【完結】聖女ディアの処刑

三月

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閑話前編/信者絶賛募集中!

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これは、女神ディアマンティアナが人間界に降りる前のお話。




「やっほ~!豊穣と癒しの女神、ディアマンティアナだよ!今日は業務用マーケットで爆買いしてみました!『上半期買ってよかったグッズ・ベストテン』も一緒に発表するから、最後まで動画見てね~!」

そこまで喋り、ディアマンティアナは押し黙った。

ここは天の国の一角。
ディアマンティアナ神の居住区域である。

ディアマンティアナは、ひとりで巨大な水盤に向かって話しかけていたのだが、途中で止めてしまった。

「う~ん、なんか迷走してる気がする……信者ってこういうので増えるんだっけ?」

彼女は今、信者フォロワーの伸び悩みに直面していたのだ。

ディアマンティアナは、わりと新しい女神だった。

そして、人の子たち――いわゆる人間のことが大好きな女神でもあった。

人間は、姿形が神々に似ているけれど、小さくて、賢くて、とても可愛い生き物だ。

そんな生き物が、どうやら自分たちのことをすごく好いてくれている。自分たちを褒め称える教会や聖堂を建ててくれて、カッコいい彫像とか絵画の題材にしてくれて、もちろん武勇伝を語り継いでくれて、立派な本にまとめてくれる。

ただ、その本――大聖典と呼ばれる本には、ディアマンティアナのことはちょっぴりしか載っておらず、それが信者獲得のネックになっているみたいなのだ。

「だって、こんなに分厚くて上巻・中巻・下巻まであるのに、わたしの名前は3回くらいしか出てこないもん。こんなにネームバリュー低かったら、みんな信仰フォローしてくれないよね……」

大聖典が出版されてから、ディアマンティアナの主神パパや、バベルニアに眠る七柱の怪物たちや、永遠を統べる不死の君主あたりの信仰は爆発的に増えた。

増えた理由は、大聖典でたくさんページが割かれているとか、男心をくすぐるカッコいいエピソードがあるからだ。いいなあ。

ディアマンティアナはそれが羨ましかった。

大好きな人間に、わたしももっと好かれたい。もっと信仰してほしい。そう思っていたのだ。

「どうしたらいいのかな。キャラ被ってる同業者もいるし、豊穣や癒しっていう強みなら精霊を信仰してる国の方が多いし。わたしだって頑張ってるんだけどな~。新しい草花を作ったり、お天気を微調整したりしてるのにな~。誰かが『シン・大聖典』とか作って、わたしのこといっぱい載せてくれないかな~」

そんなとき、ディアマンティアナは見つけてしまった。自分をメインに信仰してくれている人間の国を。
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