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24話
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「……」
(短期戦が得意で重い武器を使う…)
治療テントで怪我の治療を受けている間、頭の中で考える。グリード族の戦い方はなんとなく想像がついてしまう。だが実際に、どのような武器が使われているのかまだ分からない。
黙々と治療に専念している軍医に少しでも情報を聞き出そうと話しかける。
「あの…」
「………。」手を動かしながら視線だけを俺に向ける。
「グリード族は…主にどの様な武器を使っているんでしょうか?」
「………。」軍医は黙り込んで視線を下げる。
(教えてくれないか…)
諦めて今後の作戦を考えようとした時、黙り込んでいた軍医が口を開いた。
「普通の武器だよ」
「……え…?」
「普通の武器で戦ってる。よく短期戦が得意で重い武器を使っていると言われているが…半分嘘で半分本当だ。」
「……」
「短期戦が得意なのは確かだ。だが、重い武器は使っていない。槍や剣、盾を使っている。」
「……何故……お「恐れられているのかって?」
コクンと素直に頷く。
「彼らの中にある残虐性がそう呼ばれてるんだ…。君もここに来る時、通ってみただろ?首の無い兵士の死体を…。彼らに命乞いをした所で無駄だ。追い詰められた兵士は死を待ち望むことしか出来ない。彼らの残虐性を知らない者たちが重い武器を使っているという嘘情報を流して定着してしまったんだ。」
軍医は顔を俯かせたまま目を閉じている。
「…そうなんですね」
俺は、本当かどうか分からない噂を鵜呑みにしてたのかと反省をする。
「さぁ、次は上の服を脱いでくれ」
話し終えた軍医が顔を上げ、目を合わせながら言ってきたので俺は驚き目を見開いた。
「……何故ですか?」理由を尋ねると、軍医が俺のある1箇所に視線を送りながら指を指した。
「あっ……」軍医の指の刺した方向に視線を向けると、脇腹から血が滲んでいた。
「治療してやるから脱いでくれ」黙々と治療準備を行う軍医。
「……」俺は言葉の意味を履き違え、羞恥心で急いで服を脱ぐ。
服を脱ぐと、脇腹の皮膚は酷い炎症を起こしていた。傷口周りが赤黒く出血の痕があった。
「応急処置はされているが、これは酷いな。痛くなかったのか…?」傷口の具合を見る為に軍医が触れる。
「意識しない様にしていれば、痛みは感じなかったです。っ……、」傷口を触れられていると意識した途端、痛みが強くなり俺は顔を歪ませた。
「これを放置して明日の戦場に立とうとするのはやめておけ。私が気付かなければ、彼らの格好の的だぞ。死んで帰りたくないだろ…。」軍医は怒りながらも丁寧に素早く治療を施してくれた。
「……気をつけます」と心で反省をしながら素直に軍医の言葉に頷いた。
(短期戦が得意で重い武器を使う…)
治療テントで怪我の治療を受けている間、頭の中で考える。グリード族の戦い方はなんとなく想像がついてしまう。だが実際に、どのような武器が使われているのかまだ分からない。
黙々と治療に専念している軍医に少しでも情報を聞き出そうと話しかける。
「あの…」
「………。」手を動かしながら視線だけを俺に向ける。
「グリード族は…主にどの様な武器を使っているんでしょうか?」
「………。」軍医は黙り込んで視線を下げる。
(教えてくれないか…)
諦めて今後の作戦を考えようとした時、黙り込んでいた軍医が口を開いた。
「普通の武器だよ」
「……え…?」
「普通の武器で戦ってる。よく短期戦が得意で重い武器を使っていると言われているが…半分嘘で半分本当だ。」
「……」
「短期戦が得意なのは確かだ。だが、重い武器は使っていない。槍や剣、盾を使っている。」
「……何故……お「恐れられているのかって?」
コクンと素直に頷く。
「彼らの中にある残虐性がそう呼ばれてるんだ…。君もここに来る時、通ってみただろ?首の無い兵士の死体を…。彼らに命乞いをした所で無駄だ。追い詰められた兵士は死を待ち望むことしか出来ない。彼らの残虐性を知らない者たちが重い武器を使っているという嘘情報を流して定着してしまったんだ。」
軍医は顔を俯かせたまま目を閉じている。
「…そうなんですね」
俺は、本当かどうか分からない噂を鵜呑みにしてたのかと反省をする。
「さぁ、次は上の服を脱いでくれ」
話し終えた軍医が顔を上げ、目を合わせながら言ってきたので俺は驚き目を見開いた。
「……何故ですか?」理由を尋ねると、軍医が俺のある1箇所に視線を送りながら指を指した。
「あっ……」軍医の指の刺した方向に視線を向けると、脇腹から血が滲んでいた。
「治療してやるから脱いでくれ」黙々と治療準備を行う軍医。
「……」俺は言葉の意味を履き違え、羞恥心で急いで服を脱ぐ。
服を脱ぐと、脇腹の皮膚は酷い炎症を起こしていた。傷口周りが赤黒く出血の痕があった。
「応急処置はされているが、これは酷いな。痛くなかったのか…?」傷口の具合を見る為に軍医が触れる。
「意識しない様にしていれば、痛みは感じなかったです。っ……、」傷口を触れられていると意識した途端、痛みが強くなり俺は顔を歪ませた。
「これを放置して明日の戦場に立とうとするのはやめておけ。私が気付かなければ、彼らの格好の的だぞ。死んで帰りたくないだろ…。」軍医は怒りながらも丁寧に素早く治療を施してくれた。
「……気をつけます」と心で反省をしながら素直に軍医の言葉に頷いた。
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