冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田

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三姉妹との邂逅

143・惨劇(2)

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 「令和の虐殺魔」となった男は犯行当時48歳だった。男は高校大学と受験に失敗し、大学を卒業した時は超氷河期で真面な就職が出来ず、そのあとは派遣社員などを経験したのち、社会の底辺部であえいでいた所謂「負け組」だった。そんな男が自暴自棄になって死刑になりたいがために確実に断罪される道を選んだ。

 それが事件の背景とされたが、当時から疑問が投げかけられていた。どうやって重火器を入手したのか? 自衛隊に入隊したことも海外に銃器体験ツアーにいったこともない男がなぜ使いこなすことができたか? などなどである。しかしそういった疑問は事件の悲惨さの前ではかき消されていた。

 「あの男の首にあるのって、まさかナノマシーン洗脳痕?」
 
 愛莉は指摘したのは二つの人類の危機の前後に世界各国で蔓延し機械のように操作する事が出来る悪魔のツール。麗華が生み出した兵器だ。その兵器を手に入れた麗華は核兵器保有を破棄する一方で人類を滅亡の淵に追いやった忌まわしい発明品だ。

 「そうだよ愛莉ちゃん。これは一般には隠されているんだが、それで当時のアメリカ大統領が安易な妥協をしてしまったものさ。当時の日本政府の要人は誰も知りえなかったことだが」

 淳司は知っていたかのような口ぶりをしていた。男は警備員を射殺すると重火器の、旧ソ連製の軍用機関銃でコンサートホールにいた人々に無差別に発砲しはじめた。ちょうどその時激しい打楽器の演奏があったため一瞬気付くのが遅れた人々が犠牲になっていった。まさに惨劇のはじまりであった。
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