結婚したのに！ 悪役令嬢ってこんな話なの？ メイドにされた処女妻は健気にいくしかない！

啓子が啓子を着る！

ソフィアの誓い（１）

　着ているモノを脱げといわれ使用人であるわたしは従うしかなかった。さすがに下着を脱ごうとしたところで妃の侍女の人形二人はそこまでしないでといった。その侍女二人、名前はチズルとナズサといって、髪の毛まあ人形のだけど、前者は肩まで後者は背中の真ん中まであるという違いはあるが同じ顔をしていた。もし人間だったら印象に残らないといえた。

　「あなたは妃殿下とよく似ておられますね。あと五年もすれば遜色ないくなりますわ」

　チズルはそういって私の胸に巻き尺をあてながらいった。彼女の手は布で覆われていたが、それが人形らしいと思った。それにしても、こんな風に布を着込んで暑くないかしら？　それにしても何が似ているというんだろう？　五年すれば何になるというのよ？

　「遜色って？　わたしと殿下は似ているのですか？」

　なんとなく聞いたが、二人とも黙っていた。その人形の面の内側でどんな表情をしているのだろうか？　不思議に思ったがその時は答えてくれなかった。それにしても、侍女といい人形の啓子といい、なんで人形の中に閉じこもっているんだろうか？　その間、二人はわたしの身体のありとあらゆる身体のサイズを計測していった、黙々と！　理由ぐらい聞きたかったが言ってくれなかった。

　「もうちょっと、辛抱してね。これには理由があるからね。啓子奥様！」

　そのとき、わたしはある悪役令嬢が登場する作品を思い出した。それはソフィアの誓いというものであった。