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第十章
第八話 ヴィクトーリアの使用人になったけど、全然きつくない
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ボブの不意打ちを食らい、討伐対象のジャッキーが倒されたことで、ユリヤが勝負に負けた。
ヴィクトーリアが高らかに勝利を宣言し、俺は彼女の使用人となる。
「何を言っているのよ! こんな勝負認められないわ!」
「そうですわよ! こんなこと認められませんわ!」
テレーゼとエリーザ姫が否定をするが、ヴィクトーリアは涼しい顔をして顔色を変えない。
「オーホホホホ! 負け犬の遠吠えとは見苦しいですわよ。わたくしの言ったルールには、余韻に浸っている間にモンスターを倒してはダメなんてものは存在しませんでしてよ」
「お姉ちゃん! いくら何でも酷いですよ!」
ユリヤも姉を睨む。
彼女からしたら、助けたモンスターを殺されてしまったんだ。内に秘めたい怒りはかなりのものだろう。
このままではまた違った争いが始まるかもしれない。ここは俺が仲介役になって治めるしかないな。
「みんな。確かに納得のいかない勝負だと思う。だけどこれは約束されたルールだ。契約書がある以上は何を言ってもムダだ」
彼女たちを宥めると、ユリヤたちは顔を俯かせる。だが、すぐにテレーゼは顔を上げ、真剣な表情でヴィクトーリアを見た。
「絶対にリュシアンを取り返してみせる。あたしから大事な人を奪った罪は重いわよ!」
「必ずリュシアン王子はワタクシたちの手で取り戻してみせます」
「リュシアンさんなら姉の仕打ちにも耐えられるって信じています。絶対に迎えに行きますので、それまで待っていてください!」
「オーホホホホ! 安心なさい。ユリヤの時のように、暴力を振るうようなことはしませんわ。でも、精神的苦痛は味わってもらいます」
完全に勝者の顔となり、ヴィクトーリアはユリヤたちを見下す眼差しを送る。
「俺は大丈夫だから、今日は帰って休んでくれ。ユリヤ、テレーゼ、エリーザ姫、俺のために怒ってくれてありがとう」
彼女たちに笑みを送り、俺は仲間達を見送った。
「あなたにやってもらう仕事内容は、全てここに書いてありますわ。午前中に全て終わらせなさい」
翌日、ヴィクトーリアの使用人となった俺は、彼女から仕事を頼まれる。
紙を受け取り、リストを確認する。
仕事内容は雑用ばかりだな。部屋の掃除から庭の整備、食堂で皿洗いの手伝いなんてものもある。
これを全て午前中に終わらせろか。何だかブラックギルドにいた頃のようで懐かしい。何だかワクワクしてきたな。ホワイトな生活に慣れすぎて、効率的に動く思考力が鈍っていないか、確認するいいチャンスだ。絶対に午前中で終わらせてやる。
頭の中で屋敷内の構造を思い出し、今いる場所から効率よく仕事を終わらせるルートを見つける。
よし、このルートで進めば午前中で仕事を終わらせられるはずだ。
仕事の順番を決めると、早速最初の仕事である応接室の掃除を始める。
そしてあっと言う間に午前中の分の仕事を終えたので、俺はヴィクトーリアの部屋を訪ねた。
「ヴィクトーリアお嬢様、俺です。入ってもいいでしょうか?」
「宜しいでしょう。入りなさい」
扉越しに入室の許可をもらい、扉を開けて中に入る。
「あらあら、リュシアン。もう音を上げて許しを乞いに来たのですか? 本当に使えないですわね」
見下すかの様な眼差しをヴィクトーリアが送ってくる。
どうやら俺がたくさんの雑用を押し付けられて、許しを乞いに来たと思っているようだ。
「ご期待に応えられなくて申し訳ありません。午前中の仕事は全て終わったので、その報告に来ました」
「はぁ?」
報告を聞いた彼女は目を丸くした。どうやら自身の耳を疑っているみたいだな。
「リュシアン、いくら何でも嘘はよくありませんわよ。いくら何でも人として情けないですわ」
「いえ、嘘ではありません。証拠に担当している方々から合格のサインをもらっています」
ヴィクトーリアに近づき、ポケットの中に入れていた掃除のリストを取り出して彼女に見せる。
「本当ですわ。使用人全てに合格サインをいただいているなんて。しかも中々合格を出さないと言われている、鬼のコック長にまで合格をもらっているなんて」
信じられないと言いたげな表情で、ヴィクトーリアは部屋にあった時計に顔を向ける。
「まだお昼まで一時間もありますのよ! おかしいですわよ! 絶対に買収しておりますわよ!」
声を上げると、ヴィクトーリアは机の上に置いてあった呼び鈴を鳴らす。
するとしばらくしてボブと変態メイドが部屋にやってきた。
「お呼びでしょうか? お嬢様」
「ボブ、正直に言いなさい。あなたいくら貰ったのですか?」
「いくらとは?」
主が何を言っているのか分からないと言いたげな表情で、ボブが首を傾げた。
それもそうだろう。だって俺は賄賂なんてしていない。全て実力で成し遂げたのだから。
「惚けないでください! あなたはこの男からいくら貰って買収されたのかを聞いているのですよ!」
「お嬢様落ち着いてください。いったい何のことですか? 俺は一ギルも貰っていませんよ」
「そうですか。そこまでしてこの男を守ろうと言うのですね。どうやらお仕置きが必要のようです。主が誰なのかその体に叩き込んであげましょう」
ヴィクトーリアが机の引き出しを開けると、中から鞭を取り出す。
そして先端を床に叩きつけると音が鳴り響いた。
「お嬢様! 誤解です! 俺はこの男に寝返ってなど……ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁ!」
勝手に勘違いをしたヴィクトーリアがボブに鞭を叩き込む。衝撃波によるものか、鞭が打たれる度に彼の服は破けていった。
「お嬢様落ち着いてください!」
鞭打ちされるボブを見て、変態メイドが止めに入る。
さすがにこれはあまりにも酷すぎるからな。
「この男の裸なんて見ても誰も得しません。やるなら私にしてください。そしていた気持ちいい感覚で私に快楽をお与えください」
変態メイドの発言で思わず転けそうになった。
この女は主に対してなんてものを要求するんだよ。
その後もヴィクトーリアの機嫌が収まるまで、ボブに八つ当たりが続くのであった。
ヴィクトーリアが高らかに勝利を宣言し、俺は彼女の使用人となる。
「何を言っているのよ! こんな勝負認められないわ!」
「そうですわよ! こんなこと認められませんわ!」
テレーゼとエリーザ姫が否定をするが、ヴィクトーリアは涼しい顔をして顔色を変えない。
「オーホホホホ! 負け犬の遠吠えとは見苦しいですわよ。わたくしの言ったルールには、余韻に浸っている間にモンスターを倒してはダメなんてものは存在しませんでしてよ」
「お姉ちゃん! いくら何でも酷いですよ!」
ユリヤも姉を睨む。
彼女からしたら、助けたモンスターを殺されてしまったんだ。内に秘めたい怒りはかなりのものだろう。
このままではまた違った争いが始まるかもしれない。ここは俺が仲介役になって治めるしかないな。
「みんな。確かに納得のいかない勝負だと思う。だけどこれは約束されたルールだ。契約書がある以上は何を言ってもムダだ」
彼女たちを宥めると、ユリヤたちは顔を俯かせる。だが、すぐにテレーゼは顔を上げ、真剣な表情でヴィクトーリアを見た。
「絶対にリュシアンを取り返してみせる。あたしから大事な人を奪った罪は重いわよ!」
「必ずリュシアン王子はワタクシたちの手で取り戻してみせます」
「リュシアンさんなら姉の仕打ちにも耐えられるって信じています。絶対に迎えに行きますので、それまで待っていてください!」
「オーホホホホ! 安心なさい。ユリヤの時のように、暴力を振るうようなことはしませんわ。でも、精神的苦痛は味わってもらいます」
完全に勝者の顔となり、ヴィクトーリアはユリヤたちを見下す眼差しを送る。
「俺は大丈夫だから、今日は帰って休んでくれ。ユリヤ、テレーゼ、エリーザ姫、俺のために怒ってくれてありがとう」
彼女たちに笑みを送り、俺は仲間達を見送った。
「あなたにやってもらう仕事内容は、全てここに書いてありますわ。午前中に全て終わらせなさい」
翌日、ヴィクトーリアの使用人となった俺は、彼女から仕事を頼まれる。
紙を受け取り、リストを確認する。
仕事内容は雑用ばかりだな。部屋の掃除から庭の整備、食堂で皿洗いの手伝いなんてものもある。
これを全て午前中に終わらせろか。何だかブラックギルドにいた頃のようで懐かしい。何だかワクワクしてきたな。ホワイトな生活に慣れすぎて、効率的に動く思考力が鈍っていないか、確認するいいチャンスだ。絶対に午前中で終わらせてやる。
頭の中で屋敷内の構造を思い出し、今いる場所から効率よく仕事を終わらせるルートを見つける。
よし、このルートで進めば午前中で仕事を終わらせられるはずだ。
仕事の順番を決めると、早速最初の仕事である応接室の掃除を始める。
そしてあっと言う間に午前中の分の仕事を終えたので、俺はヴィクトーリアの部屋を訪ねた。
「ヴィクトーリアお嬢様、俺です。入ってもいいでしょうか?」
「宜しいでしょう。入りなさい」
扉越しに入室の許可をもらい、扉を開けて中に入る。
「あらあら、リュシアン。もう音を上げて許しを乞いに来たのですか? 本当に使えないですわね」
見下すかの様な眼差しをヴィクトーリアが送ってくる。
どうやら俺がたくさんの雑用を押し付けられて、許しを乞いに来たと思っているようだ。
「ご期待に応えられなくて申し訳ありません。午前中の仕事は全て終わったので、その報告に来ました」
「はぁ?」
報告を聞いた彼女は目を丸くした。どうやら自身の耳を疑っているみたいだな。
「リュシアン、いくら何でも嘘はよくありませんわよ。いくら何でも人として情けないですわ」
「いえ、嘘ではありません。証拠に担当している方々から合格のサインをもらっています」
ヴィクトーリアに近づき、ポケットの中に入れていた掃除のリストを取り出して彼女に見せる。
「本当ですわ。使用人全てに合格サインをいただいているなんて。しかも中々合格を出さないと言われている、鬼のコック長にまで合格をもらっているなんて」
信じられないと言いたげな表情で、ヴィクトーリアは部屋にあった時計に顔を向ける。
「まだお昼まで一時間もありますのよ! おかしいですわよ! 絶対に買収しておりますわよ!」
声を上げると、ヴィクトーリアは机の上に置いてあった呼び鈴を鳴らす。
するとしばらくしてボブと変態メイドが部屋にやってきた。
「お呼びでしょうか? お嬢様」
「ボブ、正直に言いなさい。あなたいくら貰ったのですか?」
「いくらとは?」
主が何を言っているのか分からないと言いたげな表情で、ボブが首を傾げた。
それもそうだろう。だって俺は賄賂なんてしていない。全て実力で成し遂げたのだから。
「惚けないでください! あなたはこの男からいくら貰って買収されたのかを聞いているのですよ!」
「お嬢様落ち着いてください。いったい何のことですか? 俺は一ギルも貰っていませんよ」
「そうですか。そこまでしてこの男を守ろうと言うのですね。どうやらお仕置きが必要のようです。主が誰なのかその体に叩き込んであげましょう」
ヴィクトーリアが机の引き出しを開けると、中から鞭を取り出す。
そして先端を床に叩きつけると音が鳴り響いた。
「お嬢様! 誤解です! 俺はこの男に寝返ってなど……ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁ!」
勝手に勘違いをしたヴィクトーリアがボブに鞭を叩き込む。衝撃波によるものか、鞭が打たれる度に彼の服は破けていった。
「お嬢様落ち着いてください!」
鞭打ちされるボブを見て、変態メイドが止めに入る。
さすがにこれはあまりにも酷すぎるからな。
「この男の裸なんて見ても誰も得しません。やるなら私にしてください。そしていた気持ちいい感覚で私に快楽をお与えください」
変態メイドの発言で思わず転けそうになった。
この女は主に対してなんてものを要求するんだよ。
その後もヴィクトーリアの機嫌が収まるまで、ボブに八つ当たりが続くのであった。
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