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7対決
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笑いながら、神野は俺に近づいてくる。
「ついにSRは倒しましたよ」
そう言って歩いてくる神野の足は天井からの灯りに光る部分ができていたのだ。それは、金属でできている証しであった。こいつは神野じゃない。俺は拳銃をかまえ、神野の胸に向かって撃った。だが、神野は倒れない。撃った弾は、キーンキーンという音をたてはじき飛ばされていた。拳銃の弾では、SRを斃す威力がないのだ。それでも弾のひとつが神野の手に当たり、持っていたライフルを弾き飛ばし、通路の床に転がしていた。俺に正体が見抜かれたからだろうか? 神野の姿が変わり出した。すべてを金属体に変えたのだ。
すると、金属体の胸が左右に開き、そこから銃口が付き出されたのだ。すぐに空間を切り裂くような音がした。連続弾が撃ちだされたからだ。銃弾は俺の腹に横一線の縫い目を作り、体ごと五メートル吹き飛ばしていた。すぐに俺は動けなく無くなった。
金属体は、俺をしばらくの間、穴のような眼で見つめていた。この時には、俺の心臓は完全に止まっていた。金属体は俺の右手をつかみズルズルと通路を引きずる。給湯室を見つけると、その中に俺を放り込んだ。給湯室の床に俺が丸まり続けているのを確かめてから、再び神野の姿になり給油室から離れていった。
第3の眼の視界から神野の姿が消えると、俺の中の寄生体が活動を始めた。まず俺の心臓をふたたび動かし出した。そして、俺の背中から無数の触手が生まれた。触手は俺の背中の服をとかし隙間を作り、リュックにも無数の穴を開け、リュックの中にある肉に入り込んでいった。触手は、肉をとかしアミノ酸にすると、それを吸い込み、俺の体の中に取り込みだしたのだ。そして、そのアミノ酸を使って、銃弾で壊された肉体を補修し、穴を塞ぎ出していた。
俺が給湯室に運ばれてから、20分ほど経っていた。すると、俺の意識はふたたび俺に戻ってきたのだ。
「ちきしょう。やりやがった」
俺は立ちあがった。殺人マシンと化した神野を、いやSRをこのままにして置くわけにはいかない。俺は通路を歩き、転がっていたライフルを持ち上げる。手にしたライフルを確かめると装着されたマグナム弾が残っていた。
ライフルを手に次から次へと部屋を見て歩いた。
すると、その部屋では、掃除婦の女が床にワックスをかけていたのだ。こんな時間に掃除婦がいることがありえるのだろうか? 俺の中に疑問が浮かんだ。ゆっくりと俺はライフルの引き金に指をかけながら女を見つめた。
第三の眼のおかげで、俺は部屋の真後ろも同時に見えている。俺の真後ろは事務用の机や椅子が置かれているだけのはずだった。だが、その机や椅子が陽炎のように揺れていたのだ。
バカな、俺が見ているのはリアル(実態)ではないのか?
揺れの中に、二つの点が見え出した。間違いな眼だ。金属体がいる。俺はライフルを後ろから見えないように隠し、銃口を自分の体にむけて撃った。それも心臓の少し上だ。こんな場所から銃弾がくると思う者はいない! 俺の体を貫いた銃弾は、揺らぐ机に見えていた右眼を撃ち抜いていた。
ギャッツという、獣のような叫び声があがった。同時に、俺の二つの眼の前に見えていた掃除婦の女が消えた。女はSRが見せていた幻影だったのだ。俺の後ろの揺れもとまり、金属体に戻ったSRが現れた。SRは、穴があいた頭を振りながら部屋から飛び出していった。俺もSRを追って部屋からでた。通路には点々とSRの体から漏れて出てきたオイルの滴跡がついていた。
だが、俺はSRの後をもう追うことができなかった。それは、俺の胸にも穴が開いていたからだ。俺はくずれるように通路の床に倒れて行った。
「ついにSRは倒しましたよ」
そう言って歩いてくる神野の足は天井からの灯りに光る部分ができていたのだ。それは、金属でできている証しであった。こいつは神野じゃない。俺は拳銃をかまえ、神野の胸に向かって撃った。だが、神野は倒れない。撃った弾は、キーンキーンという音をたてはじき飛ばされていた。拳銃の弾では、SRを斃す威力がないのだ。それでも弾のひとつが神野の手に当たり、持っていたライフルを弾き飛ばし、通路の床に転がしていた。俺に正体が見抜かれたからだろうか? 神野の姿が変わり出した。すべてを金属体に変えたのだ。
すると、金属体の胸が左右に開き、そこから銃口が付き出されたのだ。すぐに空間を切り裂くような音がした。連続弾が撃ちだされたからだ。銃弾は俺の腹に横一線の縫い目を作り、体ごと五メートル吹き飛ばしていた。すぐに俺は動けなく無くなった。
金属体は、俺をしばらくの間、穴のような眼で見つめていた。この時には、俺の心臓は完全に止まっていた。金属体は俺の右手をつかみズルズルと通路を引きずる。給湯室を見つけると、その中に俺を放り込んだ。給湯室の床に俺が丸まり続けているのを確かめてから、再び神野の姿になり給油室から離れていった。
第3の眼の視界から神野の姿が消えると、俺の中の寄生体が活動を始めた。まず俺の心臓をふたたび動かし出した。そして、俺の背中から無数の触手が生まれた。触手は俺の背中の服をとかし隙間を作り、リュックにも無数の穴を開け、リュックの中にある肉に入り込んでいった。触手は、肉をとかしアミノ酸にすると、それを吸い込み、俺の体の中に取り込みだしたのだ。そして、そのアミノ酸を使って、銃弾で壊された肉体を補修し、穴を塞ぎ出していた。
俺が給湯室に運ばれてから、20分ほど経っていた。すると、俺の意識はふたたび俺に戻ってきたのだ。
「ちきしょう。やりやがった」
俺は立ちあがった。殺人マシンと化した神野を、いやSRをこのままにして置くわけにはいかない。俺は通路を歩き、転がっていたライフルを持ち上げる。手にしたライフルを確かめると装着されたマグナム弾が残っていた。
ライフルを手に次から次へと部屋を見て歩いた。
すると、その部屋では、掃除婦の女が床にワックスをかけていたのだ。こんな時間に掃除婦がいることがありえるのだろうか? 俺の中に疑問が浮かんだ。ゆっくりと俺はライフルの引き金に指をかけながら女を見つめた。
第三の眼のおかげで、俺は部屋の真後ろも同時に見えている。俺の真後ろは事務用の机や椅子が置かれているだけのはずだった。だが、その机や椅子が陽炎のように揺れていたのだ。
バカな、俺が見ているのはリアル(実態)ではないのか?
揺れの中に、二つの点が見え出した。間違いな眼だ。金属体がいる。俺はライフルを後ろから見えないように隠し、銃口を自分の体にむけて撃った。それも心臓の少し上だ。こんな場所から銃弾がくると思う者はいない! 俺の体を貫いた銃弾は、揺らぐ机に見えていた右眼を撃ち抜いていた。
ギャッツという、獣のような叫び声があがった。同時に、俺の二つの眼の前に見えていた掃除婦の女が消えた。女はSRが見せていた幻影だったのだ。俺の後ろの揺れもとまり、金属体に戻ったSRが現れた。SRは、穴があいた頭を振りながら部屋から飛び出していった。俺もSRを追って部屋からでた。通路には点々とSRの体から漏れて出てきたオイルの滴跡がついていた。
だが、俺はSRの後をもう追うことができなかった。それは、俺の胸にも穴が開いていたからだ。俺はくずれるように通路の床に倒れて行った。
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