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第6章 結婚編
挑戦
しおりを挟む「なぁシーマ、道中に何か面白いモノはなかったか?」
ポーションが思いがけない展開になって上機嫌のロナルドさんが、さらに俺に聞いてきた。
「まぁ、あると言えばあるし、ないと言えばないし...」
「何だそりゃ⁉️」
化粧水はフィリア王女案件だし...。
精力剤があることはあるけど、俺しか作れない上、面倒なことになりそうな気もするし...。
ただ、魚醤のことをどうするかなんだよなー。ロビンさんには負担をかけたくないけど、ある程度定期的に欲しいと言えば欲しいんだよな...。ロナルドさんに言って量産してもらうっていうのもアリではあるけど...。
「ロナルドさん、ルート商会はエピリシアのサザンベールに拠点を置くつもりはありませんか?」
「何だ唐突に?」
「あの港町の魚が欲しいんですよ。まぁ他にもありますけど...」
「ルート商会としては信頼の出来る商人がまだ確保出来てないからな...。それがオルティアの限られた地域にしかない理由だ。だが、それなりに他国の商人との繋がりはある。サザンベールに強い商人を探しといてやるよ」
「助かります」
「めぼしいのが見つかったら冒険者ギルドに伝えておく」
出来ればルート商会でサザンベールに行って欲しかったけど仕方ない。
そもそも、ロナルドさんが手塩にかけて育てたシェリルを俺が奪っちゃったしな苦笑
あとは、一応筋を通しておくためにも化粧水のことを言っておくか...。
俺はアイテムボックスから化粧水を取り出しロナルドさんの目の前に置いてから話し出した。
「ロナルドさん実はコレ、俺が作った『化粧水』というものなんですが、レシピも含めた全ての扱いをフィリア王女に任せてるんです」
「おいおい、たかが商品一つに王家が関わるなんてよっぽどのことだぞ...。それはいったいどんなモノなんだ?」
「肌が荒れたりしないようにしっとりとさせるものです。この前、同行してもらってる女性全員に試してもらいましたが好評でした」
「シェリル、実際どうだったんだ?」
ロナルドさんも気になるんだろう。
娘のシェリルに早速確認し始めた。
「ボクにとってはもう化粧水のない生活は考えられないくらいのものだよ」
「それほどか。シーマ、ぜひウチのルート商会で...って訳にはいかないから王家扱いなんだろ?」
「そうですね。あのイルマさんですら『狙われたくない』って言って扱いを拒絶してましたから苦笑」
「!!」
ロナルドさんが絶句している。
一応、俺も言わなきゃいけないことは言っておく必要があったからしょうがない。
「ロナルド会長。私が王家扱いにしましたがどのように作って売るのかはまだ決めておりません。まだルート商会にもチャンスは残っておりますのよ?」
突然フィリア王女が話に割って入ってきて、ロナルドさんに話しかけてきた。
こういう時のフィリア王女って、何故か貫禄ある感じなんだよな…。普段は駄々っ子なのに笑
「しかし...。私共にはまだ王家の覚えがあるというわけでも...」
「ロナルド会長、そこで私から依頼があります」
「なんと!!」
「国王宛のこの書状を出来るだけ早く王城へ届け、返事をもらって返ってきて欲しいのです。出来ますか?」
「もちろんです!! この大役は誰にも譲りません。このルート商会会長ロナルド自ら役目を果たします!! ですがフィリア王女様に1つお願いがございます!!」
「何かしら?」
「その『化粧水』とやらを我が妻ステラのために1つだけ売ってもらえないでしょうか?」
「奥さんを大切にする心がけは大事よ。良いでしょう、ロナルド会長自ら王城へ向かうなら私から奥様へ渡しておきます」
「お支払いは...」
「要らないわ。そもそもまだ何も決まってない商品ですからね、そうね...使ってみた感想をくれればそれだけでいいわ」
「ありがとうございます!! それでは私はすぐに王城へ向かいますので失礼します!!」
「頼んだわよ」
ロナルドさんは席を立ち、すぐに部屋を出て行った。
あれっ?
俺の宿屋の話が進むのは、ロナルドさんが帰ってきてからってこと?
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