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三姉妹との邂逅

157・三姉妹との邂逅(4)

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 冤罪を晴らせば人間に戻れる。そういわれ協力してきた愛莉であったが、なにがどうなっているのかわからなかった。ただ、捕まる切っ掛けとなった意図せず暗号解除してしまった防衛省の最高機密をめぐる何らかの陰謀に巻き込まれてりるのかもしれない。その程度の認識しかできていなかった。

 なのに、いま目の前にいるのは「麗華の三姉妹」だ。従来の世界秩序の破壊の女神とも、現在の秩序の先駆けの女神とも呼ばれている。いまだに評価が出来ない三人だ。もっともそれは画期的な全てのテクノロジーを生み出したと仮定しての話であるが。

 「ねえ淳司? こちらのお三人と会ってどうするつもりだったの? 丹下教授の留守を狙うだなんてハッカーそのものじゃないの? あたしに何をさせようというの?」

 愛莉はあえて甘えるような口調をしながらすり寄った。まるでものをねだるかのように。その様子に三姉妹は呆れた表情をしていたが、ひとつ気になっていた。さっきから話すのは長女らしい女だけだったからだ。

 「それはね愛莉さん。こうすればわかるわよ」

 長女らしい女はそういうと愛莉にハグをしてきた。それに愛莉はドッキとした。こんなことを自分にするのは真由美しか知らなかったから。

 「ねえ、あたしの記憶と知識を受け取りなさい。今のあなたは同じ意識の存在電脳だから出来るわ」

 その瞬間、愛莉の頭は強い衝撃を受けた。三姉妹の喜怒哀楽の記憶を受け入れたから。そして瞳から涙が自然と溢れていた・・・

 「淳司・・・ひ、ひどいわ・・・わたしを依り代にするなんて・・・もし、生身のままだったら精神が崩壊してしまうわ」

 愛莉は淳司の意図が分かった。丹下教授が隠していた三姉妹の隠蔽された情報を愛莉の電脳にダウンロードさせるためにこんなことをしたのだと。あまりにも膨大であったので、愛莉はものすごく不快感に襲われていた。

 「愛莉さん、しばらく辛抱してください。あなたの自我を破壊しないようにしましたから」

 女は愛莉を介抱しながらいった。それにしても、いまこの三人はどうしているのだろうかと、不思議に思う愛莉であった。
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