冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田

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迷宮魔道な場所へ

96・ガイノイド・アイリ(3)

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 「ちょっと失礼!」

 淳司はそういうとガイノイド・アイリの機体にさわった。先ほどまでの高校生の愛莉の姿と違い、いまはただの機械だ。いまの愛莉の自我は本当にただの機械的感覚でしかなかった。いまのいつもの自分と。

 「本当に嫌だわ! 本当に今のわたしって機械なんだと認識させられて」

 そのとき、淳司はガイノイド・アイリの胸のハッチをあけた。実際の外骨格型ガイノイドも外骨格を外さなければ内部構造を見る事ができないのと一緒であった。しかも元は人間であっても構造は酷似しているので、普通の技術者ではハッチを開けても両者の区別はつかないという。

 「そうだな! でもな、こっちのアイリの方は廃棄処分になった実験体なんかを寄せ集めて構築したものだから、厳密に言うとエリーとは違うのだ。まあ、人間由来には変わりないがな」

 人間由来? その意味を考えて愛莉はおかしいと思った。それって加工技術を研鑽するために死体でも使ったというのだろうか? そんなことをしてアイリを作ることが出来る淳司っていったい何者なんだろうか?

 「ちょっと、恐いよ! それじゃあアイリは内部構造を調べれば連中に本物ではないとバレるというわけなの?」

 「そういうことだ! だからハッチを開けたのさ。今イメージが君の電脳に送られてくるはずだから」

 そういうと、愛莉の意識にアイリの内部構造のイメージが浮かんできた。

 
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