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第4章 冒険 -王都編-
キラービー
しおりを挟む「何だこのでっかい蜂の大群は!」
俺たちの進む方向に王都が見えてきたというタイミングで魔物の襲来か。
サーチに引っかかった魔物を迎え撃とうとして馬車を停めて外に出たはいいものの、俺は目の前の光景に唖然としていた。蜂がこんなにいるとはな。ざっと50体くらいはいるんじゃないかな?
「キラービーの群れだね」
「キラービー?」
「見ての通り大きい蜂だよ。そんなに強くないけど、刺されたら麻痺して動けなくなるから気をつけて」
きっと何度か出くわしているのだろう。シェリルがいろいろと説明してくれた。
「よし、わかった。セレナ、魔法で対処するぞ! 」
「はーい。ウォーターカッター!」
ギギッ
「ストーンバレット!」
ギギッ
「!!」
手前の奴らをある程度倒したかと思ったが、その先にはちょっと大きい蜂が見えた。もしかして...。
「シーマ、奥に女王蜂がいる!」
やっぱりか。
どうしようかなー。
「シェリル、アイツ殺れるか?」
「シーマたちが魔法で牽制してくれれば大丈夫!」
「よし、頼むぞ。セレナ、魔法をどんどん撃つぞ。奴らを馬車へ近づけるな」
「わかった。ウォーターカッター!」
「ストーンバレット!」
その後も、俺とセレナは魔法を撃ち続け、キラービーの数をどんどん減らしていくが、それと同時に徐々に疲れも溜まっていく。
業を煮やしたのか、女王蜂を取り巻いていた蜂たちがこちらに向かってきた。
俺とセレナはそれを迎え撃つのだが、それと同時に、隠蔽で姿をくらましていたシェリルが女王蜂に襲いかかる。
「ギャアッ」
寸前で女王蜂が交わしに動いたため、首は切れなかったが、胴体にはナイフが深く刺さっている。
「ヤバッ!! 仕留めきれなかった!!」
「シェリル、離れて!! ウォーターボム!」
「「!!」」
セレナの魔法が、女王蜂を水で覆い、その後爆発した。
女王蜂が動かないところを見ると、どうやら仕留めたようだ。
それを合図に残ったキラービーはそれぞれどこかへ逃げていき、この戦いは終わりを告げた。
「ふぅー危なかったー。セレナありがとう。助かったよー!」
「この戦いの中で水魔法のレベルが上がったんだ。一か八かだったけど上手くいってよかったよ」
水魔法の上級はウォーターボムだ。この前のスタンピードで、ファイアーボムを目の前で見れた分イメージ出来たのが大きかったな。
「2人ともお疲れ様。そしてよくやったな。ありがとう。魔法のレベルと言えば、俺の土魔法も上がったんだ。とは言っても土の中級はストーンウォールだから防御系だけど」
「2人だけ魔法レベルが上がってズルいなー」
「シェリルだって、共有で使えるじゃないの」
「でも、元々持ってる魔法じゃないし」
「シェリルは得意なところを磨いていけばいいんだよ。みんなが同じになる必要はないからな」
「そうなんだけどさ...」
俺とセレナでシェリルをなだめているが、シェリルはイマイチ納得してないようだ。
「だいたい女王蜂だって、シェリルが先にダメージを与えてくれたから倒せたんだよ。共有スキルがあってもいきなり私にアレは出来ないもん」
「確かにその通りだ。俺たちは3人のパーティーだ。それぞれ得意なところを伸ばして補い合えばいいんだよ」
「うん、わかったよ。これからもボクなりに頑張る!」
何とかこの場は丸く収まったな。
補い合いか。
最近俺、全然剣を振ってないなー。
もうすぐ王都だし、またフォルティスさんに教えてもらおうかな。
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