135 / 166
魔国編
7 月の精霊
しおりを挟む「…光の大精霊様、一つ聞いてもよろしいですか」
… 何でしょう …
ペンダントから視線を外し私を見つめ微笑んできた
光の大精霊に私はずっと気になっていたことを聞いた
「なぜ、私だけがこの場に呼ばれたのでしょうか」
… 貴女のみを呼んだのは約束のモノを持っていた事と、かつての彼女と同じ魔力と魂を感じたからです …
「同じ魔力と魂 ?」
… ええ、そうです …
「同じ時の魔力と、前世が同じ世界の魂…だからですか ?」
… そして同じ様に貴女の魂は輝いている …
「私の魂が…(前世オタクで清く無いと思います)」
… 共に来た者達は其々に濃い闇があります。今の私にはその闇は少々苦しかったのです …
「闇が… ? もしかしてそのペンダントの…」
… そうです。これでようやく私の友を呼べます …
光の大精霊が私から少し距離を取りペンダントを両手のひらの前に浮かせ魔力…否、マナを注ぎ呪文を呟き始めた
… 月の鍵よ 真の姿を私の前に解き放て 友の名は ルーナ …
光の大精霊が呪文を言い終わると月のペンダントが眩く光、辺り一面を真っ白に照らした
咄嗟に目を閉じ光が収まるころ薄っすらと瞼を開け光の大精霊の方を見れば
先程の女性の横に女性の2倍はあるだろう大きな虹色に輝く鳥が寄り添っていた
… ルーナ、会いたかったわ …
… ピュィー …
光の大精霊に寄り添い頭を撫でられてる鳥はルーナと言うらしい…
ゲームでは出てこないキャラであるため少し動揺したが、1つ思いついた精霊がいた
「月の…大精霊 ?」
… そうです。彼は月の大精霊ルーナ私がずっと探していた友です …
… ピューィ …
「何故、月の大精霊がペンダントになったのでしょうか ?」
… 月と陽が隠れ、地が闇に染まった時私とルーナは力を使うことができず其々やどれる物にやどりました …
「それが、先程の月のペンダントですか ?」
… ええ、そして勇者に托したのです。ですが、闇を多く宿していた娘にルーナは連れて去られ、マナも気配も全て感じられることができなくなりました …
「………」
… 勇者がすぐそのことに気づき探す事を約束しました。その時に私は勇者と契約し取引をしたのです …
「それは…」
… 勇者はルーナを見つける事、そして私はルーナが見つかるまでの間勇者の最も大切な者を守護する事 …
「もしかして賢者マオですか ?」
… そうです。そしてその約束を勇者は亡くなるその時まで、そして私は大切なものが亡くなるその時まで契約を果たしました …
「………」
私は寂しそうな顔をしている光の大精霊に何かを言うことはできなかった
勇者が何故そんな約束をしたのかとか、真緒さんがどんな思いでそれを承諾したのかとか…
私は真緒さんの事をほんの少ししか知らない、それも氷のように溶けて消えてしまうほどの小さい…
私はなんと返せばいいのか、自分が何を聞けばいいのかな分からなくなった
鞄に入っている四神の魔石を布越しにゆっくり撫でる。私が唯一彼女の事で言えるのは彼等を任された事…
彼等、四神の事も聞きたいのにどう聞いたらいいかわからなくて悩んでいた
ガサ…ガサ…パキッ
不意に後ろから音がし振り向くとそこには…
先程まで居なかったはずの人が無表情でこちらを見ていた
0
お気に入りに追加
4,182
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる