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第3章 冒険 -グランツ編-
報告
しおりを挟む山賊に遭遇した2日後。
何度か魔物が出てきたものの難なく撃退しながら、俺たちはようやくグランツに戻ってこれた。
「戻ってきたー!」
「初めての護衛依頼で不安だったけど、何とかなったな」
「そうね」
「とりあえず冒険者ギルドに行こう! アイラは元気にしてるかな?」
シェリルは元気だな笑
本当ならすぐにでもゆっくりしたいところだが、護衛依頼完了の報告をしに冒険者ギルドに行かねばならない。あと山賊のこともあるしな…。
冒険者ギルドに入ると、アイラがこっちを見て俺たちを確認するとニコッてしながら手招きしてきた。
「シーマさんにセレナさん、護衛依頼お疲れ様でした。シェリルの様子を見る限り、何事もなかったんでしょう」
「うん。何も問題なかったよー」
「これでお2人もDランクですね! これから依頼完了とランクアップの処理をしますのでギルドカードをお預かりしますね」
俺たちはギルドカードを渡しつつ、山賊のことを話すことにした。
「アイラさん、俺たちは護衛依頼の帰り道で山賊に襲われました。全員の死体をアイテムバッグにしまってあるんですが…」
「山賊ですか? 向かった先のフィデールには確かに山賊討伐の情報があったかと思います。ここでは何なので裏の倉庫に回ってもらっていいですか?」
「わかりました」
俺たちが倉庫に行くと、アイラの他にギルドの職員がもう1人立っていた。シェリルによればその人は副ギルド長らしい。その人から声がかかった。
「山賊の死体はここに出してもらえるか?」
「わかりました」
俺はそう言ってアイテムバッグ(実際はアイテムボックス)から死体を出した。
「ほぉー、山賊にしてはなかなかの大物だな。こいつらは確かCランクだったはずだ。よく倒せたな!」
「運が良かっただけです。ひとつ間違えれば自分たちがこのようになってました」
「そうだな。そういう心掛けはいいことだ。報酬は後でアイラから貰ってくれ。これからも頼むぞ!」
「出来る限りですけどね」
「いや、いいんだ。それでいい」
受付に戻ってきたら、アイラからDランクのギルドカードと報酬を受け取った。
受け取ったのは何と金貨5枚だ。
高くね?
「こんなにもらっていいんですか?」
「フフフ。こちらの内訳は護衛依頼分が金貨2枚と山賊討伐の金貨3枚です」
「そんなに貰えるなんて…」
「いいなー! ボクも冒険者登録を復活させようかなー」
「何言ってんの! シェリルには商会の仕事があるでしょ!」
シェリルの言葉に、アイラが友達の立場で突っ込みを入れる。本当にこの2人は仲がいいんだな笑
「そうだ! 今度ウチにシーマさん達を呼んで依頼完了パーティーするからさ、アイラも来る?」
「えっ?! 私が行ってもいいの?」
「もちろんだよ! そもそもアイラがシーマさん達に依頼してくれなかったら、この出会いは無かったんだから!」
「それは仕事でしたことで…」
「それに、すんごい旨いブラックバードの料理が「行くわ!!」出る…」
シェリルの話に食い込んできたよ。
アイラってどんだけブラックバードが好きなんだろ…。
気合い入れて作っておかないと痛い目を見そうだなこれは。
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