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第三章
不穏の影
しおりを挟む白い特攻服が風を切る。白い旗が空を靡く。
野洲孝之助は前を見つめた。排気音を追い越す彼の速度が街を置き去りにする。新チーム“苦獰天”が夏空の下に青い光を放つ。
野洲孝之助は振り返らなかった。後方の仲間達には一切の視線を送らない。毅然とした態度こそが大軍をまとめるリーダーの姿だと彼は信じていた。
俺は兄貴とは違う。
そう野洲孝之助は目を細めた。純白の特攻服に隙はない。集団の先頭は譲らない。兄貴とは違うのだと、兄の存在を否定しながら、野洲孝之助は兄の幻影を追い続けていた。
平日の街に大人は少なかった。代わりに夏休みの学生たちが声を響かせている。
野洲孝之助は彼らを一瞥もしなかった。だが、気になった。白い制服姿の彼らが昔の自分の姿と重なったからだ。それは亡き兄が彼に求めた生き方だった。
ふと、眉を顰めた野洲孝之助はバイクの速度を落とした。低い山の麓に差し掛かった辺りである。山を越えた街へと続く坂道が通行止めとなっていたのだ。昨日までは通り抜けられた道だった。違和感は覚えるも、バイクは止めたくなかった野洲孝之助は進路を変えると、マンションの並んだ住宅街を抜けて、別のルートから隣街を目指した。だが、そこから数分も経たぬうちに、彼はまたバイクのブレーキに指を掛けてしまう。今度は国道に繋がる橋が通行止めとなっていたのだ。橋の手前では車を停めた老人とトラックの運転手らしき男が話し合っており、パトカーを降りた警察官が橋の向こう側で無線を握り締めていた。
「おいリーダー、何を止まってんだ」
早瀬竜司が橋の向こうに目を細める。元“紋天”のリーダーである彼は警察の存在を意識しているようだった。
「いや……」
野洲孝之助は何やら喉元に引っ掛かるものを感じた。だが、このまま止まっているわけにもいかないと、取り敢えず片手を上げた野洲孝之助はまた走り始める。川沿いの町に響き渡るバイクの排気音。そうして別の橋から川を渡った野洲孝之助は、左右に工場が並んだ一本道を進みながら辺りを見渡した。やはりおかしいと思ったのだ。その道はあまりにも静かだった。
サッと片手を上げた野洲孝之助はバイクをドリフトさせた。驚いた仲間たちはブレーキを握り締める。
「今度は何だよ!」
早瀬竜司は怒鳴り声を上げた。気にせずアクセルを捻った野洲孝之助は声を張り上げる。
「引き返すぞ!」
「だから何でだよ!」
「“火龍炎”だ!」
そう叫んだ野洲孝之助はクラッチレバーを離してバイクを加速させた。“苦獰天”のメンバーたちは慌てて彼の後に続く。
「おいリーダー、“火龍炎”って?」
早瀬竜司のバイクが野洲孝之助の横に並ぶ。孝之助は周囲を警戒しつつ橋の手前で進路を変えた。
「誘い込んで一網打尽。奴らの十八番だ。俺たちは既に狙われている」
「チィ、相変わらず小賢しい奴らだぜぃ」
早瀬竜司の舌打ちがバイクの速度を追い越す。ブレーキを握らずスピードを落とした竜司は、仲間達に状況を伝えにいった。
野洲孝之助はスマホを取り出した。元“苦露蛆蚓”の総長である山田春雄に状況を伝えなければと思ったのだ。
誘い込んで一網打尽。バラけさせて各個撃破。
暴走集団“火龍炎”は個々の実力も然る事ながら、その実、策略で敵を陥れる頭脳派集団だった。
「へぇ、やっぱり野洲孝之助には気づかれちゃったか」
“火龍炎”の参謀、長谷部幸平はスマホを片手に空を見上げた。深い群青の空には細い雲がゆったりと流れており、足元のアップルグリーンのベースケースには小鳥が止まっている。ひと雨来そうだ、と幸平は傘を持って来なかった事を悔やんだ。
「どの辺で気付かれたの? ──ふーん、じゃあCルートだね」
長谷部幸平は別のスマホを開いた。頭の中の地図には既に彼らの進むルートが想定されている。“苦獰天”のリーダーとなった野洲孝之助は几帳面な男だった。その服装も、走るルートも、時間も、きっちりと定められており、統率力があるだけに、その行動を想定するのは長谷部幸平にとっては安易だった。
「そう、ゴミ捨て場でね。──野洲孝之助は掛からないから、そこで奴らを分断しよう」
野洲孝之助はバイクを飛ばした。川沿いの一本道を抜けて、寂れた団地前の道を走る。
団地では野良猫の姿が目立った。バイクの騒音に毛を逆立てるのは彼らのみである。
野洲孝之助は眉を顰めた。前方の道の半分がゴミに覆われていたのだ。ちょうどゴミ置き場から溢れた袋にカラスが飛び付いている。
野洲孝之助は僅かに進路を変えた。ゴミは踏みたくないと思ったのだ。元“正獰会”のメンバーたちも同じようにゴミを避ける。だが、元“紋天”のメンバーたちは気にせずゴミの上を通り抜けた。
「うおおっ」
叫び声が上がった。複数の声だ。バイクを反転させた野洲孝之助は怒鳴り声を上げた。
「何をやっている!」
「バイクが、バイクがパンクした!」
そう叫んだ元“紋天”のメンバーの一人が折り曲げられた釘のようなものを拾い上げた。野洲孝之助は息を呑む。“火龍炎”による分断工作だとすぐに気が付いたからだ。
いや、一網打尽の方か、と野洲孝之助は辺りを見渡した。団地前の道は異様に静まり返っていた。
「おーい野洲くーん!」
聞き覚えのある声が野洲孝之助の耳に届いた。団地の公園付近からだ。振り返った野洲孝之助はブランコに座った大男に目を細めた。
「鴨川新九郎……」
野洲孝之助の瞳に苦悶の影が浮かび上がる。同時に、バイクの騒音が静寂を打ち破った。暴走族“火龍炎”の登場である。
「お前らちょっとさぁー、イキり過ぎっしょー!」
鴨川新九郎が公園の柵に歩み寄った。彼の背後には筋骨隆々な二人の男が控えている。
既に背後の道は“火龍炎”のバイクに塞がれていた。横の道も同様で“火龍炎”の鉄パイプが鈍い銀色の光を放っている。獰猛な男たちの声。ただ、前方の道のみが未だに開け放たれていた。
山田春雄に応援を頼みつつ、野洲孝之助は額に汗を光らせた。“苦獰天”として孝之助が走らせていたメンバーは僅か十五人である。それ以上は多いだろうと、よく話し合った結果の配分だった。
「行けッ」
そう叫んだ早瀬竜司はパンクしたバイクを蹴り倒した。竜司の右腕である大杉田太地が金属バットを振り上げると、元“紋天”のメンバーたちは臨戦体制に入る。
「待てっ、これは分断工作だ!」
「んなもん知るか! とにかくおめぇは春雄ちゃんと合流しろ!」
そう叫んだ早瀬竜司は走り出した。野良猫のような動きである。公園の柵を飛び越えた竜司は一歩で体を大きく捻ると鴨川新九郎の首元に蹴りを入れた。そのあまりにも素早い動きに“火龍炎”のメンバーたちは暫し呆然と声を失ってしまう。だが、ハイキックをもろに食らった筈の新九郎はケロッとした表情をしており、竜司が二歩後ろに下がると、新九郎は指の骨を鳴らした。
「早瀬くーん、リベンジマッチかぁ?」
「このゴリラ野郎が」
「おい、おめぇらは手を出すなよ」
その低い声に新九郎の背後に控えていた男たちが足を止める。「行けッ」ともう一度、早瀬竜司が怒鳴り声を上げると、重々しく頷いた野洲孝之助は片手を上げて走り出した。
「そうか、やっと始まったか」
吉田障子は校庭のイチョウ並木を遠目に見つめた。ゆったりとした風が夏休みの校舎に吹き込んでいく。昇降口前の石段に座っていた吉田障子はスマホを片手に大きく欠伸をした。
「で、何処とドンパチやってんの?」
「──“火龍炎”だよ。野洲くんたちが囲まれたらしいんだ!」
スマホ越しに山田春雄の焦ったような声が伝わってくる。吉田障子は少し驚いた顔をした。
「あれ、“火龍炎”って解散してんじゃなかったっけ?」
「──俺たちを潰す為に集まったんだよ! なぁモチヅキくん、どうすりゃいい!」
「うーん、そうだな……。取り敢えず匿名で警察に通報してくれ」
「──はあっ?」
「それでいったん喧嘩は収まんだろ。で、集まって作戦会議だ」
そう言った吉田障子はスマホの電源を切った。校庭の運動部たちの声が彼の耳に届く。ゆっくりと立ち上がった吉田障子は青い空に目を細めた。こちらの工作を早く進めなければ、と思ったのだ。藤田優斗の登校日が近づいていた。
風が止んだ。
同時に静寂が訪れる。
運動部たちの声が遠くなっていくと、花壇で揺れるインパチェンスの香りが消えてしまう。そうして、まるで映像にノイズが走ったかのように、周りの景色が不鮮明で不明瞭となっていった。
不審に思った吉田障子は昇降口前で辺りを見渡した。
「障子」
女性の声が鼓膜を震わせる。ゾッと背中の毛を逆立たせた吉田障子は慌てて後ろを振り返った。
「障子」
それは痩せた女性だった。石段の下に立っていた吉田真智子が優しげに微笑む。
吉田障子は唇を結んだ。動揺するまいと思ったのだ。恐怖と怒りを胸の奥に押し込んだ吉田障子は、何事もないかのように腕を組むと、軽く舌打ちをした。
「おーい、お前さぁ、不法侵入だぜ」
「ねぇ障子、今日の晩御飯は何がいいかしら?」
「はあ……? 何言ってんの、お前……?」
「晩御飯よ。成長期なんだし、ちゃんと栄養のある物を食べなくちゃね」
そう言った吉田真智子は満面の笑みをみせた。だが、どれほど優しげな笑顔を作ろうとも、そのどんよりと濁った瞳の奥の光が消えることはない。
「ど、どうでもいいっつの……。んなもんどうでもいいってば……! んな事の為にわざわざここまで来たってのかよ!」
「どうでもよくなんか無いわよ。晩御飯はしっかりと食べなくちゃ」
「どうでもいいっつってんだろ! もう帰れよ!」
吉田障子は怒鳴った。
怖かったのだ。その疲れ切った瞳に浮かんだ黒い影が恐ろしかった。その痩せた頰に浮かんだ喜びの光が恐ろしかった。決して這い上がれぬ穴の底から、ただ見上げる事しか出来ない太陽の光に、必死に両手を擦り合わせ続けるかのような。運命を嘆く女の瞳。運命を享受する女の表情。
恐ろしかった。彼は彼女の存在を恐れていた。
「貴方」
吉田真智子の表情が急変する。くすんだピンクのローヒール。彼女の足が昇降口前の石段を踏み締めると、その不穏の影から逃れようと吉田障子は足を震わせた。だが、動けない。何事かと視線を落とした吉田障子は目を見開いた。まるで流砂に呑まれるかのように足が地面に沈んでいたのだ。
「な、なんだよ、これ……!」
「貴方」
首元に息が掛かる。ねっとりと舌を打ち鳴らすような声だ。吉田障子は体を硬直させた。ゆっくりと顔を上げた彼は、眼前の女性の瞳に息を止めた。
「貴方。その体が誰のものか分かっているの?」
吉田障子は答えなかった。感情のコントロールが先だと思ったからだ。足は動かせず、視界は不鮮明で、痩せた女の声以外の音が記憶に沈んだ声よりも遠い。吉田真智子の背景は音の無い映画のように物寂しげであった。
とにかく呼吸を戻さなければ。そう深く息を吐いた吉田障子は足元から這い上がってくる黒い感情を必死に胸の奥に押さえ込んだ。
「俺のだろ?」
やっと唇を開いた吉田障子の瞳に冬の夜空の影が浮かび上がる。そうして彼は彼女の濁った瞳を睨み下ろした。
「おい、言葉には気を付けろよ」
「貴方」
「テメェの息子の運命は俺が握ってんだぜ?」
「貴方」
「分かったなら、とっとと帰れ。そして、二度とここには現れるな」
「貴方。貴方。貴方。その中に入れば安全だと、貴方は本気でそう思っているの?」
吉田真智子の瞳が更にドス黒く濁っていく。
吉田障子は再び息を止めた。誰かの手が彼の首筋を撫でたのだ。それは冷え切った女性の手だった。だらりと肩を下げた吉田真智子の手ではない。ではいったい誰の手だと、そんな事を考える間もなく、吉田障子は更なる恐怖に口が閉じられなくなった。
「な、あ……」
吉田真智子の顔が横に広がり始めたのだ。いや、彼女の背景が横に裂けていた。
大地が裂けるように正門のレンガ畳が割れていくと、気が付けば厚い雲に覆われていた空に向かって大炎が巻き上がった。低い轟音と爆撃音。血と煙の臭いが障子の鼻の奥を撫でる。
幻覚だ。そう下唇を噛み潰した吉田障子は懸命に呼吸を続けた。これは幻覚だと、彼は必死に感情のコントロールを続けた。
「お、俺を殺せば、お前の息子も死ぬぞ」
吉田障子は焦った。
早く、この女を始末しなければいけない、と。
「お前の息子は魂を動かせない。三原麗奈の器にしがみ付いているだけのアイツはいずれ死ぬ」
吉田障子は苦悩した。
早く早く早く早く早く早く早く早く早く。早く、この女を始末しなければいけない、と。
「それは明日かもしれないし、ひと月後かもしれない。だが、いずれは死ぬ。俺を殺せば、お前の息子は大人になれずに死ぬ」
「貴方──」
吉田真智子が目を見開く。
それは憎しみの瞳とも、怒りの瞳とも違う。悲しみの瞳とも、絶望の瞳とも違う。死を受け入れられぬ人の瞳とも、生を諦めた人の瞳とも違う。
人としての性を無くしてしまった怪物の瞳。
吉田真智子は怪物だった。
「おい! テメェは可愛い息子を殺してぇのか!」
だが、それでも吉田障子は抗った。
自分と自分の周りの小さな世界を守るために、吉田障子は怪物を演じ続けた。
「何ならこの身体で街に火を放ってやろうか?」
「貴方──」
「なぁおい、テメェ、想像してみろや。何も知らねぇテメェの息子がよ、絞首台の前で涙を流し続ける姿をよぉ」
「貴方──」
沈黙が訪れる。相変わらず火の粉が吉田真智子の背景を流れ続けている。だが、そこに音はなかった。煙の臭いもなく、血の味も感じない。首を掴んでいた手の力が緩むと、徐々に空が明るくなっていった。
「貴方──」
悲鳴が辺りに響き渡る。同時に吉田障子は、隣を走り抜ける女生徒の茶色い髪を見た。
「えー、ヤバイヤバイ、変質者?」
「誰か先生呼んできてー!」
声が集まってくる。正門前を見下ろした吉田障子は唖然とした。何事かと吉田真智子も後ろを振り返る。
正門前のレンガ畳に陰気な男が立っていたのだ。油っぽい前髪が腫れぼったい瞼を覆い尽くし、小さな唇が神経質そうに痙攣している。
「障子」
吉田真智子の表情が再び急変した。
「ねぇ障子、夕飯の時間までには帰ってきてよね」
そう言って優しげに微笑んだ吉田真智子はゆっくりと石段を下りた。そうして一瞬、陰気な男に訝しげな視線を送ると、何事もなかったかのように学校を去っていった。
「あれが吉田真智子か」
キザキの声が吉田障子の耳に届く。はっと目を見開いた吉田障子の体がふらりとよろけた。何とかその場に踏みとどまった彼は、キザキの陰気な瞳をギロリと睨み下ろすと、怒鳴り声を上げた。
「テ、テメェ! こんな所で何してんだよ!」
「倉山仁に会いに来たんだ」
そう言ったキザキは富士峰高校の校舎に目を細めた。まるで昔を懐かしむかのように。吉田障子は怪訝そうに眉を顰めた。
「なんだよ? まさか母校だとか言うんじゃねーだろうな?」
「そうだ」
吉田障子は驚いた。まさかこのキザキという男が出身を明らかにするような発言をするとは思ってもみなかったからだ。だがすぐに、その言葉を間に受ける意味はないと彼は表情を引き締める。
「倉山なら学校にはいねーよ」
「そうか」
「んだよ、まさか今からアイツの工作を始める気だったのか?」
「いいや、あの男は既にお前を殺したがっている」
「はは、マジかよ」
吉田障子は思わず笑ってしまった。何やら胸の奥がスッと軽くなったような。この男ならばやってのけるかもしれないと、この男ならば自分の助けになるかもしれないと、そんな根拠のない希望に縋り付きそうになったのだ。
「あれが吉田真智子か」
校舎を見上げたまま、キザキはポケットに手を入れた。校舎の中から教師たちの怒鳴り声が響いてくると、吉田障子は前に手を振ってみせる。
「そうだよ。やれそうか?」
「どうかな」
「おい」
「始末は簡単だ。だが、どうかな」
「んだよ、まさか惚れちまったとか言うんじゃねーだろうな?」
「どうかな」
「おいおいおい、おっさん、マジかよ……」
吉田障子は唖然とする。教師たちの声が近付いてくると、校舎に背中を向けたキザキは風に巻かれる砂のようにスッと姿を消した。
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