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魔国編
7 月の精霊
しおりを挟む「…光の大精霊様、一つ聞いてもよろしいですか」
… 何でしょう …
ペンダントから視線を外し私を見つめ微笑んできた
光の大精霊に私はずっと気になっていたことを聞いた
「なぜ、私だけがこの場に呼ばれたのでしょうか」
… 貴女のみを呼んだのは約束のモノを持っていた事と、かつての彼女と同じ魔力と魂を感じたからです …
「同じ魔力と魂 ?」
… ええ、そうです …
「同じ時の魔力と、前世が同じ世界の魂…だからですか ?」
… そして同じ様に貴女の魂は輝いている …
「私の魂が…(前世オタクで清く無いと思います)」
… 共に来た者達は其々に濃い闇があります。今の私にはその闇は少々苦しかったのです …
「闇が… ? もしかしてそのペンダントの…」
… そうです。これでようやく私の友を呼べます …
光の大精霊が私から少し距離を取りペンダントを両手のひらの前に浮かせ魔力…否、マナを注ぎ呪文を呟き始めた
… 月の鍵よ 真の姿を私の前に解き放て 友の名は ルーナ …
光の大精霊が呪文を言い終わると月のペンダントが眩く光、辺り一面を真っ白に照らした
咄嗟に目を閉じ光が収まるころ薄っすらと瞼を開け光の大精霊の方を見れば
先程の女性の横に女性の2倍はあるだろう大きな虹色に輝く鳥が寄り添っていた
… ルーナ、会いたかったわ …
… ピュィー …
光の大精霊に寄り添い頭を撫でられてる鳥はルーナと言うらしい…
ゲームでは出てこないキャラであるため少し動揺したが、1つ思いついた精霊がいた
「月の…大精霊 ?」
… そうです。彼は月の大精霊ルーナ私がずっと探していた友です …
… ピューィ …
「何故、月の大精霊がペンダントになったのでしょうか ?」
… 月と陽が隠れ、地が闇に染まった時私とルーナは力を使うことができず其々やどれる物にやどりました …
「それが、先程の月のペンダントですか ?」
… ええ、そして勇者に托したのです。ですが、闇を多く宿していた娘にルーナは連れて去られ、マナも気配も全て感じられることができなくなりました …
「………」
… 勇者がすぐそのことに気づき探す事を約束しました。その時に私は勇者と契約し取引をしたのです …
「それは…」
… 勇者はルーナを見つける事、そして私はルーナが見つかるまでの間勇者の最も大切な者を守護する事 …
「もしかして賢者マオですか ?」
… そうです。そしてその約束を勇者は亡くなるその時まで、そして私は大切なものが亡くなるその時まで契約を果たしました …
「………」
私は寂しそうな顔をしている光の大精霊に何かを言うことはできなかった
勇者が何故そんな約束をしたのかとか、真緒さんがどんな思いでそれを承諾したのかとか…
私は真緒さんの事をほんの少ししか知らない、それも氷のように溶けて消えてしまうほどの小さい…
私はなんと返せばいいのか、自分が何を聞けばいいのかな分からなくなった
鞄に入っている四神の魔石を布越しにゆっくり撫でる。私が唯一彼女の事で言えるのは彼等を任された事…
彼等、四神の事も聞きたいのにどう聞いたらいいかわからなくて悩んでいた
ガサ…ガサ…パキッ
不意に後ろから音がし振り向くとそこには…
先程まで居なかったはずの人が無表情でこちらを見ていた
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