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お試し婚約?
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3日後。
俺は、『俺の意志とは無関係』に、婚約者となってしまったフェイ殿下と中庭でお茶をしていた・・・いや、紅茶は運ばれてきたが、二人とも紅茶を飲んではいなかった。
「「・・・・・・」」
「二人ともっ・・・紅茶、冷めちゃうよ!!」
仲裁役(?)を買って出てくれたクリスが、俺とフェイ殿下の間で、あたふたしていた。
「何で俺なんだ?・・・もっと他にいい奴いるだろ?」
「昔から・・・助けていただいた時から、お慕いしておりました」
「だからって・・・いくら王命でも、10才以上も年下の王族と結婚できるかよ?!」
「年下は、お嫌いですか?」
「いや、そういう意味じゃなくって・・・」
「まあまあまあ・・・婚約なんだし?お試し期間みたいなものだと思ってもらえれば」
「おためしぃ?!」
「はい。お試しで大丈夫です!!1ヶ月お試し婚約で、僕のこと好きになれなかったら、婚約破棄してくれても構いません。その代わり・・・スミス様も、その間は僕と真剣に向き合ってください」
「ちょっと、フェイ君・・・本当に、それでいいの?」
「・・・・・・」
「よーし、言ったな?1ヶ月だけだからな。1ヶ月で好きになるなんて、俺の中じゃありえねぇ。男に二言はないよな?」
「はい、大丈夫です」
「えー、もぉ知らないよぉ・・・」
クリスは俺とフェイ殿下の間で呆れていた。俺は紅茶を一気飲みすると、席を立った。
「書類が溜まってるんだ・・・陛下の命でね。今月中に、ある程度仕上げなきゃならないんだ」
「その仕事、終わったら・・・僕と出掛けてくれませんか?」
「デートってこと?」
「よければ・・・デートプランは、こちらで考えますので」
「いいよ。でも終わるまで、結構時間かかるかも・・・1ヶ月くらいかなぁ」
「ちょっと、スミス!!」
「分かりました。それなら、僕も手伝います。あっ・・・一応、陛下から許可もらって来ますね」
フェイ殿下は、俺がどんな仕事をやっているか、知っているみたいな口ぶりだった。俺が呆気に取られていると、フェイ殿下は紅茶を一気飲みして「失礼します」と言いながら、去っていった。
「一本、取られたね」
「バカ言え」
クリスは笑っていた。『久しぶりに、こんなに軽口を叩いたな』と思っていた。それと同時に、仲裁役を買って出てくれたクリスに感謝もしていた。
『友人を大切にしなければいけないな』と、改めてそう思ったのだった。
俺は、『俺の意志とは無関係』に、婚約者となってしまったフェイ殿下と中庭でお茶をしていた・・・いや、紅茶は運ばれてきたが、二人とも紅茶を飲んではいなかった。
「「・・・・・・」」
「二人ともっ・・・紅茶、冷めちゃうよ!!」
仲裁役(?)を買って出てくれたクリスが、俺とフェイ殿下の間で、あたふたしていた。
「何で俺なんだ?・・・もっと他にいい奴いるだろ?」
「昔から・・・助けていただいた時から、お慕いしておりました」
「だからって・・・いくら王命でも、10才以上も年下の王族と結婚できるかよ?!」
「年下は、お嫌いですか?」
「いや、そういう意味じゃなくって・・・」
「まあまあまあ・・・婚約なんだし?お試し期間みたいなものだと思ってもらえれば」
「おためしぃ?!」
「はい。お試しで大丈夫です!!1ヶ月お試し婚約で、僕のこと好きになれなかったら、婚約破棄してくれても構いません。その代わり・・・スミス様も、その間は僕と真剣に向き合ってください」
「ちょっと、フェイ君・・・本当に、それでいいの?」
「・・・・・・」
「よーし、言ったな?1ヶ月だけだからな。1ヶ月で好きになるなんて、俺の中じゃありえねぇ。男に二言はないよな?」
「はい、大丈夫です」
「えー、もぉ知らないよぉ・・・」
クリスは俺とフェイ殿下の間で呆れていた。俺は紅茶を一気飲みすると、席を立った。
「書類が溜まってるんだ・・・陛下の命でね。今月中に、ある程度仕上げなきゃならないんだ」
「その仕事、終わったら・・・僕と出掛けてくれませんか?」
「デートってこと?」
「よければ・・・デートプランは、こちらで考えますので」
「いいよ。でも終わるまで、結構時間かかるかも・・・1ヶ月くらいかなぁ」
「ちょっと、スミス!!」
「分かりました。それなら、僕も手伝います。あっ・・・一応、陛下から許可もらって来ますね」
フェイ殿下は、俺がどんな仕事をやっているか、知っているみたいな口ぶりだった。俺が呆気に取られていると、フェイ殿下は紅茶を一気飲みして「失礼します」と言いながら、去っていった。
「一本、取られたね」
「バカ言え」
クリスは笑っていた。『久しぶりに、こんなに軽口を叩いたな』と思っていた。それと同時に、仲裁役を買って出てくれたクリスに感謝もしていた。
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