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しおりを挟む「今、取り組んでる仕事もあるしね。君に関わっている暇もない」
わざと、そんな冷たい言葉で突き放した。
未悠は、ずっとうなだれていた。
(ようやく、仲間に会えたと思ったのに)
仕方がない。
僕は、まだ生まれたばかりの子猫なんだ。
(せめて、ネコはネコでも、トラやピューマだと良かったのに)
戦闘能力が高ければ、オオカミの城嶋さんも傍に置いてくれたかもしれないのに。
「縁があったら、また会おう。なぁに、他にもその辺に獣人仲間がいるかもよ?」
いたとしても。
(城嶋さんみたいに素敵な人じゃないよ、きっと)
洗濯の済んだ皺だらけのシャツを着て、健はマンションを出て行った。
「縁があったら、か」
バッグにテキストを詰め込み、未悠は涙目をこすった。
高校には、それらしいヒトはいない。
それもそうだ。
10万人に一人と言われる、獣人。
全校生徒1,000人弱の学校に、いるはずもない。
のろのろと、未悠は通学路を歩いた。
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