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8病室
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自分でつけた傷だが、このままでは生きてはいけない。自分の体なのにまるで動けない。だが、俺の体の中で何かが動いているのがわかる。寄生体だ。寄生体は俺を再生させるために、再び触手をつくりだしリュックの中にある肉からアミノ酸をとりこもうとしていた。だが、先ほどの怪我から復元させるためにほとんど肉を使いはたしてしまっている。残っている肉だけでは俺を完全に復元させることはできない。寄生体は俺の命がつなげるように復元をさせたが、体に空いた穴を完全にふさぐことができなかった。俺はふたたび眠りの中に落ちて行った。
俺が眼を開けた時、俺はベッドに寝ていた。明かりのついた天井を見あげ、ここは病室であることにすぐに気が付いた。点滴のビンが何本も吊り下げられ、それらに接続しているチューブが伸び俺の体に針で突き刺さっていた。
何度か、医者や看護師たちが、俺を見に来ていた。少なくとも、まだ俺が死なないでいることはわかったようだ。だが、普通の人間ならば、すでに死んでいた。だが、俺は死なず井いた。そんな時に、二人の男が俺を訪ねてきた。二人とも上下にスーツを着ていた。どこにでもいるサラリーマンのようにしか見えない。年上の男だけは、名前と地位について、俺に名乗った。彼は山浦総務課長だった。
「この度は、いろいろ苦労をかけたね。お蔭でSRはお台場の埠頭から東京湾に落ちて行ったよ。時間はかかるかもしれないが、後は海の底で錆びてもらうしかない。これも、君の活躍があればこそだ」
そう言ってから、山浦はSRとの闘いの様子を詳細に聞いてきた。俺は聞かれるままに、いろいろと話してやった。だが、寄生体のやったことだけは話をしていない。そもそも信じてもらえないと思っている。いや、それを話すことは俺を窮地に落とすだけだと、分かっているからだ。話を聞き終わった山浦は、後ろについていた若い男の方を振り返った。男は手にもっていたカバンから、A5版の大きさの紙一枚を取り出し、それを山浦に渡した。山浦はそれを手に持って一度眼を通してから、今度は俺に手渡した。
俺はベッドに寝たままで、その紙を受け取った。
その紙は辞令だった。それも元の部署に戻る異動辞令だった。
「これは、なんですか?」
「あなたにお願いをした仕事は終わりました。ですから、もとの職場に戻ってもらうことにしたわけです」
「ふ~ん」と、俺は鼻を鳴らしていた。
「まず、前もって申し上げときますが、SRに関わる全てのこと、これは極秘事項です。マスコミ、いや誰にもお話しにはならないでいただきたい」
「分かっている。俺は警官だよ。守秘義務があることぐらい知っているさ」
山浦は、口角をあげて笑っていた。俺からよけいなことを言わないという一札を手に入れたからだ。
「それに、これだけ体を痛めると、しばらく療養する時間が必要かもしれませんな。ともかく一日も早く体を直して、前の職場で活躍をしていただきたいと思っております」
そう言って総務課長は俺に頭をさげ、若い男をつれて病室を出ていった。
「ここで、俺がくたばるとでも思っているのか、それとも身体障碍で動けなくなると思っているのかい」
俺の中に怒りが噴き出していた。俺は体についていたチューブを片っ端に引き抜いて、ベッドからおりた。
「ゾンビ―には肉が必要なんだよ」
俺は乾いた笑い声をたてていた。枕元のケージに入っていた服から財布を手につかむと寝間着のままで病室を出た。
街中を歩き廻ったが、焼肉屋を見つけることができない。さらに歩くと、並ぶ店の中にケンタッキーが見えてきた。チキンの肉で十分だ。すぐに俺は飛び込んでいった。カウンターの受付には注文をするためのお客が五人並んでいた。順番は守らなければならない。俺はイライラしながら、彼らの後ろについていた。やがて番がくると俺はすぐに注文をした。
「ここで食べて行く。フライドチキン、まずは五十ピース」
女店員は「えっ」と声をあげ、驚いた顔をして俺を見つめた。
俺が眼を開けた時、俺はベッドに寝ていた。明かりのついた天井を見あげ、ここは病室であることにすぐに気が付いた。点滴のビンが何本も吊り下げられ、それらに接続しているチューブが伸び俺の体に針で突き刺さっていた。
何度か、医者や看護師たちが、俺を見に来ていた。少なくとも、まだ俺が死なないでいることはわかったようだ。だが、普通の人間ならば、すでに死んでいた。だが、俺は死なず井いた。そんな時に、二人の男が俺を訪ねてきた。二人とも上下にスーツを着ていた。どこにでもいるサラリーマンのようにしか見えない。年上の男だけは、名前と地位について、俺に名乗った。彼は山浦総務課長だった。
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そう言ってから、山浦はSRとの闘いの様子を詳細に聞いてきた。俺は聞かれるままに、いろいろと話してやった。だが、寄生体のやったことだけは話をしていない。そもそも信じてもらえないと思っている。いや、それを話すことは俺を窮地に落とすだけだと、分かっているからだ。話を聞き終わった山浦は、後ろについていた若い男の方を振り返った。男は手にもっていたカバンから、A5版の大きさの紙一枚を取り出し、それを山浦に渡した。山浦はそれを手に持って一度眼を通してから、今度は俺に手渡した。
俺はベッドに寝たままで、その紙を受け取った。
その紙は辞令だった。それも元の部署に戻る異動辞令だった。
「これは、なんですか?」
「あなたにお願いをした仕事は終わりました。ですから、もとの職場に戻ってもらうことにしたわけです」
「ふ~ん」と、俺は鼻を鳴らしていた。
「まず、前もって申し上げときますが、SRに関わる全てのこと、これは極秘事項です。マスコミ、いや誰にもお話しにはならないでいただきたい」
「分かっている。俺は警官だよ。守秘義務があることぐらい知っているさ」
山浦は、口角をあげて笑っていた。俺からよけいなことを言わないという一札を手に入れたからだ。
「それに、これだけ体を痛めると、しばらく療養する時間が必要かもしれませんな。ともかく一日も早く体を直して、前の職場で活躍をしていただきたいと思っております」
そう言って総務課長は俺に頭をさげ、若い男をつれて病室を出ていった。
「ここで、俺がくたばるとでも思っているのか、それとも身体障碍で動けなくなると思っているのかい」
俺の中に怒りが噴き出していた。俺は体についていたチューブを片っ端に引き抜いて、ベッドからおりた。
「ゾンビ―には肉が必要なんだよ」
俺は乾いた笑い声をたてていた。枕元のケージに入っていた服から財布を手につかむと寝間着のままで病室を出た。
街中を歩き廻ったが、焼肉屋を見つけることができない。さらに歩くと、並ぶ店の中にケンタッキーが見えてきた。チキンの肉で十分だ。すぐに俺は飛び込んでいった。カウンターの受付には注文をするためのお客が五人並んでいた。順番は守らなければならない。俺はイライラしながら、彼らの後ろについていた。やがて番がくると俺はすぐに注文をした。
「ここで食べて行く。フライドチキン、まずは五十ピース」
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