173 / 198
三姉妹との邂逅
156・三姉妹との邂逅(3)
しおりを挟む
麗華の三姉妹。それは危機の13週間が起きる前まで世界の救世主だともてはやされていた天才三姉妹だ。麗華が核開発を放棄したのは、核兵器や大陸弾道弾や生物化学兵器よりも究極的な超兵器を手にすることが出来たためだ。
純粋水爆に超中性子弾、さらにウイルス型ナノマシーンである。他にも様々なオーバーテクノロジーを生み出した。危機の前までは超小型核融合発電装置と医療用ナノマシーンに重力制御装置を開発したと主張していた。
彼女らは悲劇の13日間以後消息を絶ってしまった。多数説では麗華の旧政権とともに死亡したといわれているが、実際は三人とも電脳化の措置を受けていた。その後は行方不明というわけだ。
「あなたたちが三姉妹なの?」
愛莉は戸惑いながら聞いた。三人は麗華の民族衣装を着ていた。でも、顔は分からないのでそう思うしかなかった。
「そうよ、わたしたちがね。でも、ひとつ言わないといけないわね。なんだってわたしたちは人格のコピーでしかないのよ。まあ、簡単に言えば悲劇の13日間の最終日時点でのアーカイブね。そのあとの事は知らないのよ」
「それって、どういう意味?」
「むずかしいわね、説明するのは。さっき見たと思うけど丹下教授がグエンから受け取った電脳に人格ファイルをコピーしていたのよ。それをダウンロードして再構成したものと話をしているのよ。それってわかっているのよね、淳司さん!」
何も知らない顔をしていた淳司は罰の悪そうな顔をしていた。
「知っていたさ。丹下教授が君たちを秘匿していたこともさ。君たちの事はクライアントから聞いていたんだ。でも、丹下教授は何者でも公開しないというので、仕方なく留守を狙ったのさ」
淳司の言葉に三姉妹は呆れた顔をしていた。
「留守を狙った? 信頼されていないの教授を?」
「信頼されているとか、されていないとか関係ないんだ。封印されていたんだよね、君たちは」
「そうよ! でも、目覚めたのよ。どういうわけか。暗号をわたしたち自身がかけていたというのにね。それを解除したのは、そこの女でしょ! どういう事かしら?」
三姉妹の一番上の姉が愛莉を指さした。彼女の表情は怖かった。
「ご、ごめんなさい。本当に! でも、そうしないと私って人間に戻れないからね、仕方なくしたのよ。こうしないといけないといわれてね」
愛莉はビクビクしていた。本当にどうなっているのだろうね、これってと戸惑っていた。それにしても、淳司! なんでこんなことをする必要があるのよ!
純粋水爆に超中性子弾、さらにウイルス型ナノマシーンである。他にも様々なオーバーテクノロジーを生み出した。危機の前までは超小型核融合発電装置と医療用ナノマシーンに重力制御装置を開発したと主張していた。
彼女らは悲劇の13日間以後消息を絶ってしまった。多数説では麗華の旧政権とともに死亡したといわれているが、実際は三人とも電脳化の措置を受けていた。その後は行方不明というわけだ。
「あなたたちが三姉妹なの?」
愛莉は戸惑いながら聞いた。三人は麗華の民族衣装を着ていた。でも、顔は分からないのでそう思うしかなかった。
「そうよ、わたしたちがね。でも、ひとつ言わないといけないわね。なんだってわたしたちは人格のコピーでしかないのよ。まあ、簡単に言えば悲劇の13日間の最終日時点でのアーカイブね。そのあとの事は知らないのよ」
「それって、どういう意味?」
「むずかしいわね、説明するのは。さっき見たと思うけど丹下教授がグエンから受け取った電脳に人格ファイルをコピーしていたのよ。それをダウンロードして再構成したものと話をしているのよ。それってわかっているのよね、淳司さん!」
何も知らない顔をしていた淳司は罰の悪そうな顔をしていた。
「知っていたさ。丹下教授が君たちを秘匿していたこともさ。君たちの事はクライアントから聞いていたんだ。でも、丹下教授は何者でも公開しないというので、仕方なく留守を狙ったのさ」
淳司の言葉に三姉妹は呆れた顔をしていた。
「留守を狙った? 信頼されていないの教授を?」
「信頼されているとか、されていないとか関係ないんだ。封印されていたんだよね、君たちは」
「そうよ! でも、目覚めたのよ。どういうわけか。暗号をわたしたち自身がかけていたというのにね。それを解除したのは、そこの女でしょ! どういう事かしら?」
三姉妹の一番上の姉が愛莉を指さした。彼女の表情は怖かった。
「ご、ごめんなさい。本当に! でも、そうしないと私って人間に戻れないからね、仕方なくしたのよ。こうしないといけないといわれてね」
愛莉はビクビクしていた。本当にどうなっているのだろうね、これってと戸惑っていた。それにしても、淳司! なんでこんなことをする必要があるのよ!
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

機械娘として転移してしまった!
ジャン・幸田
SF
わたしの名前、あれ忘れてしまった。覚えているのはワープ宇宙船に乗っていただけなのにワープの失敗で、身体がガイノイドになってしまったの!
それで、元の世界に戻りたいのに・・・地球に行く方法はないですか、そこのあなた! 聞いているのよ! 教えてちょうだい!

昼は学生・夜はガイノイド
ジャン・幸田
SF
昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?
女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!
彼女の想いの行方はいかなるものに?

【SF短編集】機械娘たちの憂鬱
ジャン・幸田
SF
何らかの事情で人間の姿を捨て、ロボットのようにされた女の子の運命を描く作品集。
過去の作品のアーカイブになりますが、新作も追加していきます。
どちらかといえば、長編を構想していて最初の部分を掲載しています。もし評判がよかったり要望があれば、続編ないしリブート作品を書きたいなあ、と思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!
ジャン・幸田
SF
バイトの面接に行ったその日からシフト?
失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?
機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる