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第三章
3-14
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びくっと肩を跳ねさせてから彼の方を振り向いたアスランは、何もしてないよ! と。どうしてか慌てたような声を上げて、そうしてすぐにハッとした顔をすると、勢いをつけて立ち上がった。
「というか、何かしてたのアルトでしょう!」
「は?」
「どんな美女にもあんなにツンツンしてた癖に、好みの子には結局触ってるんじゃん……!」
エッチ! と。身も蓋もない暴言を投げて、アスランは腰かけていた箱から飛び降りると、耳まで真っ赤にしながら天幕の中へと駆け込んで行った。
その背を無言で見送りつつ、珍しくもぽかんとした顔をしていたアルトが、すっとリオに視線を映す。
「……何をお話ししていたんですか?」
「え!? ええっと……」
とても本人には言いづらい話題で盛り上がっていた自覚のあるリオは目線を彷徨わせたが、ごく自然な様子で隣に腰を下ろされてしまっては、誤魔化すにも限界がある。
元々隠し事や謀に悲しいほどに向いていない自覚のあるリオは、うう、と。変な汗をかきながら、正直に口を割った。
「その、……アルトくんに、何をされたか、って、話を……」
「……はい?」
怪訝な声には、返す言葉もない。何と言う話をしていたんだ。
品性の問題以前のはしたなさに真っ赤になり続ける顔を背けて、リオがひたすらもじもじしていると、何かに思い至ったらしいアルトが今度は額を押さえて俯いた。
頭痛がすると言わんばかりのその顔に、呆れられてしまっただろうかとリオが慌てていると、深いため息と共に彼が顔を上げる。その美しい顔に刻まれた苦悩に、リオはまた少しときめいてしまった。
「……せめて、言い訳をさせていただきたいのですが」
「言い、訳?」
どういうことだろう? と。首を傾げたリオがきょとんと瞬く目前で、アルトは眉根を寄せた渋面を崩さない。
そうして、彼が絞り出したその言葉は、予想外のものだった。
「私は断じて、不特定多数の女性に手を出すような不実な真似はしておりません、が。……あなたに対しては、その、反応のお可愛らしさに。多少やり過ぎた感がなくもなく……」
後半になるにつれて歯切れが悪くなっていく声と反比例するように、アルトの真白い肌がじわじわと紅潮していく。
リオはいつも完璧に美しかった彼の、思いの外可愛らしい様に、思わず笑い声を零してしまった。
「ふふっ」
「……笑うところではないと思いますが」
アルトは気まずいような、気恥ずかしいような。とても申し訳なさそうで、なおかつ拗ねたような、複雑な表情を浮かべる。リオは慌てて、両手を横に振って否定を示した。
「ごめんなさい、そういうつもりじゃなくて。……アルトくんは、今。……触りたくなったのは、僕の時だけ、って。そう、言ってくれてるの?」
その問いに、アルトは答えをくれなかったが。いつも凛々しく美しい彼の横顔が、夕日のせいばかりでなく真っ赤に染まっている。それが全てだった。
胸の奥が、じわじわと愛しさに苦しくなる。雪深い故郷で病がちに過ごしていた頃には、その片鱗さえ感じたことのなかった心が、突然の許容オーバーに悲鳴を上げていた。
嬉しいはずなのに恥ずかしくて、お互いに何も言い出せなかったがゆえの沈黙がしばし続いた後。ふう、と。ため息を吐いたアルトに、突然肩を抱かれて飛び上がる。
「よしましょう。……こんな会話を続けていては、誓いを破ってあなたに触れたくなってしまう」
「う、うん……」
大人しく頷いたリオを見つめる、宝石のような瞳はますます美しく輝かしい。その瞳に、リオの勘違いでないならば――愛を満たして。苦笑したアルトが、リオの頬を優しく撫でた。
「……あなたの傍にいると、私の知らない私ばかりが引き出されてしまいます」
困りましたと呟く美しい声に、それは自分も同じだと。リオはそう思ったけれど、言葉にはすることなく口を噤んだ。――これ以上口を開けば、今すぐにでも触れて欲しい、と。言い出してしまいそうな自分を知っていたから。
それに、リオにはその前に、やらなければいけないことがあるのだから。
「君のために、僕ができることを。……教えてくれる?」
肩を抱く彼の手に手を重ねたリオが、些か唐突にそう切り出せば、美しい赤い瞳が迷いを浮かべた。
昨夜からずっと、彼の瞳は、苦悩を映して美しい。でも、こんな目をして欲しくないから、彼に力を貸すと決めたリオは彼に笑ってもらいたかったけれど。それは今の時点では、叶うことのない望みのようだった。
「リオ。……その前に、何かもう一つでも。私に、願ってくれることはありませんか?」
「どうして?」
「私がこれから、あなたにお頼みしようとしていることは。……この上なく愚かしく。もはやお詫びのしようもないほど、礼を欠いたお願いとなりますので」
そんなに? と。リオは少し動揺したが、ここまで着いてきた時点で、リオの心は決まっている。
美しく、誇り高く、穢れのない。彼の手を、彼の心を、少しでも傍で守れるのならば、リオに後悔はないのだ。
(お願い……)
――けれど、己の願いについては、心当たりがあった。
生贄として流れ着いたリオを無条件に愛して、守ろうとしてくれる。エルドラやファランディーヌには、ついに言い出すことが出来なかった、リオの心残り。
「……姉上」
ぽつりとこぼしたその言葉を、聞き逃すことのなかったアルトが美しい瞳を瞬く。リオは一度、こくりと頷き、アルトの瞳をじっと見つめ返した。
「僕が、故郷に残して来た……姉上が、幸せに過ごせているか」
それを知ることが出来たなら、と。口にしたリオの胸の内は、期待と不安に揺れている。
胸を不穏に高鳴らせながら、ぎゅっとアルトの袖を無意識に握り締めれば、その不安定な胸の内を酌んでくれたのだろうか。優しくリオの手に指を絡ませたアルトが、承知いたしました、と。どこまでも美しい声で囁いた。
「……できるの?」
「ええ、恐らくは。……申し訳ありませんが、しばらくお手をお貸りさせていただきますね」
きゅう、と。絡ませた指に微かな力を込めて、アルトが優しく笑う。何が起こるのか、何が必要なのか解らないリオがまごついている間にも。滞りなく何らかの準備を整えたアルトは、眩い夕焼け色の空にその白い手を翳した。
昨夜のように、彼の手から、赤い炎が音を立てて燃え上がる。リオは驚いたが、今回の炎は、彼が意図して呼び出したものであるらしい。周囲を照らす、熱を持たない炎はやがて、その中央に鏡のように平らな面を生み出した。
(? 何か、像が)
炎の揺らめきだけではない影をその面の中に見つけたリオが、目を凝らす。そうして、目を凝らさなくともはっきりと実像を結び始めたその影の詳細を認めて、リオは目を見開いた。
――リオが育った、人間の国の、小さな伯爵領。痩せた土地に建つ、石造りの灰色の領城。真冬の寒さを全て防いではくれなかったけれど、確かにリオを守ってくれていたその懐かしいシルエット。
驚きにパチパチと忙しなく瞬き、ついついアルトの顔を見上げてしまえば。優しく微笑んだアルトはリオの手に改めて指を絡ませ、灯す炎の色を変えた。
家を持たない領民が、一時でも雨風から逃れられるようにと。冬の間は解放され続けるはずの大門はまだ閉ざされたままだった。
(今年は、暖かかったのかな……)
リオが生け贄に差し出される前の、少なくとも五年間は。平年にまして厳しい寒さが領を苛んでいて。凍死者や餓死者を、一人でも少なくするために姉もリオも必死だったけれど。くすんだ色の門を磨く、どこか見慣れた老爺の手もまだかじかんではいないようだ。
魔法使いたちの華やかさとはかけ離れた、けれど懐かしい風景。
ふと、場面が切り替わり、暖かな暖炉の燃える広い部屋が映し出される。かつては母が使っていた、そして母が早逝して後は空き部屋となっていた――女主人の部屋。その部屋の暖炉の前に座る女性の姿を見て、リオは再び目を丸くする。
リオと同じ、青みを帯びた黒い髪。リオよりも幾許か明るい、湖畔のような翡翠の瞳。今は編み物に忙しいその指を濡らして、何度もリオの熱冷ましの濡れ布を交換してくれた。
「姉上」
思わず、声に出して呟いたリオが、身を乗り出す。そんなリオの反応を見て、目指すものを正確に捉えられたことを知ったのだろう。アルトが小さく微笑んだ。
「というか、何かしてたのアルトでしょう!」
「は?」
「どんな美女にもあんなにツンツンしてた癖に、好みの子には結局触ってるんじゃん……!」
エッチ! と。身も蓋もない暴言を投げて、アスランは腰かけていた箱から飛び降りると、耳まで真っ赤にしながら天幕の中へと駆け込んで行った。
その背を無言で見送りつつ、珍しくもぽかんとした顔をしていたアルトが、すっとリオに視線を映す。
「……何をお話ししていたんですか?」
「え!? ええっと……」
とても本人には言いづらい話題で盛り上がっていた自覚のあるリオは目線を彷徨わせたが、ごく自然な様子で隣に腰を下ろされてしまっては、誤魔化すにも限界がある。
元々隠し事や謀に悲しいほどに向いていない自覚のあるリオは、うう、と。変な汗をかきながら、正直に口を割った。
「その、……アルトくんに、何をされたか、って、話を……」
「……はい?」
怪訝な声には、返す言葉もない。何と言う話をしていたんだ。
品性の問題以前のはしたなさに真っ赤になり続ける顔を背けて、リオがひたすらもじもじしていると、何かに思い至ったらしいアルトが今度は額を押さえて俯いた。
頭痛がすると言わんばかりのその顔に、呆れられてしまっただろうかとリオが慌てていると、深いため息と共に彼が顔を上げる。その美しい顔に刻まれた苦悩に、リオはまた少しときめいてしまった。
「……せめて、言い訳をさせていただきたいのですが」
「言い、訳?」
どういうことだろう? と。首を傾げたリオがきょとんと瞬く目前で、アルトは眉根を寄せた渋面を崩さない。
そうして、彼が絞り出したその言葉は、予想外のものだった。
「私は断じて、不特定多数の女性に手を出すような不実な真似はしておりません、が。……あなたに対しては、その、反応のお可愛らしさに。多少やり過ぎた感がなくもなく……」
後半になるにつれて歯切れが悪くなっていく声と反比例するように、アルトの真白い肌がじわじわと紅潮していく。
リオはいつも完璧に美しかった彼の、思いの外可愛らしい様に、思わず笑い声を零してしまった。
「ふふっ」
「……笑うところではないと思いますが」
アルトは気まずいような、気恥ずかしいような。とても申し訳なさそうで、なおかつ拗ねたような、複雑な表情を浮かべる。リオは慌てて、両手を横に振って否定を示した。
「ごめんなさい、そういうつもりじゃなくて。……アルトくんは、今。……触りたくなったのは、僕の時だけ、って。そう、言ってくれてるの?」
その問いに、アルトは答えをくれなかったが。いつも凛々しく美しい彼の横顔が、夕日のせいばかりでなく真っ赤に染まっている。それが全てだった。
胸の奥が、じわじわと愛しさに苦しくなる。雪深い故郷で病がちに過ごしていた頃には、その片鱗さえ感じたことのなかった心が、突然の許容オーバーに悲鳴を上げていた。
嬉しいはずなのに恥ずかしくて、お互いに何も言い出せなかったがゆえの沈黙がしばし続いた後。ふう、と。ため息を吐いたアルトに、突然肩を抱かれて飛び上がる。
「よしましょう。……こんな会話を続けていては、誓いを破ってあなたに触れたくなってしまう」
「う、うん……」
大人しく頷いたリオを見つめる、宝石のような瞳はますます美しく輝かしい。その瞳に、リオの勘違いでないならば――愛を満たして。苦笑したアルトが、リオの頬を優しく撫でた。
「……あなたの傍にいると、私の知らない私ばかりが引き出されてしまいます」
困りましたと呟く美しい声に、それは自分も同じだと。リオはそう思ったけれど、言葉にはすることなく口を噤んだ。――これ以上口を開けば、今すぐにでも触れて欲しい、と。言い出してしまいそうな自分を知っていたから。
それに、リオにはその前に、やらなければいけないことがあるのだから。
「君のために、僕ができることを。……教えてくれる?」
肩を抱く彼の手に手を重ねたリオが、些か唐突にそう切り出せば、美しい赤い瞳が迷いを浮かべた。
昨夜からずっと、彼の瞳は、苦悩を映して美しい。でも、こんな目をして欲しくないから、彼に力を貸すと決めたリオは彼に笑ってもらいたかったけれど。それは今の時点では、叶うことのない望みのようだった。
「リオ。……その前に、何かもう一つでも。私に、願ってくれることはありませんか?」
「どうして?」
「私がこれから、あなたにお頼みしようとしていることは。……この上なく愚かしく。もはやお詫びのしようもないほど、礼を欠いたお願いとなりますので」
そんなに? と。リオは少し動揺したが、ここまで着いてきた時点で、リオの心は決まっている。
美しく、誇り高く、穢れのない。彼の手を、彼の心を、少しでも傍で守れるのならば、リオに後悔はないのだ。
(お願い……)
――けれど、己の願いについては、心当たりがあった。
生贄として流れ着いたリオを無条件に愛して、守ろうとしてくれる。エルドラやファランディーヌには、ついに言い出すことが出来なかった、リオの心残り。
「……姉上」
ぽつりとこぼしたその言葉を、聞き逃すことのなかったアルトが美しい瞳を瞬く。リオは一度、こくりと頷き、アルトの瞳をじっと見つめ返した。
「僕が、故郷に残して来た……姉上が、幸せに過ごせているか」
それを知ることが出来たなら、と。口にしたリオの胸の内は、期待と不安に揺れている。
胸を不穏に高鳴らせながら、ぎゅっとアルトの袖を無意識に握り締めれば、その不安定な胸の内を酌んでくれたのだろうか。優しくリオの手に指を絡ませたアルトが、承知いたしました、と。どこまでも美しい声で囁いた。
「……できるの?」
「ええ、恐らくは。……申し訳ありませんが、しばらくお手をお貸りさせていただきますね」
きゅう、と。絡ませた指に微かな力を込めて、アルトが優しく笑う。何が起こるのか、何が必要なのか解らないリオがまごついている間にも。滞りなく何らかの準備を整えたアルトは、眩い夕焼け色の空にその白い手を翳した。
昨夜のように、彼の手から、赤い炎が音を立てて燃え上がる。リオは驚いたが、今回の炎は、彼が意図して呼び出したものであるらしい。周囲を照らす、熱を持たない炎はやがて、その中央に鏡のように平らな面を生み出した。
(? 何か、像が)
炎の揺らめきだけではない影をその面の中に見つけたリオが、目を凝らす。そうして、目を凝らさなくともはっきりと実像を結び始めたその影の詳細を認めて、リオは目を見開いた。
――リオが育った、人間の国の、小さな伯爵領。痩せた土地に建つ、石造りの灰色の領城。真冬の寒さを全て防いではくれなかったけれど、確かにリオを守ってくれていたその懐かしいシルエット。
驚きにパチパチと忙しなく瞬き、ついついアルトの顔を見上げてしまえば。優しく微笑んだアルトはリオの手に改めて指を絡ませ、灯す炎の色を変えた。
家を持たない領民が、一時でも雨風から逃れられるようにと。冬の間は解放され続けるはずの大門はまだ閉ざされたままだった。
(今年は、暖かかったのかな……)
リオが生け贄に差し出される前の、少なくとも五年間は。平年にまして厳しい寒さが領を苛んでいて。凍死者や餓死者を、一人でも少なくするために姉もリオも必死だったけれど。くすんだ色の門を磨く、どこか見慣れた老爺の手もまだかじかんではいないようだ。
魔法使いたちの華やかさとはかけ離れた、けれど懐かしい風景。
ふと、場面が切り替わり、暖かな暖炉の燃える広い部屋が映し出される。かつては母が使っていた、そして母が早逝して後は空き部屋となっていた――女主人の部屋。その部屋の暖炉の前に座る女性の姿を見て、リオは再び目を丸くする。
リオと同じ、青みを帯びた黒い髪。リオよりも幾許か明るい、湖畔のような翡翠の瞳。今は編み物に忙しいその指を濡らして、何度もリオの熱冷ましの濡れ布を交換してくれた。
「姉上」
思わず、声に出して呟いたリオが、身を乗り出す。そんなリオの反応を見て、目指すものを正確に捉えられたことを知ったのだろう。アルトが小さく微笑んだ。
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