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お互いの気持ち

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お店を出て、駅も近くなり

「じゃ、元気で」

それ以外言うことが見つからなかった。

もう会うこともないだろうし…

「あ、あのさ」

「え?」

別れ際に、圭哉君が話しだした。

「俺と付き合ってくれないか?」

「は?」

今何言った?

「解ってる。有り得ないことだって…、でも俺、あ前と、ゆ、ゆ、ゆい…のと恋愛したい」

「…ちょっと理解できない」

「…ダメ…だよな…」

「…」

衝撃すぎてついていけない。

そ、そんなつらそうな顔しないでよ。

「私達が付き合えると思う?」

「わ、解らないけど、多分俺、いやもしかしたら俺達、恋愛してないんじゃないかなって」



確かに、告白してもらって付き合ってはいる。でもいつもの壁にぶち当たりいつもそこで悩んで、そしてずっとそこで悩んで終わってしまう。

好きだし、一緒にとは思うんだけど、それよりも壁の悩みが多くって、好きとかそういうのが後になって…

「それも全部俺のせいだし…、でも責任とかそういうのないと言えば嘘になるけど、でも一緒に恋愛したい」

「そ、そんなの無理だよ」

「俺、ずっとゆ、結乃のこと考えてた。忘れたことなかった」

「そ、それは、そのそれがあったから」

「それは、間違いないけど、でも、お前の楽しそうな顔がいつもあって、お前の嬉しそうな顔が焼き付いて、それを壊した俺が許せなくって」



「そんな、責任で付き合わなくっても…」

「俺の近くで笑ってほしい…」



「もしよかったら、考えてほしい」

そう言われて、圭哉君とは別れた。


連絡先は圭哉君から渡されたけど、連絡…するのかな?わたし


でも、少し話したことで今までのことが気が楽にはなったかもしれない。

許されることではないけど、10年という月日があったことで私の中で変わってるのかも

『水沢さん、圭哉のこと好きでしょ?』

そんなわけない!こんなこと、考えたこともなかった…

私が圭哉君のこと、好きなわけ…




「あっ、水沢さーん!!」

振り向いたら、講習会の圭哉君のお気に入りの同期の人だった。

「あれから、江原さんに飲み会のお誘いしたんですけど、全然ダメで」

「あ、そうなんだ」

「一生結ばれることのない好きな人がいるとか言われちゃっんだけど」

「え?」

「結婚してる人を好きになったとかなのかな?亡くなってる方とか?んー、よくわからないけど、脈があまりにもないんでもういいかなーって、いい男だったんだけどなー」

「そっかぁー」

「じゃまたねー、また飲みにいこー」

「あ、うん」

一生結ばれることのない… 

それって、まさか…

私なわけないか!

中学生のときはそうでも、今も同じとは限らないし、でもそれならなんで私にそんなこと言ったんだろ?

やっぱり、罪悪感なのかな?




圭哉君と話したあの日から既に1ヶ月近くたってるけど、毎日考えてしまってる。

以前なら、あの恐怖しかなかったけど、今の私はあの恐怖以外にも圭哉君と話した時のことも思い出してる。

涙が出てた圭哉君、自分を責め続けてた圭哉君、彼が全て悪いのは間違いない!でも…、でも?

私は何を?

私はこの先何をしようとしてるの?

自分でも解らない感情にどうしていいか、解らなかった。

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