上 下
126 / 198
迷宮魔道な場所へ

117・疑惑(2)

しおりを挟む
 この空間にいる者たちで人間らしいのはタオ先輩だけのようであった。他は全てアンドロイドやガイノイドたちであったが、愛莉や晴美がそうであるように、もしかすると元は人間ではないかという考えが愛莉の中に芽生えていた。もし潜入するのなら淳司がやればいいはずなのになぜしないだろうとおもったこともあったが、愛莉がこれが答えなのかもしれないと思った。しかし、なぜそんな風なんだろうか?

 晴美に連れてこられたのはとあるフロワーでそこには無数の銀色のカプセルが置かれていた。

  「ここはエキゾチック・ブレインの一部で、人造神経細胞が詰まっているのよ、もうすぐあなたの電脳に接続されるわよ」

 そのとき、愛莉は思い出した。これが麗華が製造した悪魔の超スーパーコンピュータと一緒なんだと。違うのは天然ではなく培養したものだということしかなかった。

 「これらが私に?」

 「そうよ! そのためにわざわざ全身拘束刑を受けてもらったのよ!」

 愛莉はそれを聞いてなんでそんなことをしたんだと疑問に思った。それなら晴美のように殺した方がリスクがすくないはずなのに! すると、こんなことを晴美は言い出した。晴美の機体がガイノイド・アイリの外骨格を労わるようにすりよってきた。

 「愛莉、考えた事ないかしら、敢えて機械の身体になりたい人の気持ちを?」

 「何をいいたいの?」

 「あなたは、山奥のお嬢様学校で六年間過ごしていたから知らないかもしれないけど、流行っているのよ、機械の身体になることが! 機械と同じになれば平等に扱ってもらえるし、肉体的苦痛なんてないし精神も制御できるじゃないのよ。下手なドラッグをやるよりも良い人生が送れるっていってね。私も分からなかったけど理解できるようになったわ。機械に身体に置換できるのは新たな人類に創造されるってことにね!」

 これから晴美はなにを言いたいのか意味がよくわからなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

【SF短編集】機械娘たちの憂鬱

ジャン・幸田
SF
 何らかの事情で人間の姿を捨て、ロボットのようにされた女の子の運命を描く作品集。  過去の作品のアーカイブになりますが、新作も追加していきます。

機械娘フェチ作品撮影!

ジャン・幸田
SF
 わたし、とあるプロダクションに所属するモデルだったの。一応十八禁作品出演OKとしていたけど、恥ずかしかったの。  そいで顔出ししないでもいいという撮影があったので行ってみると、そこでわたしはロボットのようになれということだったの。わたしはガイノイドスーツフェチ作品に出演することになった。

ロボットウーマン改造刑を受けた少女

ジャン・幸田
SF
 AI搭載型ロボットが普及した未来、特に技能のない人間たちは窮地に陥っていた。最小限の生活は保障されているとはいえ、管理され不自由なデストピアと世界は化していた。  そんな社会で反体制活動に参加し不良のレッテルを貼られた希美は保安処分として「再教育プログラム」を受けさせられ、強制的にロボットと同じ姿に変えられてしまった! 当局以外にはロボット以外の何者でもないと認識されるようになった。  機械の中に埋め込まれてしまった希美は、ロボットウーマンに改造されてしまった!

バイトなのにガイノイドとして稼働しなくてはならなくなりました!

ジャン・幸田
SF
 バイトの面接に行ったその日からシフト?  失業して路頭に迷っていた少女はラッキーと思ったのも束の間、その日から人を捨てないといけなくなった?  機械服と呼ばれる衣装を着せられた少女のモノ扱いされる日々が始まった!

昼は学生・夜はガイノイド

ジャン・幸田
SF
 昼間は人間だけど夜になるとガイノイドに姿を変える。もう、そんな生活とはいったい?  女子校生のアヤカは学費と生活費を出してもらっている叔父夫婦の店でガイノイド”イブ”として接客していた。そんな彼女が気になっていた客は、機械娘フェチの担任教師の風岡だった!   彼女の想いの行方はいかなるものに?

処理中です...