冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田

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三姉妹との邂逅

121・再起動(1)

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 全身拘束刑にされた山川愛莉の身体はほぼ完全に機械にされた。その措置はほぼ「死刑」といってもいいものであった。生身の部分といえばボディを維持するのに必要な生体組織しかなく、それもナノマシーンによって改変されていた。しかも外骨格を外すことは出来ず、外せば全面的機能停止、すなわち完全な死を迎えるはずであった。

 二体の「ガイノイド・アイリ」の電脳がリンクされたことで、電脳のリングが行われたがその間にオリジナルの愛莉の記憶だけでなく天才的とされた頭脳も転送された。二体のガイノイドの能力はほぼ同一になったはずだった。

 理工学部にいるガイノイド・アイリが「連中」の手に落ちた時、オリジナルの愛莉の肉体を改造したガイノイド・アイリが再起動しようとしていた。リンクが解除され遮断措置をされていた。その作業をしていたのはクラウゼ一人であった。

 「ガイノイド・エリー。製造番号102-66-0076ただいま再起動中です。再起動モードはカスタマー・モードではありません。ご注意ください」

 無機質な人工音声を発していた。クラウゼは独断でリンクを切断したので。そのため淳司がやろうとしていたことを中止させた。

 「了解、順調!」

 クラウゼは誰の指示でもないことをしようとしていた。
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