上 下
10 / 22
始まりの街ゴスル

EX(エクストラ)ダンジョン!!

しおりを挟む
 料理を食べ終えて泊まっている部屋に戻り、寝た。

 翌日、24時間きっちり寝た睡月はローリンに挨拶をして街を出ていく。

「今日もボア狩りかな?どうやらローリンさん以外にも買い取ってくれる所は結構あるようだし」

 昨日ローリンとした会話を思い出す。

 ローリンが経営している『始まりの宿』以外にも宿屋はいくつかあり、料理屋もある。

 ボアの肉は需要が結構あるため、買い取ってくれる場所は多い。

 それなりに儲かるだけあって、お金を稼ぎたい睡月がボアを狩らない理由はなかった。

「ボア狩りじゃぁ!!」

【睡拳】を発動させ森の中へ入っていきボアを殴る、蹴る、叩き潰す、吹き飛ばす。

 しばらくしてある異変に気づいた睡月は目を覚ます。

「ここの風の流れ昨日はなかったよ?なんだろう?」

 昨日にはなかった風の流れを感じながら、違和感のある方へと進む。

「.....なんだこの洞窟。昨日にはなかったぞ」

 少し進むと洞窟があった。

 風の流れが変わっていたのはこの洞窟があったかららしい。

「面白そうだし入ってみよっと」

 興味本位で洞窟へ足を踏み入れる。

EXエクストラダンジョン、ボアの復讐を開始します』

 洞窟へ入ると突然アナウンスが流れた。

「え?え?なんか始まったんだけど?!」

 急に流れたアナウンスに焦る睡月。

 「「「「「「「「プギャー!!」」」」」」」」

 するとそこに、鳴き声を上げながら突進してくるボアの群れ.....波が押し寄せてくる。
 
「うわ、きめぇ!!これを全部倒せばいいんでしょ!!」

 素早く【睡拳】を発動させ、ボアを迎撃する。

EXエクストラダンジョン。

 ある一定の条件を満たすと発生するゲリライベントだ。

 条件には色々とあり、STRが武器、防具なしで10000を超えるやあるモンスターをほかのモンスターを一切倒さずに倒し続けるなど、色々とある。

 今回の条件は他のモンスターを一切倒さずにボアを600体倒す、というものだった。

 睡月は効率よくボアの肉を集めるために、ボア以外のモンスターは全て無視していた。

 その結果、条件を達成していたのだ。

 さらにこのEXエクストラダンジョンは難易度がとても高い。

 普通にプレイしている人では到底クリア出来ない程の難易度なのだ。

 しかも1回でも死亡して神殿送りにされると、再度挑戦は出来ない。

 睡月はそんなダンジョンに挑戦していた。

「「「「プギャー!!」」」」

 枕を一振する度に何体ものボアが吹き飛びポリゴンになっていく。

【睡拳】によりステータスが全て5倍になっているからできる芸当だ。

 だが、ボアの波は止まらない。

 睡月は寝ているため見えていないが、学校の体育館程の広さの空間に2000体ものボアがいるのだ。

 気持ち悪い以外のなにものでもない。

 まだ寝ながら魔法を使う練習をしていないので魔法は使えない。

 全て物理攻撃だ。

『Lvが上がりました。Lvポイントが3増えました』

 何度目かのLvアップのアナウンスが流れる。

 ボアの数は半分程に減っていた。

「.....ふぁ、埒が明かないな。....よし」

 自分の周りにいるボア達を吹き飛ばした所で、一旦目覚める。

 ボア達はまだすぐそこだ。

「ステータスを全部平等に上げてっと」

 ボア達が迫ってくる僅かな時間でステータスを振り分ける。

アリス

Lv21

HP 55/55

MP 39/39

STR 47(+7)

VIT 48(+4)

AGI 46(+4)

DEX 49(+3)

INT  48

MND 50(+4)

【装備】

頭【パジャマセット(頭)】

体【パジャマセット(体)】

足【パジャマセット(足)】

靴【パジャマセット(靴)】

【武器】

【黒色の枕】【初心者の短剣】

【装飾品】

【無し】【無し】【無し】

スキル

【眠りの聖域】【睡拳】【睡眠回復】
「魔法【火属性】【水属性】【風属性】【土属性】【光属性】【闇属性】【氷属性】【雷属性】【聖属性】【暗黒属性】【空間属性】」

Lvポイント 0

「これでよしっと」

 ステータスを上げきった睡月は再び眠り、【睡拳】を発動する。

 ステータスが1上がる度に【睡拳】をつかえば5上がったことになる。

 Lvが1上がりそのLvポイントを全部ぶち込んでも、上がるステータスは4だ。

 いかに【睡拳】が睡月の生命線かがよくわかる。

 その分使いこなすのがとても難しく、取得も難しいのでバランスがとれていると言えばとれている。

 ステータスを上げた睡月に蹂躙されていくボア達。

 無双ゲーとはまさにこの事だ。

 しばらくしてボアの群れを倒しきった睡月は、目を覚ます。

「.....ふぁ、疲れたよ」

 アイテムボックスを確認するとボアの肉が2000以上たまっていた。

「これ売りさばけるのかな?」

 流石にまとめて2000ものボアの肉を買ってくれる場所はない。

 ローリンの宿では350近く買ってもらったが、かなり無理してもらっているのは分かっていた。

 せいぜい1箇所で100売れれば良い方だろう。

「うーん流石にローリンさんにまた買ってもらうのもなぁ....」

 なんやかんや世話になっているのだ。

 料理はほぼタダだし、宿代だっておまけしてもらっている。

 これ以上迷惑はかけたくなかった。

 そのローリンはと言うと、睡月を見ることが心の癒しとなっているので全く迷惑だとは思っていないのだが。

「そうだな....ローリンさんにタダでちょこちょことあげよっかな」

 ボアの肉をどうするか考えていると

「ブモォォォォォォォォォ!!」

 そこには普通のボアの5、6倍はあるであろう馬鹿でかいボアがいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り

星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 注意事項 ※主人公リアルチート 暴力・流血表現 VRMMO 一応ファンタジー もふもふにご注意ください。

現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
この作品は 旧題:金運に恵まれたが人運に恵まれなかった俺は、現実逃避するためにフルダイブVRゲームの世界に逃げ込んだ の内容を一部変更し修正加筆したものになります。  宝くじにより大金を手に入れた主人公だったが、それを皮切りに周囲の人間関係が悪化し、色々あった結果、現実の生活に見切りを付け、溜まっていた鬱憤をVRゲームの世界で好き勝手やって晴らすことを決めた。  そして、課金したりかわいいテイムモンスターといちゃいちゃしたり、なんて事をしている内にダンジョンを手に入れたりする主人公の物語。  ※ 異世界転移や転生、ログアウト不可物の話ではありません ※  ※修正前から主人公の性別が変わっているので注意。  ※男主人公バージョンはカクヨムにあります

生産職から始まる初めてのVRMMO

結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。 そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。 そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。 そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。 最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。 最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。 そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。

運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜

斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。 ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。 「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」 とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。 それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて... どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー 一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。 作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

いや、一応苦労してますけども。

GURA
ファンタジー
「ここどこ?」 仕事から帰って最近ハマってるオンラインゲームにログイン。 気がつくと見知らぬ草原にポツリ。 レベル上げとモンスター狩りが好きでレベル限界まで到達した、孤高のソロプレイヤー(とか言ってるただの人見知りぼっち)。 オンラインゲームが好きな25歳独身女がゲームの中に転生!? しかも男キャラって...。 何の説明もなしにゲームの中の世界に入り込んでしまうとどういう行動をとるのか? なんやかんやチートっぽいけど一応苦労してるんです。 お気に入りや感想など頂けると活力になりますので、よろしくお願いします。 ※あまり気にならないように製作しているつもりですが、TSなので苦手な方は注意して下さい。 ※誤字・脱字等見つければその都度修正しています。

モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件

こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。 だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。 好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。 これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。 ※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ

処理中です...