れた声で寝ぼけていて思わずガリウスを覗き込んだ。
やはり寝ている様だ。
そんな様子はそう見れたことに間をおいて思わずクスリと笑った。
・・・
・・
・
顔を洗う為に小屋を出る。
小屋の隣の井戸から水を汲み、桶に注いだ。
ここに来てから初めて井戸から水を汲んだ。
領地の城で井戸は隠されていたし、ある程度成長した後に見た事はあったがここにあるような手でくみ上げるものではなく、魔力を使って水をくみ上げるようなものだった。
洗い終わって海を眺めていると、声を掛けられた。
「おきてたのか」
「!?び・・・くりした」
音もなく現れたのはゾルだ。
どうやら以前シャリオンについていてくれたゾルのように感じた。
「久しぶり。ゾル」
「顔色は良いみたいだな」
「うん。元気だよ。
こんなに離れたのは久しぶりだね。元気だった?」
ここ数年は毎日のように顔を合わせていた。
だから、不思議な感覚だ。
謹慎内容がガリウスと子供達と過ごすと言うものだから当然と言えば当然なのだが。
「お前からは見えないだけで結界のすぐ傍にいたから安心しろ」
安心する笑みを浮かべるゾルに微笑んだ。
「ありがとう。迎えに来てくれたと言う事?」
「いや。来るのは別の人間だ。
昼間は小屋にいないようだからな。今日来るからちゃんとしていろと言いにきた。
アイツの結界の中はこちらかの思考共有が出来ないから直接来た」
「そうなんだ。・・・でも入れるんだね」
「中に入れる様になったのはついさっきだ」
「そうなの?」
すると、キィっと音を立てて小屋の扉が開いた。
不機嫌そうな表情で顔を出してゾルをチラリとみた。
「もうですか」
「そんなに嫌そうにするな」
「嫌ですよ」
即答をするとガリウスに意外そうに答える。
「貴族にはここは不便だろう」
ゾルはシャリオン達が内心喜んでいる事も、ガリウスが何かを企んでいるのは気付いていた。
しかし、それも持って2日だろうと思っていたのだ。
「特には」
シャリオンもガリウスと同じ気持ちはある。
何も考えることがないなら、4人でこのまま暮らしていきたい。
しかし、それは現実逃避でしかない。
結果としてシャリオン達には謹慎内容に不満が無かったが、この謹慎には終わりは来る。
シャリオンの表情をよんだのか、ガリウスはこちらに近寄ってくると抱き寄せてちゅっと軽く唇に口づけた。
「おはようございます」
「おはよう。ガリィ」
「起きたらいないので心配しました」
「僕もさっき起きたばっかり。そうだ。今日帰るみたいだけど、お迎えは別見たい。
だから後少しはここにいれるよ」
「そうですか」
「・・・本当に帰りたくないのだな」
溜息交じりでゾルはそう答えた。
「他に問題がなければ。・・・ですが今は帰らなければ」
「うん」
セレスの事も村が消えたことも心配だ。
謹慎中に情報が無かったがあれから進捗があったのだろうか。
「許可が下りるならここに住みたいくらいです。
流石に貴方達を野営のままと言うのは心苦しいので、ちゃんと屋敷を建てるので安心してください」
「それは助かるが。・・・残念ながらお前達の願いは叶わない。色々な人間がお前達を待っている」
「そうなの?」
「レオン様は日にまして口撃が激しくなっている。
相手貴族も最初は普通に接していたそうだが・・・。
シャーリー様の生家からも、・・・ガディーナ家からも、結果論で話を進めるのは行き過ぎではないかと文句が入っているらしい。
結果あの男は、今はレオン様を見るなり避けているそうだ」
ゾルは可笑しそうに喉で笑った。
「私達はむしろ幸せでしたがね」
「うん。・・・でも父上も父様もだけど・・・ガーブリエル様達も心配だよね」
「父はどちらかと言うと、シャリオンの方を心配していると思います」
「そんなことないでしょう」
実の父親から心配されているのが恥ずかしいのだろうか。
そんな事をいうガリウスを見上げたが、ゾルの話はまだ続きがあるようだ。
「心配がそれだけだと思ったら大間違いだぞ?」
「え?」
「大公の逆鱗に触れたようで・・・あの家に関連する者達の婚約に関して止めたり」
「・・・」
「王子はそれまでは大枠は確認して任せていたところを、詳細を確認する様になったり」
「・・・あの方はどんぶり勘定なところがありますからね。
その分下につくものがしっかりしているから回っているのですが、その者達に聞かなければわからないことばかりでしょう」
全てを把握しなくても良いとは思うが、・・・その口ぶりだと細かなところまで聞かれているのだろうか。
「王太子の王配も・・・あぁそうだ。お前たちがいない間に、正式に王配と側室と決まったぞ」
「そうなんだ」
「あぁ。で。その各大臣達の前で『私達の相談を乗って下さった親友のシャリオンが居ないのは寂しい』と言ったそうで・・・」
「ゾル。面白がってないでちゃんと言って下さい」
大体無表情なゾルが心底可笑しいのか、笑いが時折混じる。
それもとても意地悪そうな笑みだ。
「フッ王太子もそれを慰めると言うパフォーマンスをすることで、周りからの視線は冷たいようだが・・・自分の蒔いた種だ。
レオン様との鬱憤をシャリオンにぶつけたからこうなる。
存分に色んな人間からあの男が責められると思うと笑いが止まるわけないだろう」
どうやら何も言わなかったが、ゾルは思っていた以上に怒っている様だ。
あまり見ない、意地悪気に笑った。
「大臣と言うより、あの方があのようなことを言わなければ、謹慎にはならなかったと思うんですがね」
困った様にガリウスはこちらを見下ろしてくる。
それはシャリオンも聞きたいところだ。
「楽しかったから、これが罰になるとは思わないんだけど」
「アンジェリーン様もそうは思っているのでしょう。
ですが、他の人間はそう思わないでしょうからね。
何かしらの罰を与えたという体裁を作っておく必要があります。
それに・・・シャリオンは色々な人に愛されてますからねぇ」
溜息をつくガリウスにゾルはチラリと視線を向ける。
「今回はお前の方でもガーディナ家以外からも動きがあったようだ。
恨み以外にもあるとは思わなかった」
「・・・私に?」
揶揄われた内容にガリウスは驚いたように声を上げた。
恨まれる仕事だとは思うが、ガリウスの良さはよく知っている。
だからそんな風に言うガリウスやゾルに苦笑するのだった。
☆☆☆
ゾルが小屋を出てった後。
もう間もなく終了するこの時間を楽しんでいた。
今日は最後の日となったわけで、小屋でガリウスと子供達といた。
小屋から出ないことをに残念そうに子供達はしていたが、特に不満はない様でベッドの上で大人しく遊んでいた。
そのうちに光の玉を作り出すとシャリオンに投げてくる。
小さな光の玉は美しくて褒めると子供達は嬉しくなって沢山作り始めた。
ガリウスにも同じ様にしていたのだが、ガリウスは風の玉を造り子供達に投げると、初めて見たのかキャッキャとテンションが上がった。
シャリオンには出来ない芸当で羨ましい。
「がりーとーっ」
ガリオンがガリウスが造ったような風の玉を投げると、ふわふわ飛んでくる玉を指先で止めた。
「上手ですよ。師がよかったのですね」
「せれすー」
「ねてゅ」
最近セレスに会えていないことは理解している様だ。
ガリオンは真似をして風の玉を出す。
「しゅりー!」
「えぇ。どうぞ」
「んしょっ」
ポワンと出た風の玉。
2人が造ったものはガリウスの物に比べて歪ではあるが褒めた。
そんな3人を眺めていると羨ましく思う。
結局自身は魔法を習得するような時間を取っていなかったから出来ないのは当然なのだが。
シャリオンの視線に気づいたのか、ガリウスが腰に手を回した。
抱きかかえるようにして手を握られた。
「私の魔力が分かりますか?」
「え?」
じわじわと広がるその魔力は懐かしい。
子供達を宿して魔力が安定しなかった時ぶりだ。
「・・・うん、感じるよ」
「では逆に流してみましょうか」
「逆・・・?」
言われても良くわからないでいると、ガリウスの魔力に何かが掴まれるような感覚がある。
掴まれているのがシャリオンの魔力の様だ。
自分で動かすなどあまりしたことが無くて良くわからなかったが次第に動かすという事が分かる。
「あうー?」
「ちちうー?」
もう片方の手にアシュリーとガリオンが手を乗せてくれる。
そこからじわじわと魔力が広がってきた。
「・・・。そっとですよ?」
「「はーい」」
なんだかとても不服そうだがガリウスがそう言うと、2人はそう返事をする。
だが、2人のお陰で魔力を出すと言うのが分かってきたような気がする。
これまでやろうとしてこなかったからなのだろう。
すぐには出なかった。
魔力が低いシャリオンは直ぐに枯渇しそうになってしまいそうになるが、その度にガリウスが魔力の補給をしてくれながら、至れり尽くせりの魔法の練習を小一時間ほどしただった。
「んっ・・・ふっ・・・っ!ぁっ」
手のひらが今まで以上に熱くなった気がした。
その時は無我夢中でただそれだけだった。
「なん、か、・・・でるっ」
「・・・、」
「あー」
「うー」
そうしているうちにようやくとり出せたのは、ほんの小さな光の粒子だった。
直前に光と風を見たからなのかふわりと浮いた。
「・・・、」
「しゅごいー!」
「ちちうー!」
「ありがとう」
まだまだ小さい魔法だったが、産まれて初めて使った魔法だ。
シャリオン自身喜んでいると、さらに子供達が褒めてくれることに微笑んだ。
こんな時に一番に褒めてくれそうなガリウスが何も言ってこなくて、不思議に思い見上げると驚き固まっているのが見えた。
なんだろう?そう思ったのだが、よく考えてみたらガリウスは結界ははもちろんあらゆる魔法を使っている。
そんな彼に教えてもらったのに、これくらいしか出来なかった事に落胆させてしまったのだろうか。
「・・・、ごめんね」
「?とても素晴らしい魔法ですよ。流石ですシャリオン」
「・・・、気を遣わせてごめん」
「嘘ではありません。もう少し練習は必要ですが貴方のその魔法は素晴らしいものですよ。
そして貴方の欲しかったものでありますね」
「え?どんな魔法なの・・・?」
「状態異常を治すものです」
「そうなんだ・・・」
そう聞いてもやはりピンとはきていなかった。
元々この光の粒子がすぐれた魔法にはみえなかったが、ガリウスの言う通り状態異常を治すとしても、王都にいるガリウスは勿論、領地で守られているシャリオンがかかる様なことなどまず無い。
がっかりしているとガリウスは不思議そうに首を傾げた。
☆☆☆
太陽が真上に回る頃。
身支度を整え待っていると部屋のノックをされる。
2人で一体誰が迎えに来るのか?などと考えていたが、シャリオンもガリウスも外れてしまった。
騎士団統括と第二騎士団団長アルベルトだ。
「お待たせしました」
謹慎をしていた人間にいう言葉ではなくて苦笑を浮かべる。
「ご苦労様。こんな辺鄙な所まで、迎えに来ていただきありがとうございます」
「いえ。ワープリングを使いましたのであっという間です」
そう答えるのは騎士団統括だ。
村が一時的に消失したことなど、内密にしてたことに怪訝そうにしていたが、今日は笑顔を浮かべている。
処罰を受けたからだからだろうか。
「全く元気そうで安心したぞ」
アルベルトがガリウスにニヤリと笑った。
「おや。心配して頂けたのですか」
「当たり前だろう」
「それはありがとうございます」
「・・・可愛げのない。
シャリオン様、こいつは何かしませんでしたか?」
「ガリィ、ウスは良くしてくれてました」
人前で愛称で呼んでしまったことに頬が熱くなる。
気を付けてはいるのだが、彼等はクスクスと笑った後にシャリオン達の腕の中にいる子供達に気付いた様だ。
アルベルトとはもう会っているからか子供達はきゃっきゃっと反応する。
「あるぅ」
「あるべるとー」
「アルベルト様。・・・申し訳ありません」
伯爵相手に敬称を付けない子供達に窘めたのだが、アルベルトは首を振った。
「シャリオン様。気になさらないでください。それより、もう1人お連れしたのです」
「?」
誰だろうかと思っていると、姿を現したのはミクラーシュでシャリオンは驚いてしまう。
その彼は心配げにこちらを見てきている。
「ミー!」
「みくらー・・・んー」
相変わらず言いにくいようで、子供達が唸っている。
王太子の側室相手にも敬称なしは失礼にあたる。
子供達が率先して話すことを喜ばしく思っていて、しっかりと名前を呼ばせていなかった。
「ミクラーシュ様。だよ?」
「シャリオン。どうか気にしないで下さい」
そう言って朗らかにほほ笑むミクラーシュ。
その笑みを見る限り、今は安定しているようでホッとする。
「しかし、これも躾ですので」
「マナーレッスンはまだ先だと言っていなかったかな?
産まれてまだ半年たったばかりの子に現実的ではないのではないか。
非公式な場・・・それに、私はこのような可愛らしいアシュリー様とガリオン様にそのように呼んでいただけて嬉しいです」
この場は許容されたのは良いのだが、貴族としては困る。
そもそもこんなに早く他貴族に合わせる予定ではなかったのだ。
ホッと息をついた。
「ありがとうございます。
しかし、ミクラーシュ様が」
「敬称を付けないと約束してくださったではないですか」
そう言われたシャリオンに既視感を覚えた。
何だろうかと考えているとガリウスが思考共有をしてくる。
『騎士団統括の事は気にせず呼んでください。
・・・いえ。むしろ、親しいと言う事を知らしめる意味があります』
『失礼に当たらないなら・・・良いんだけど』
『なりませんよ。親しいことでハイシア家との友好度を示しておきたいのでしょう。
彼はこれまでシャリオンに厳しく接していたのもあります。その和解を示す目的もあります』
なるほどと、理解しつつ貴族はやはり面倒だなと思う。
シャリオンの方は洗脳されていたからだと分かったのだから今は気にていないのだが。
「・・・そうは言ったけれど。それは僕達だけになった時だけでしょう?
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「大丈夫。そうだな、統括。第二騎士団団長」
「どうか気にしないでください」
統括はミクラーシュの言葉に一瞬眉を動かしたが小さくため息をついた。
後で聞いたところによると、統括とミクラーシュは顔見知りだったようだ。
「だ、そうだ。
・・・シャリオン、・・・貴方方は罪を償った。
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そういうミクラーシュの表情は少し辛そうに見えた。
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