メルドリアスの遊戯世界 ~異世界転生ハーレムキャラバン~ 【健全版】

猫野 にくきゅう

文字の大きさ
45 / 170
農場奴隷編

第30話 出発 A

しおりを挟む


「ね、ねえ、その……ご、『ご主人様』……こ、これで良いんでしょ?」

 そういうとアカネルは目を閉じて、唇を僅かにこちらに突き出してくる。
 
 いきなり何言ってんだ……コイツは?

「あっ、えっと──その、わ、私も……お願い、します。『ご主人様』……」

 隣に居たモミジリも、同じことをやり出した。

 ああ、そうか──
 そういえば『奴隷』を検証した時に、ご主人様と言えればキスしてやるとかなんとか言ってたっけ……。

 それで、キスして欲しくなってこんなことを言い出したのか。



 まあ、なんだ。
 可愛いじゃないか。

 俺はアカネルの肩に手を置くと、彼女の願い通りに唇を合わせてやった。
 その次に、モミジリにも同じことをしてやる。

 二人は顔を赤くして、モジモジしながら──

「ねえ、もう一回。いいでしょ? ご主人様──」
「わ、私もです。ご主人様……」

 一度では足りなかったらしく、おねだりしてくる。

 ──やれやれだぜ。

 俺は奴隷の願いに応えて、二人にもう一度キスをする。
 今度のキスは舌を絡めたディープな奴だ。

 二人は最初は驚いていたが、気持ちが良かったのかすぐに受け入れる。

 たっぷりキスをした後で、三人で横になって眠りについた。





 昨日の夜、というか明け方か……
 農場がゴブリンの群れに襲撃されて、壊滅状態に陥った。

 あまりにも呆気なく、俺たちの農場奴隷生活は終わりを告げた。



 朝になってから、生き残った六人で遺体を集めて埋葬した。
 農場主の屋敷の方にも行って、ゴブリンの食べ残しや、惨殺された遺体を埋葬する。ちなみに、この世界では遺体を焼いてから埋葬するのが一般的だ。

 焼かずに埋めると魔物を引き付けてしまうし、食い荒らされてしまうからな。


 屋敷の惨状を見たイルギットは、気落ちして一人で塞ぎ込んでいる。

 今は俺達の、隣の部屋で寝ている。
 半端に慰めの言葉をかけるより、今は一人にしておいた方がいい。

 明日も落ち込んでいるようなら、何とか元気づけることも考えよう。
 俺に上手くできるかは分からないが──。



 アカネルとモミジリが、俺と一緒に寝ると言って聞かなかったので、少し狭いがモミジリの部屋に三人で眠ることになった。
 

 俺たちは一晩で、生活基盤を失ってしまった。
 一緒に暮らしていた奴隷仲間も、仕事も、俺たちの雇用主も──
 二人がキスをせがんできたのはこの不安な気持ちに、圧し潰されそうになっていたからかもしれない。

 


 俺が、昨日助けた女二人。

 一人は年上の女性で、名前はサリシア。
 アカネルとモミジリがサリシア姉さんと呼んで慕っている。

 もう一人はナーズという年下の少女で、この子はアカネル達のことを姉さんと言ってなついている。

 正直言ってついでに助けた二人だが、アカネル達と仲が良い様子を見ると、助けてよかったと思う。



 スラ太郎にはゴブリンの死体の処理と、魔石とドロップアイテムの回収を命じておいた。戦闘に参加せず隠れていた分、一日中働けと命じたおいた。

 ドロップ品と言えば、ゴブリングレートが大剣を落としていた。
 刃渡り三メートル、柄の部分が一メートルのロマン武器だ。
 このグレートソードは早速、専用武器に加えておいた。

 時間を見つけて訓練して、使いこなせるようにしたい。



「屋敷周りの、魔石の回収はどうするかな?」

 農場主とその戦士団は、一方的に虐殺されたわけではなく、戦って死んでいる。
 当然討ち取ったゴブリンの死体もあったので、そこから魔石を取り出せる。

 できれば回収しておきたいが、問題は所有権がどうなっているかだ。
 所有者がいなければ貰っても問題ないし、娘のイルギットが相続しているのなら所有権は自動的に、主人の俺になっているはずだ。

 明日にでも行って、確かめてみよう。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...