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三姉妹との邂逅
159・エリーとして
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ガイノイドに改造された愛莉を、”連中”の巣窟になっている帝央大学理工学部に派遣されないようにするため、淳司のクライアントが半ば非合法な手段で製造したガイノイドがエリーであった。そのエリーとアイリのガイノイド登録IDをすり替えたので、愛莉の生身で製造されたガイノイドはエリーであった。その両者の電脳はほぼ同じ情報になっているはずだった。
愛莉がエリーの機体で目覚めた時、自分は機械なんだと認識するしかなかった。モニターカメラを動かすと、頭に包帯が巻かれ首筋にケーブルが繋がっている淳司がいた。
「淳司、しっかりして!」
エリー(愛莉)が起こすと、淳司は頭を抱えながら起き上がった。
「なんとか戻ってこれたようだ・・・よかった」
「よかったじゃありません! 事前に説明してください! 本当は利用するだけ利用するつもりじゃないのですか! 私は機械としてずっと壊れるまで活動したくありません!」
エリーは言葉は怒っていても表情は変わらなかった。人間味などあるはずもないガイノイドだから。淳司は自分でケーブルをはずしながら、何かを確認するような素振りをした。
「それは大丈夫! 充分、目的を果たしたから! じゃあ、俺のクライアントに会わないか?」
「クライアント? それって誰なの?」
「それは会ってからのお楽しみ。愛莉ちゃんを人間に戻す方法はもうすぐ完成するからね。まあ、それでも外見だけだけどね」
「外見? どういう意味なのよ!」
「それは・・・俺みたいって事さ。俺も危機の13日の時に”連中”に拉致されて機械兵士にされていたんだ。後で人間に戻ることが出来たけど、高度に改造されてしまったから、いろいろとまあ、説明したくないほど機械の部分が残っていてね、おかげで人間離れしてしまったわけ。首筋にケーブルをつなげてアクセスできるわけさ」
「じゃあ、私も?」
「大丈夫さ。元の可愛らしい姿になれすさ。でも、電脳化されたままだし、手足の筋肉組織はガイノイド仕様のままさ。でも、愛莉ちゃんは赤ちゃんを産めるさ! 山崎技師によれば、改造する意味がないからそちらの機能は凍結状態で保存されているそうだ」
「赤ちゃん? それって?」
「まあ、そういうことさ。誰かとエッチすれば・・・」
「そんな事聞いてない!」
エリーは恥ずかしくなって思わず淳司を突き飛ばしてしまった。でも、ある程度は人間らしい事が出来るようになるかもしれないと嬉しかった。しかし、そうなるためには超えないとならない壁が残されていることを愛莉はまだ知らされていなかった。
愛莉がエリーの機体で目覚めた時、自分は機械なんだと認識するしかなかった。モニターカメラを動かすと、頭に包帯が巻かれ首筋にケーブルが繋がっている淳司がいた。
「淳司、しっかりして!」
エリー(愛莉)が起こすと、淳司は頭を抱えながら起き上がった。
「なんとか戻ってこれたようだ・・・よかった」
「よかったじゃありません! 事前に説明してください! 本当は利用するだけ利用するつもりじゃないのですか! 私は機械としてずっと壊れるまで活動したくありません!」
エリーは言葉は怒っていても表情は変わらなかった。人間味などあるはずもないガイノイドだから。淳司は自分でケーブルをはずしながら、何かを確認するような素振りをした。
「それは大丈夫! 充分、目的を果たしたから! じゃあ、俺のクライアントに会わないか?」
「クライアント? それって誰なの?」
「それは会ってからのお楽しみ。愛莉ちゃんを人間に戻す方法はもうすぐ完成するからね。まあ、それでも外見だけだけどね」
「外見? どういう意味なのよ!」
「それは・・・俺みたいって事さ。俺も危機の13日の時に”連中”に拉致されて機械兵士にされていたんだ。後で人間に戻ることが出来たけど、高度に改造されてしまったから、いろいろとまあ、説明したくないほど機械の部分が残っていてね、おかげで人間離れしてしまったわけ。首筋にケーブルをつなげてアクセスできるわけさ」
「じゃあ、私も?」
「大丈夫さ。元の可愛らしい姿になれすさ。でも、電脳化されたままだし、手足の筋肉組織はガイノイド仕様のままさ。でも、愛莉ちゃんは赤ちゃんを産めるさ! 山崎技師によれば、改造する意味がないからそちらの機能は凍結状態で保存されているそうだ」
「赤ちゃん? それって?」
「まあ、そういうことさ。誰かとエッチすれば・・・」
「そんな事聞いてない!」
エリーは恥ずかしくなって思わず淳司を突き飛ばしてしまった。でも、ある程度は人間らしい事が出来るようになるかもしれないと嬉しかった。しかし、そうなるためには超えないとならない壁が残されていることを愛莉はまだ知らされていなかった。
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