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法事
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祖母の3回忌。
行きはお寺で待ちあわせしたのだが、帰りはなぜか父の車に乗らさせて
「たまには、実家によりない!明日休みでしょ?」
と、ほぼ強制的に実家に帰ることに…
「姉ちゃん、ほんと帰ってこないよな」
弟の学は大学生で、実家から通ってる。
「色々とあるのよ」
実家に着いて、リビングで夕飯をしてるときに、ピンボーンってチャイムが鳴った。
母が玄関に行って
「あー、いるわよ」
と、言う声が聞こえて振り返ると
「結乃ちゃーん!!」
と、言って抱きしめられる。
圭哉君の妹の香苗ちゃん。
香苗ちゃんとは、仲がずっとよかった。
複雑な気持ちはあったけど、香苗ちゃんは純粋に私と仲良くしたかったようなので、私も香苗ちゃんは大好きだったから、圭哉君とは別に考えていた。
それに私が圭哉君のことを避けてるのが解ってからは、ほとんど圭哉君のこと話さないでいてくれた。
「久しぶりー」
「会いたかったぁー!!」
ご飯を食べてるのに来るところも、家族ぐるみの付き合いで
隣で座って、話し出していた。
「もうね、法事の帰りに絶対結乃ちゃん拉致してよって頼んだんだから!」
「えっ?そうなの?」
「だって、全然会えないんだもん!」
「そっかぁー、ごめんね」
ご飯も食べ終わり、自室に行った。
あの出来事が脳裏に蘇るが、香苗ちゃんの前で自室は行きたくないというのも変だし
「元気してた?」
「うん!」
「香苗ちゃん、人気者になったね!雑誌とか見てるよ」
香苗ちゃんは、女性ファッション誌のモデルをしている。
兄妹スタイルも顔もいいから、モデルとか俳優とかすぐスカウトされるなとも思ってた。
「今度ね、チョイ役なんだけどドラマにも出るの」
「え!?そうなの?凄いじゃん」
「ええ?全然だよ。仕事はモデルメインだし、でもそういうのもやってみたいなーって」
「そっかぁー」
本当に綺麗になったな、香苗ちゃん。
「結乃ちゃん、綺麗になったね」
「何言ってのよ!香苗ちゃんに言われるほどじゃないよ」
「ほんと、綺麗になった。いい恋でもしてるの?」
「え?」
「結乃ちゃんってさ、可愛いのにあまり付き合わないからさ、勿体ないなって前から思ってた」
「まさか、私が可愛いとか綺麗なわけないよ」
「そんなことないよ!兄貴なんかよくさ」
「え?」
「あっ、いやまぁ…」
と、タブーだと思ったらしく曖昧になる。
「あっ、いいよ、どうしたの?」
「兄貴はいつも結乃ちゃんのこと話すと、あいつは可愛いよなって言ってたし」
「あっ、そ、そうなんだ」
まぁ、社交辞令かもだけど
「今だから言うけど、ずっと結乃ちゃんのこと好きだったと思うよー」
「…ずっと?」
確かにお互い中学生のときは、好きだったのは解ったけど
「うん。今は解らないけど、大学生の時くらいまでは好きだったんじゃないかなー」
大学…、あのことがあってからも好きだったということ?
「この間さ、モデルの友達がね、たまたま私のスマホの写真に兄貴が写ってるの見て紹介してよ!って言われてさ、そしたら忘れられない人が居るって断られた。一瞬結乃ちゃんのことかなーって思ったもん」
「圭哉君て、そんな一途なんだっけ?」
と言うと香苗ちゃんは少し考えて
「兄貴とは恋愛話ってしたことないから解らないけど、兄貴もそこまでなー彼女がってのも聞いたことないし、なんかあったのかなーくらいは少し思ったけど…」
と、言って
「ねぇ、ずっと思ってたんだけど、兄貴と結乃ちゃんて、同じタイミングで避けるようになったけど、なんかあったんだよね?」
「えっ?」
「兄貴が何かしたとか?」
しました。と言えればそりゃ気が楽だけど、そんなこと言ったら香苗ちゃん、ショックで倒れちゃうわ!
「いや、別に…」
「うーん」
何かあると考えてるような香苗ちゃん
「まぁ、その話はいいじゃん。香苗ちゃんのモデルのお仕事の話聞きたい。なんの雑誌出てるか解らないからさ、どれ買っていいか困るもん」
今後出る雑誌を教えて貰って、しっかり頭に叩きつけた。
行きはお寺で待ちあわせしたのだが、帰りはなぜか父の車に乗らさせて
「たまには、実家によりない!明日休みでしょ?」
と、ほぼ強制的に実家に帰ることに…
「姉ちゃん、ほんと帰ってこないよな」
弟の学は大学生で、実家から通ってる。
「色々とあるのよ」
実家に着いて、リビングで夕飯をしてるときに、ピンボーンってチャイムが鳴った。
母が玄関に行って
「あー、いるわよ」
と、言う声が聞こえて振り返ると
「結乃ちゃーん!!」
と、言って抱きしめられる。
圭哉君の妹の香苗ちゃん。
香苗ちゃんとは、仲がずっとよかった。
複雑な気持ちはあったけど、香苗ちゃんは純粋に私と仲良くしたかったようなので、私も香苗ちゃんは大好きだったから、圭哉君とは別に考えていた。
それに私が圭哉君のことを避けてるのが解ってからは、ほとんど圭哉君のこと話さないでいてくれた。
「久しぶりー」
「会いたかったぁー!!」
ご飯を食べてるのに来るところも、家族ぐるみの付き合いで
隣で座って、話し出していた。
「もうね、法事の帰りに絶対結乃ちゃん拉致してよって頼んだんだから!」
「えっ?そうなの?」
「だって、全然会えないんだもん!」
「そっかぁー、ごめんね」
ご飯も食べ終わり、自室に行った。
あの出来事が脳裏に蘇るが、香苗ちゃんの前で自室は行きたくないというのも変だし
「元気してた?」
「うん!」
「香苗ちゃん、人気者になったね!雑誌とか見てるよ」
香苗ちゃんは、女性ファッション誌のモデルをしている。
兄妹スタイルも顔もいいから、モデルとか俳優とかすぐスカウトされるなとも思ってた。
「今度ね、チョイ役なんだけどドラマにも出るの」
「え!?そうなの?凄いじゃん」
「ええ?全然だよ。仕事はモデルメインだし、でもそういうのもやってみたいなーって」
「そっかぁー」
本当に綺麗になったな、香苗ちゃん。
「結乃ちゃん、綺麗になったね」
「何言ってのよ!香苗ちゃんに言われるほどじゃないよ」
「ほんと、綺麗になった。いい恋でもしてるの?」
「え?」
「結乃ちゃんってさ、可愛いのにあまり付き合わないからさ、勿体ないなって前から思ってた」
「まさか、私が可愛いとか綺麗なわけないよ」
「そんなことないよ!兄貴なんかよくさ」
「え?」
「あっ、いやまぁ…」
と、タブーだと思ったらしく曖昧になる。
「あっ、いいよ、どうしたの?」
「兄貴はいつも結乃ちゃんのこと話すと、あいつは可愛いよなって言ってたし」
「あっ、そ、そうなんだ」
まぁ、社交辞令かもだけど
「今だから言うけど、ずっと結乃ちゃんのこと好きだったと思うよー」
「…ずっと?」
確かにお互い中学生のときは、好きだったのは解ったけど
「うん。今は解らないけど、大学生の時くらいまでは好きだったんじゃないかなー」
大学…、あのことがあってからも好きだったということ?
「この間さ、モデルの友達がね、たまたま私のスマホの写真に兄貴が写ってるの見て紹介してよ!って言われてさ、そしたら忘れられない人が居るって断られた。一瞬結乃ちゃんのことかなーって思ったもん」
「圭哉君て、そんな一途なんだっけ?」
と言うと香苗ちゃんは少し考えて
「兄貴とは恋愛話ってしたことないから解らないけど、兄貴もそこまでなー彼女がってのも聞いたことないし、なんかあったのかなーくらいは少し思ったけど…」
と、言って
「ねぇ、ずっと思ってたんだけど、兄貴と結乃ちゃんて、同じタイミングで避けるようになったけど、なんかあったんだよね?」
「えっ?」
「兄貴が何かしたとか?」
しました。と言えればそりゃ気が楽だけど、そんなこと言ったら香苗ちゃん、ショックで倒れちゃうわ!
「いや、別に…」
「うーん」
何かあると考えてるような香苗ちゃん
「まぁ、その話はいいじゃん。香苗ちゃんのモデルのお仕事の話聞きたい。なんの雑誌出てるか解らないからさ、どれ買っていいか困るもん」
今後出る雑誌を教えて貰って、しっかり頭に叩きつけた。
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