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第6章 結婚編
戸惑い
しおりを挟む「フィリア王女様、私はステラと申します。この度は我が夫ロナルドに格別の計らいをいただきありがとうございました」
ロナルドさんが部屋を出て間もなく、入れ替わるようにして、奥さんのステラさんが入ってきた。早速フィリア王女に挨拶するところは抜け目がないし弁えてる。
「別にそんなに畏まらなくていいんですよ。お、お義母様」
フィリア王女も緊張することあるのかな?
珍しく言葉を噛んでる。
ただ単に言い慣れてないだけっぽいけど。
それにお義母様って...。
まだ俺と結婚するって決まったわけじゃないじゃん...。
「えっ?! お義母様?えっ?!、えっ?!」
まぁ、王女様という立場の人からそんなこと言われたらそういう反応になるよな苦笑
ステラさんは悪くない。
暴走王女が悪いんです。
「フィリア王女、そういう冗談を初対面で言うのはやめて下さい」
「シーマさん、そのうち冗談じゃなくかもしれないじゃないですか。練習ですよ、練習」
「突然言われたほうの身にもなってあげて下さい」
「ぶぅー」
全く、ブーイングしたいはこっちだよ...。
ステラさんだっていきなりの展開でビックリしてるじゃん。
「ステラさんすみません。フィリア王女の悪ふざけが過ぎました」
とりあえず俺のほうから謝っておいた。
ごく僅かだが俺にも責任はあるっぽいのでね。
「えっ、ええ」
「お詫びといってはなんですが、こちらは私たちも使っている化粧水になります。ステラさんも使ってみて下さいな」
おぉー。
早速フィリア王女はロナルドさんとの約束を守るのか。すぐに渡しといて良かったー。
しかし、フィリア王女のこういうところはさすがだよな。押し付けがましくなくてちょうどいい。
「は、はい!! これが...」
あのわずかな時間でロナルドさんから化粧水のことを聞いてたのかな?
反応からしたら、そんな感じだ。
「ロナルド会長には少々無理なお願いをして王都まで行ってもらうことになりました。ごめんなさいね、ステラさん」
「いえ。他ならぬフィリア王女様からの依頼ですので喜んで行ったのです。もし問題なく依頼を完了しましたら、ルート商会の名を気に留めていただければ嬉しく存じます」
「あまり出しゃばらないところも好ましいわ。その化粧水はね、シーマさんが作ったものですけどレシピも含めて私のほうで全て預かってるものです。もちろん生産や販売などについても今後決めていくのですが...」
「!!」
「もちろん、ルート商会にもチャンスはありますし、そのためにロナルド会長が王城へ向かうことになったのです」
「ご配慮をいただきありがとうございます」
「そして、その事が決まってすぐにロナルド会長はその化粧水を私に1つ売って欲しいと言いました。てっきり成分などを調べるのかと思ったのですが、それは違いました」
「...」
「ステラさん、あなたのために売って欲しいと言われたんです」
「!!」
「既に商人として成功を収めているようですが、ロナルドさんは良い旦那さんでもあるようですね...。シーマさんには敵いませんけど」
「は、はい...」
おいおい…。
何の話やねん。
俺、関係ないやん。
「私、シェリルとも仲良くさせてもらってるので、ルート商会にはこれからもいろいろと頑張ってもらいたいのです」
「ありがたいお言葉です」
「今、ロナルド会長が持っている書状が王城に届いたら、私がシーマさんと結婚することになるでしょう。そしたら、ステラさんとも家族になるので、その時は改めてお義母様と呼ばせて下さい」
「は、はい...」
何ですと?
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