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第4章 冒険 -王都編-

ドロップ品

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「ねぇ、これ何? 女王蜂の隣りに落ちてたんだけど...」


 セレナが小さな瓶?を持ってこちらにやってきた。


「それはドロップ品ね」


 いつの間にか馬車から降りていたフィリア王女が答えた。


「ドロップ品? ダンジョンとかで発生するアレ?」

「そうよ。地上の魔物でもごく稀にあるらしいわ。キラービーの女王蜂だから蜂蜜じゃないかしら?」


 フィリア王女のその言葉を受けて、俺は瓶の中身を鑑定した。


ローヤルゼリー【女王蜂】
蜂蜜ではあるのだか、
栄養価が格段に高い


「これ、ローヤルゼリーってなってますけど...」

「「「ローヤルゼリー!!」」」


 何だ?
 シェリルにフィリア王女とアルテさんが過剰に反応してるけど。
 いいモノなのかな?


「そんなにいいモノなんですか、これ?」

「あのねシーマ。女王蜂のローヤルゼリーっていったらかなりの高級品よ。ほとんど出回らないから、会長は扱ったことがあるかもしれないけど、ボクに至っては見たこともないんだよ」

「美容にいいこともあって、私達王家はもちろん、貴族の女性達が挙ってかき集めてるからね...」

「へぇー、そうなんだ。じゃあ、フィリア王女様に献上しますね」

「「えっ!!」」「ホントに?!!!」


 あれ?
 嫁ズが残念そうだな。
 フィリア王女は歓喜に満ちてるけど苦笑


「ホントにもらっていいの?」

「えぇ。そんなに高級品なら俺たちが持ってて狙われても嫌ですしね」

「セレナやシェリルにあげなくてもいいの?」

「セレナもシェリルも十分綺麗ですかね。これ以上綺麗になっても俺が困りますし」

「「...照」」

「あっそ。嫁大好き過ぎなあなたに聞いた私がいけなかったわ...。でも、そこまで言われると何だか悔しいわね。まるで私が2人に劣ってるみたいだわ」

「いやいや、フィリア王女様もお綺麗ですよ」

「何か取って付けたような言葉ね」

「そんなことないですよ...」

「まぁいいわ。それじゃ、これは有難くもらっておくけど、王都に着くまでは預かっててくれるかしら?」

「いいですよ。アイテムボックスに入れておきます」


 一時はどうなることかと思ったけど、ローヤルゼリー問題は何とか片付いたな。




「そういえば、シーマさんは鑑定も使えるのね?」

「あれ?言ってませんでしたっけ?」


 やべー。
 さっき何にも考えずに鑑定使っちゃってたよ。
 すっとぼけてみたけど大丈夫かな?


「聞いてないわね。本当にあなた何者なの? 知らない料理がどんどん出てくるし、女神のことは...いいとして。まるでこの世界の人ではないみたいだわ」

「「...」」


 スゴいな、この王女。
 あんたこそ何者だよって話だ。
 ほとんど合ってるじゃん笑
 
 エルピスが言うには、そのうち全部を知るけどまだ早いらしいからな。


「まだ言ってないことがあるかもしれませんが、俺は俺ですよ。もちろんこの世界の人間です」

「これからも一緒にいれば分かることもあるでしょうから、今のところはそれでいいわ」

「「...?」」


 ん?
 何か今、聞き捨てならない言葉があったな。
 セレナもシェリルも無言で?だし。


「これからも一緒にってどういうことですか?」

「あっ! い、いや、その...王都まで一緒ってことよ!」

「「「...」」」


 何か怪しいなー。
 裏で何か企んでんのかなー。
 でも、相手は王女様だしな。
 何も出来ないし、何も言えん。


「そうですよね...」


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