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迷宮魔道な場所へ
118・疑惑(3)
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晴美が言うように愛莉はお嬢様学校に通っていた。有産階級の子女でない孤児が生活するには、授業費免除・全寮制学校の特待生でなければならなかったためだ。おかげで、経済的に苦労することはなかったが、当然の事であるが夏休みなど長期休校で他の生徒が帰省しても一人で過ごす事も珍しくなかった。また学生寮で得られる情報は極限られたメディアだけだったので、世情に疎くなっていた。ちなみにインターネットなどはフィルタリング機能が強力だったため、あんまり見る事はなかった。
「あんまり、そこんところは分からないわ。機械の身体にされた今でもね。そんなに流行っているんだ、そんなサイバーパンクな事が」
愛莉の言葉に晴美からの反応は分からなかった。お互い機械の身体なので、生身の人間と違って表情などで読み取ることは出来なかった。それにしても、「組織」だの「連中」が愛莉を全身拘束刑に処されるように工作したのか。また機械を一からつくるのではなく、人間を機械に改造する事をするのか、そういったことが分からなかった。そう考えていると、こんなことを晴美はいった。
「そうそう、エックスデーは来週水曜日だからね。本当は明日の予定だったんだけど、杠首相がここにやってくるから、そのとき決行するから。そうすれば愛莉はエキゾチック・ブレインと一体化するのよ」
それが何を意味するのか考えれば答えは一つだった。この企みにこの国の首相が関わっているんだと! それなら冤罪を作り出して、人を機械にする事なんて簡単なことに違いなかった。
「あんまり、そこんところは分からないわ。機械の身体にされた今でもね。そんなに流行っているんだ、そんなサイバーパンクな事が」
愛莉の言葉に晴美からの反応は分からなかった。お互い機械の身体なので、生身の人間と違って表情などで読み取ることは出来なかった。それにしても、「組織」だの「連中」が愛莉を全身拘束刑に処されるように工作したのか。また機械を一からつくるのではなく、人間を機械に改造する事をするのか、そういったことが分からなかった。そう考えていると、こんなことを晴美はいった。
「そうそう、エックスデーは来週水曜日だからね。本当は明日の予定だったんだけど、杠首相がここにやってくるから、そのとき決行するから。そうすれば愛莉はエキゾチック・ブレインと一体化するのよ」
それが何を意味するのか考えれば答えは一つだった。この企みにこの国の首相が関わっているんだと! それなら冤罪を作り出して、人を機械にする事なんて簡単なことに違いなかった。
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