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第3章 冒険 -グランツ編-

セレナの決意

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 久しぶりに風魔亭にも帰ってきた。
 エリオさんは元気にしてるかなー。
 シンシアさんは…ちょっと会うのが怖いかな…。

 風魔亭の扉を開けるとエリオさんがいたのだが少し様子がおかしい。
 あれ? エリオさん痩せたんじゃね?何かあったのかな。


「エリオさん、ただ今護衛依頼から帰ってきました」

「おう。元気してたか?」

「はい。無事に護衛依頼完了しました。エリオさんはやつれてません?」

「あー、そのことな…」

「あまり言いたくはないがシーマ、お前のせいだぞ」

「えっ?!」


 何で俺?!
 思い当たる節は何もないけど…。


「俺、何かしましたっけ?」

「この前シンシアに甘いものあげただろ?」

「はい。でも、それが何か…あっ!!」

「セレナちゃんの前で言うのもなんだけど、あれからというもの、毎晩シンシアが激しくてな苦笑」

「…照」


 あー、そういうこと。
 確かにセレナの前で話すことじゃないかなー。
 ほれ見ろ、セレナが顔を真っ赤にしちゃってるじゃん!
 なかなか見れないから俺的には眼福だけどな!


「じゃあ、エリオさんの子供が見れるのももうすぐですね笑」

「いや、このペースだとその前に俺が干からびるかもしれん苦笑」

「…照」

「あら、シーマにセレナちゃんじゃない。おかえりなさい。無事でよかったわ」

「「「!!!」」」


 この状態の元凶のお出ましだ。

 否応にも緊張が走る。
 またプリン欲しいって言われたらどうしよう。
 断わるわけにもいかないが、引き受けるとエリオさんの消耗が早くなるよな…。
 
 なんて考えてたら、セレナが突然口を開いた。


「お2人に聞きたいんですけど、グランツで弓を教えてくれる人はいますか?」

「セレナちゃんには弓がなくても魔法があるだろ?」

「そうなんですが、ちょっと思うところがあって、何かあった時すぐに対応できる方法を増やしておきたいんです」


 セレナの意向にはおそらくというか、ほとんどこの前の俺の危機的状況のことがあるんだろうな。
 シェリルの投擲で事なきを得たが、やっぱりセレナはあの時のことを気にしてたのか。
 確かに弓を扱えたらパーティー的にも遠距離攻撃が強化できるな、うん。
 それにしても、俺が指示するのではなく、自分で考えて行動するのはとてもいい傾向だ。もしかしたらシェリルとの出会いがセレナを少し変えてくれたのかもしれない。


「別に探すまでもないわ。ここにいるもの!」


 シンシアさんはそう言ってから、自分のことを指差している。


「えっ?! シンシアさん弓使えるんですか?」

「むしろ、弓しか使えないわ!」


 シンシアさんってゴリゴリの魔法使いかと思ったけど、まさかの弓使いだったとはなー。意外だな。
 エリオさんも射止めちゃった感じかな笑


「それじゃあシンシアさん、いつでもいいので教えてください!」

「そうねー。せっかくだから明日からにしようか。お昼までは宿のことがあるからその後でいいかしら?」

「はい! よろしくお願いします! 」

「よかったな、セレナ」


 
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