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魔国編
6 精霊の泉
しおりを挟むリオンたちとバラバラになり誘導されるように進んだ
目の前が見えないと思っていたほどあった霧がサァーと風に吹かれて辺り一面晴れていく。そしてその先にあったのは見たことのある泉だった
「ここは……」
… ………精霊の泉 …
「っ !! 誰 !?」
… 私の名はリュミエール、光の大精霊 …
「光の大精霊…」
泉の底まで透けて通る綺麗な水の中には水草や珊瑚、小さな花々が沢山咲いていて、泉を照らすように木々の合間から光が指す
その光景は神秘的でとても綺麗でゲームのシーンでも見惚れたのを思い出す
実際に実物を見ると息を止めてしまうほどに綺麗だった
そんな光景、景色をじっと見つめていると、リンと鈴を転がしたような綺麗な女性の声が聞こえた
周りを見ても誰もいない…
驚き 誰 !? と聞けばさっきと同じ声で光の大精霊だと教えられ唖然とする
… 何故人の子がこの森に足を踏み入れたのですか …
「光の大精霊、リュミエール様…勝手に森に入ったこと申し訳ありません」
… それで …
「私がこの森に入ったのは魔石に封印された賢者の友である四神を開放するため、この地に導かれ来たのです」
… そうですか。ですが、今の私にはそのような力はありません …
「…それは勇者との約束に関係しているのでしょうか ?」
… 人の子よ。約束を覚えている者がいたのですね …
「勇者様に関する書物に…書いてありました」
… 貴女は彼女と同じ魂の光がありますね …
「…はい。私は賢者である彼女と同じ世界に生きていました」
… そう、だから貴女は約束のものを見つけ届けたのですね …
「約束のもの ??」
… 貴女の鞄の中にあるものです …
私は光の大精霊が言った言葉にもしかしてと思い鞄の中にしまっていたあの洞窟で見つけた月のペンダントを出した
普通の月のペンダントだったものが白銀に淡く輝いていることに少し驚きつつ、未だに姿見えない光の大精霊に見えるよう掌に乗せ胸の前で手を伸ばした
すると目の前に光が集まり人形になっていく
現れたその精霊は、サラリとした膝まである長い翠金髪の髪に翡翠の瞳、スラリとした長身に魅惑的な身体、その身体を包むように首のチョーカーから布が伸び胸を隠しウエスト部分は開放され背中を隠している布が腰の辺りで絞られ腰下はスリットのようなスカートになっていてスリットから見える足は脛上辺りまで黒い布で巻かれ紐で縛り付け足を隠している
重なった瞳から視線を外すことはできず私はただただ目の前の精霊に見とれていた
… ああ、帰ってきたのですね …
私からペンダントへ視線をずらし愛おしそうにペンダントを見つめ軽く撫で光の玉で包みこみ浮かせる
… 礼を言います。人の子よ …
「遅くなり申し訳ありません」
… いいえ、彼も命尽きる寸前まで確かに探していたのを知っています。その子孫も …
「ですが…」
… 何時しか忘れられてしまった。ですがこうして約束を守るものが表れました …
「…………」
… 私も此れで漸くあの子に会えます …
「…光の大精霊様、一つ聞いてもよろしいですか」
… 何でしょう …
ペンダントから視線を外し私を見つめ微笑んできた
光の大精霊に私はずっと気になっていたことを聞いた
何故、私だけがここに呼ばれのか
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