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うまく行きすぎてる……ね。
「そうですね。あと、あの洞窟に聖女であるミワという女の子がいました」
これを伝えたら、さらに怪しむかな。
記憶があればの話だけど。
「最近『魔物』の出現の噂が出ていたからな。神殿にも依頼が入ったんだろう。何か言われたか?」
「いえ、特には」
嘘のような昔話はされました、とは今は言わないでおこう。
「ジル君のことはバレたか?」
バレたというか、正体を始めから知っていたというか。
「はい。 ………やはり聖職者ということもあり、何か感じるものがあるようで」
「だよね。まぁ、隠し通せるとも思ってないし、どうせ事前に彼女の耳にも入ってただろう。よし、ありがとう。今日のことは俺から貴族たちに報告しよう。それじゃ、ジル君のこと頼んだぜ」
そう言って颯爽と部屋から出ていったカルロス陛下の背を眺めた。
早く話を切り上げたのは俺が疲れていたから気を遣ったのだろうし、それ以上は聞く必要はないと思われたのかもしれない。
俺としては余計なことを言わずに済んだのは良かったけど、カルロス陛下の情報は全く得られなかったなぁ。
「そうですね。あと、あの洞窟に聖女であるミワという女の子がいました」
これを伝えたら、さらに怪しむかな。
記憶があればの話だけど。
「最近『魔物』の出現の噂が出ていたからな。神殿にも依頼が入ったんだろう。何か言われたか?」
「いえ、特には」
嘘のような昔話はされました、とは今は言わないでおこう。
「ジル君のことはバレたか?」
バレたというか、正体を始めから知っていたというか。
「はい。 ………やはり聖職者ということもあり、何か感じるものがあるようで」
「だよね。まぁ、隠し通せるとも思ってないし、どうせ事前に彼女の耳にも入ってただろう。よし、ありがとう。今日のことは俺から貴族たちに報告しよう。それじゃ、ジル君のこと頼んだぜ」
そう言って颯爽と部屋から出ていったカルロス陛下の背を眺めた。
早く話を切り上げたのは俺が疲れていたから気を遣ったのだろうし、それ以上は聞く必要はないと思われたのかもしれない。
俺としては余計なことを言わずに済んだのは良かったけど、カルロス陛下の情報は全く得られなかったなぁ。
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