沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜

雪雪ノ雪

文字の大きさ
4 / 22
始まりの街ゴスル

寝る!!

しおりを挟む
 睡月は、噴水のある広場に転送された。

 早速宿を探そうとして気づく。

「アスルの奴、マップについて何も言ってなかったぞ...さてはアスルの奴説明するのを忘れてたな」

 まさにその通りである。

 ログアウトする時にもう一度会うので、問いただそうと心に決め、メニューからヘルプを開く。

 ヘルプを開くと、マップについての説明があった。

 説明通りに設定をし、視界の右上にマップを表示する。

「始まりの街ゴスルか。取り敢えず宿はどこかなっと」

『Second World Online』のマップは街の中なら検索をかけることが出来る。

 さすがに、人探しのクエストでその人を検索するというような事はできないが、街の宿を探すぐらいならできるのだ。

 宿を検索し、検索した結果を元に宿へ向かう。

 しばらく歩くと、宿が見えてきた。

「ここが、『始まりの宿』か。名前に捻りがないな~」

 そんなことを言いながら宿へ入っていく。

「いらっしゃい!!」

 宿に入ると、短い茶髪と青い目、身長は少し大きめの170cm程の優しいお姉さんという印象を受ける女の人だ。

 そして何より目を引くのが、大きい胸。

(ない方が、寝やすいからいいもん)

 女の人の胸を見て、自分の胸を見て、女の人の胸を見て、を数回繰り返して睡月はそんなことを思う。

 少し悲しい気持ちになったのは、気のせいだと思いたい睡月だった。

「ふふっ、可愛い子だね。私はローリン。この『始まりの宿』のオーナーさ」

 自己紹介をしながら握手を求めるローリン。

「....私は、すいg....じゃなかった、アリス。私はアリスだよ。よろしく」

 危うくリアルの名前を言いそうになる。

 睡月はローリンと握手をした。

「むぐっ?!」

 一瞬何が起きたか分からなかった。

 柔らかい何かが睡月の顔に押し付けられている。

 どうやら握手をした時にそのまま抱きつかれたようだ。

「はぁ~、可愛いねぇ~。私は妹が欲しかったんだけど、残念ながら弟でね。あなたみたいな子が妹ならな~」

 抱きつきながら独り言を始めるローリン。

(だからって抱きつくな!!あっやべぇ息が.....)

~しばらくお待ちください~

「いや~、ごめんね。私ったらついつい」

 あはは、と笑いながら謝るローリン。

(まさか最初に受けるダメージが、抱きつかれて窒息だとは....)

 疲れた顔をしながら、問題ないよと手を振る。

「代わりと言ってはなんだけど、宿代は半額にしおくよ」

 睡月は、ゲームを始めてすぐこの宿に来たのでお金はあまり持ってない。

 窒息したかいがあったというものだ。

「幾らなの?」

「1泊300ゴールドなんだけどそこを2泊300ゴールドにしてあげよう!!」

 このゲームの通貨はゴールドという単位だ。

 ゲームを始めてすぐは3000ゴールド支給される。

「分かった。じゃぁ、2泊300ゴールドでよろしく」

 そう言ってアイテムボックスから300ゴールドを取り出し、ローリンに渡す。

「まいど!!これが部屋の鍵ね。部屋は2階だよ」

 睡月は、言われた通り2階へ上がり、渡された鍵についてる番号と同じ番号が割り振られている部屋へ入る。

 部屋に入ると、ベットが部屋の隅に1つと、その横に照明、机と椅子があるだけのシンプルな部屋だった。

「いいねいいね!!シンプルは最高だよ!!」

 ボフッとベットへ倒れ込むと

「明日は学校ないからこのまま寝ちゃお」

 寝た。

 睡月は目を覚まし、時間を確認する。

 寝る前と時間が変わってなかった。

「あれ?バグかな?」

 そんなことを言いながら、部屋を出て1階へ降りていく。

「1日ぶりね。おはよ」

 睡月を見つけたローリンが、挨拶をする。

「おはよ....1日ぶり?」

 睡月は時間とを確認する。

 どうやらゲーム内で1日経っていたようだ。

(キッカリ24時間で起きたから、寝る前と時間が変わってなかったのか)

 バグではなかったことに安堵する。

「夕飯の余りがまだ残ってるけど食べる?」

「私お金があんまりないから、遠慮するよ」

 最初に支給されるお金は3000ゴールドしかないのだ。

 ある程度稼げるようになるまで、できればお金は節約したかった。

「お金はいらないよ。どうせ余り物さ、捨てるより食べちまった方がいいでしょ?」

 ウィンクしながら料理をテーブルに出すローリンを見て、優しい人なんだなと睡月が思っていると、

「お代はハグでいいよ」

 ローリンはホクホク顔で言う。

 上手い話しは裏があるって言った人はよく分かってるな、と思う睡月であった。

 料理を食べ終わり、ローリンにハグされてから泊まっている部屋に戻り、一旦ログアウトをする。

 現実時間では、深夜0時だ。

 睡月の両親は共働きで、帰ってくるのが深夜3時頃なので基本学校から帰ってきたら1人でいることが多い。

 だからといって別にどうこうあるわけではないのだが。

 ログアウトする前にアスルのいる空間に入る。

「おかえり!!ログアウトするのかな?」

 何とか勢いで誤魔化そうとするアスル。

 マップの説明を忘れていた、なんて言ったらクライアント(運営)の人に怒られるのは確実だ。

「ログアウトするよ。マップの説明が本当はあったけど説明し忘れた、なんて私は知らないからね」

 アスルの表情が固まった。

「やっぱり気づいてた?」

 恐る恐る質問する。

「もちろん気づいてたよ?それを勢いで誤魔化そうとしてたのも」

 本当は気づいてはおらず、少し鎌をかけただけなのだがアスルが知る由もない。

 その後アスルが土下座して謝ったので許してあげ、ログアウトをする。

 ログアウトした後、VR機を外し時間を見る。

「おぉ!!本当に8時間しか経ってない!!」

 24時間寝た感覚はあったので、『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というのは本当だったようだ。

 これで沢山寝れる!!と興奮していたある問題点に気づいた。

「お金稼ぐ方法考えなきゃな~」

 ゲーム内でどうやってお金を稼ぐのか考えながら風呂に入る睡月だった。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。

下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。 豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。 小説家になろう様でも投稿しています。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

処理中です...