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宮廷パーティーにて
会場にて(2)
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「どうしてわたくしが思っているのがわかるのですか?」
車寄せに到着しても前の車でなにかがあったらしく、降ろしてもらえないのでチズルに尋ねた。
「それはですね、こうやって手のひらを人形になった相手の手に添えるのです。すると、わかるのですわ。機能はまだ言っておりませんでしたわね」
そう言われたので手を合わせると、チヅルの心というか顔が見えた。その顔は人形とは違い優しい四十代の女性でまるで母のように思えた。
「なんか、母上みたいですわね」
「ええ、そうかもしれませんわね。人形になってから、この姿は誰も見せておりませんけど」
「そうなのですか? するともう」
「ええ、一年近く人形のままですわ」
「それは大変ですわね。で、いつまで人形でいられるのですか」
「それはわかりませんわ。殿下の目的が達成したらということですわ。それまではね」
「そうなんですか?」
わたしは人形の能力に驚いていた。手のひらを重ねたらしゃべらずとも会話出来る事に。
「そういうことは、本当の殿下と手を合わせればお顔を見る事が出来るのですね」
「そうですわ。この前あなたが着られた人形服ではできませんでしたけど、いまの人形服ならできますわ。でも、殿下が許してくれたらですけどね」
そうしていたら、もうひとりの、ナズナがわたしの手を合わせて割り込んできた。
車寄せに到着しても前の車でなにかがあったらしく、降ろしてもらえないのでチズルに尋ねた。
「それはですね、こうやって手のひらを人形になった相手の手に添えるのです。すると、わかるのですわ。機能はまだ言っておりませんでしたわね」
そう言われたので手を合わせると、チヅルの心というか顔が見えた。その顔は人形とは違い優しい四十代の女性でまるで母のように思えた。
「なんか、母上みたいですわね」
「ええ、そうかもしれませんわね。人形になってから、この姿は誰も見せておりませんけど」
「そうなのですか? するともう」
「ええ、一年近く人形のままですわ」
「それは大変ですわね。で、いつまで人形でいられるのですか」
「それはわかりませんわ。殿下の目的が達成したらということですわ。それまではね」
「そうなんですか?」
わたしは人形の能力に驚いていた。手のひらを重ねたらしゃべらずとも会話出来る事に。
「そういうことは、本当の殿下と手を合わせればお顔を見る事が出来るのですね」
「そうですわ。この前あなたが着られた人形服ではできませんでしたけど、いまの人形服ならできますわ。でも、殿下が許してくれたらですけどね」
そうしていたら、もうひとりの、ナズナがわたしの手を合わせて割り込んできた。
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