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第一章『俺がCランク冒険者へと成り上がるまで』
18 討伐クエスト
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「全く、どうして俺たちがガキのお守りみたいなことを……」
最初に俺に声をかけてきた剣士の男……デュークと言った彼は、イライラした様子でそう言った。
ギルドマスターと別れた後、俺とリリィの二人は予定通り彼らと共にドレッドオロチの討伐クエストに出た訳だが、彼はリリィが同行することをあまり良く思っていないようだ。
「まあいいじゃないか。見ていて保養になるのは確かだからね」
「そうそう、純真無垢って言うか? 見ていて癒されるって感じ」
「そうですね。大変可愛らしいと思います。それに彼女を見ていると、何だか冒険者になった頃を思い出して懐かしさすら感じます」
どうやら他3人は違うらしい。
やっぱり可愛いは正義と言うことなのか。
恐るべしリリィの魅力。
「にしたってよ。あの若さでCランク冒険者としてスタート……ってのはおかしくねえか?」
「それはまあ、確かにそうですが。けれど彼女は上級魔術をお持ちなのでしょう? 本来ならBランク……いえ、Aランクでも良いはずです」
「まだ小さすぎるからCランクになってるだけだもんね。上級魔術持ちなんて王都に数人いるかどうかってくらいらしいし」
「そう言う事さ。冒険者においてスキルは絶対。それは君だって分かっているだろう?」
「ぐっ、確かにそうだがよ……」
リーダーであるアレンの言葉がとどめになったのか、デュークは一旦落ち着いたようだ。
それ以降は特に何かを言う事も無く、無言で辺りの警戒に集中していた。
それからいくらか歩いた頃だろうか。
急にリリィが足を止めた。
と同時に、俺もまた前方から異常な殺気が放たれていることに気付き歩みを止める。
「おい、どうした? まさか疲れたとか言わないよな?」
「この先にいます」
「は? いるって何が……いやまさかドレッドオロチか?」
「ええ、まだこちらには気付いていないみたいですが……何かと戦っているみたいです」
幸いにも、放たれている殺気は俺たちに向けたものでは無かった。
恐らくは獲物を襲っている最中なのだろう。
「ふむ、どうしてそんなことが分かるのかは気になる所だが、もし本当に奴がいるのなら警戒するに越したことは無いだろう。各自、戦闘準備をしたまえ」
アレンはそう言ってパーティメンバーに指示を出しつつ、背負っていた大盾を手に取り構えた。
その後、他のメンバーもそれぞれ己の武器を構え始める。
デュークは腰に差していた剣を、軽装備のエルシーは太もものベルトに取り付けていたナイフを、それぞれ抜き取り構えた。
そして聖職者と思われるケアリーは杖を手に何か詠唱を始める。
「慈悲深き我が神よ。我らをお守りください……ホーリーシールド!」
どうやら防護系魔法を発動させたらしい。
俺を除く全員に光の粒が降り注ぐ。
……いや、何で俺だけ対象外なんだよ。
「何ですかその目は。貴方はただの荷物持ちで戦力外なのでしょう? どうせ魔力の無駄になるのなら、最初から使わない方が良いに決まっています」
そりゃそうかもしれないが……まあいいか。
リリィに使ってくれただけでも充分だ。
「準備は済んだようだな。先頭は変わらず私が引き受ける。デュークとエルシーは隙を見て攻撃を、ケアリーは適宜回復魔法と魔法での援護を頼んだぞ」
アレンは皆が準備を終えたことを確認すると、メンバーそれぞれに指示を出した。
的確な指示だ。
皆の強みを活かしたであろう完璧な指示。
彼はBランク冒険者の中でも限りなくAランクに近いらしいし、流石の采配と言うべきだった。
「俺とリリィはどうしましょうか」
「君たちは一旦下がっていてくれたまえ。Fランクの君は元より、冒険者になりたての彼女では私たちの連携の邪魔になりかねないからね」
言い方はアレだが、事実ではあった。
なので特に抵抗することも無く、俺とリリィの二人は後方へと下がって待機する。
「見えた……行くぞ、デューク! エルシー!」
「了解したぜ!」
「まっかせて!」
前方にいるであろうドレッドオロチの姿を確認したのか、前衛3人が駆け出した。
流石にここからだと見えにくいな……。
前で何が起こっているのかわからないのは困る。
ギルドマスターが言うには彼らだけだとドレッドオロチをギリギリ倒せるかどうかと言う所らしいし、何かあった時にすぐに参戦出来るようにはしておきたい。
何かいい方法は……そうだ、跳べばいいのか。
上からなら見通しも良いし、彼らが戦っている様子も見えるはず。
「リリィ、ちょっと離れていてくれ」
「ん、分かった」
念のため、リリィを離れさせた。
「ちょ、ちょっと貴方、何をするつもりなんですか。待機しているように言われたはずですよ」
「大丈夫です、少し跳んで状況を確認するだけですから」
「跳ぶ……ですって?」
ケアリーは困惑している様子だ。
まあ、この荷物で跳ぶなんて今までの俺じゃ絶対に出来なかったことだ。
Fランク冒険者の身体能力でそんなことをすると言えば、そりゃ驚かれるのも当然ではあるか。
かと言って、やめる訳でも無いが。
「よっ……と」
「なっ……!?」
地を蹴り、俺は数十メートルほど跳躍する。
「……あれか」
前方にデカい赤い蛇型の魔物がいた。
もはや考えるまでもない。
あれがドレッドオロチだろう。
直接見るのはこれが初めて……と言うより、今までの俺がアイツの姿が見られる場所に近づこうものなら瞬時に食われていたはずだ。
アイツはそれくらいの化け物なのである。
そんなドレッドオロチだが、前衛3人はかなり善戦しているようだった。
デュークもエルシーも共にBランクの冒険者と言うだけあって、その戦闘力は確かなもののようだ。
的確にドレッドオロチの隙を見つけてダメージを与えている。
一撃一撃は大したものじゃないだろうが、手数で圧倒的に優位をとっていた。
しかし、それすら霞む程の存在が目を引く。
リーダーにして盾役のアレンだ。
彼は強い……いや、もはや強いなんてものじゃないだろう。
仮にも限りなくAランクに近いと言われているだけあって、その強さは他の二人とは段違いだった。
全ての攻撃を瞬時に見抜き、盾で受け止めたり受け流したりしている。
それだけの防御能力を持っていながら、盾による攻撃すらも行っていた。
まさしく英雄と言って良い程の戦いっぷりだ。
……そのはずなのだが、どうにも俺にはあの戦いが物足りなく思えて仕方が無かった。
最初に俺に声をかけてきた剣士の男……デュークと言った彼は、イライラした様子でそう言った。
ギルドマスターと別れた後、俺とリリィの二人は予定通り彼らと共にドレッドオロチの討伐クエストに出た訳だが、彼はリリィが同行することをあまり良く思っていないようだ。
「まあいいじゃないか。見ていて保養になるのは確かだからね」
「そうそう、純真無垢って言うか? 見ていて癒されるって感じ」
「そうですね。大変可愛らしいと思います。それに彼女を見ていると、何だか冒険者になった頃を思い出して懐かしさすら感じます」
どうやら他3人は違うらしい。
やっぱり可愛いは正義と言うことなのか。
恐るべしリリィの魅力。
「にしたってよ。あの若さでCランク冒険者としてスタート……ってのはおかしくねえか?」
「それはまあ、確かにそうですが。けれど彼女は上級魔術をお持ちなのでしょう? 本来ならBランク……いえ、Aランクでも良いはずです」
「まだ小さすぎるからCランクになってるだけだもんね。上級魔術持ちなんて王都に数人いるかどうかってくらいらしいし」
「そう言う事さ。冒険者においてスキルは絶対。それは君だって分かっているだろう?」
「ぐっ、確かにそうだがよ……」
リーダーであるアレンの言葉がとどめになったのか、デュークは一旦落ち着いたようだ。
それ以降は特に何かを言う事も無く、無言で辺りの警戒に集中していた。
それからいくらか歩いた頃だろうか。
急にリリィが足を止めた。
と同時に、俺もまた前方から異常な殺気が放たれていることに気付き歩みを止める。
「おい、どうした? まさか疲れたとか言わないよな?」
「この先にいます」
「は? いるって何が……いやまさかドレッドオロチか?」
「ええ、まだこちらには気付いていないみたいですが……何かと戦っているみたいです」
幸いにも、放たれている殺気は俺たちに向けたものでは無かった。
恐らくは獲物を襲っている最中なのだろう。
「ふむ、どうしてそんなことが分かるのかは気になる所だが、もし本当に奴がいるのなら警戒するに越したことは無いだろう。各自、戦闘準備をしたまえ」
アレンはそう言ってパーティメンバーに指示を出しつつ、背負っていた大盾を手に取り構えた。
その後、他のメンバーもそれぞれ己の武器を構え始める。
デュークは腰に差していた剣を、軽装備のエルシーは太もものベルトに取り付けていたナイフを、それぞれ抜き取り構えた。
そして聖職者と思われるケアリーは杖を手に何か詠唱を始める。
「慈悲深き我が神よ。我らをお守りください……ホーリーシールド!」
どうやら防護系魔法を発動させたらしい。
俺を除く全員に光の粒が降り注ぐ。
……いや、何で俺だけ対象外なんだよ。
「何ですかその目は。貴方はただの荷物持ちで戦力外なのでしょう? どうせ魔力の無駄になるのなら、最初から使わない方が良いに決まっています」
そりゃそうかもしれないが……まあいいか。
リリィに使ってくれただけでも充分だ。
「準備は済んだようだな。先頭は変わらず私が引き受ける。デュークとエルシーは隙を見て攻撃を、ケアリーは適宜回復魔法と魔法での援護を頼んだぞ」
アレンは皆が準備を終えたことを確認すると、メンバーそれぞれに指示を出した。
的確な指示だ。
皆の強みを活かしたであろう完璧な指示。
彼はBランク冒険者の中でも限りなくAランクに近いらしいし、流石の采配と言うべきだった。
「俺とリリィはどうしましょうか」
「君たちは一旦下がっていてくれたまえ。Fランクの君は元より、冒険者になりたての彼女では私たちの連携の邪魔になりかねないからね」
言い方はアレだが、事実ではあった。
なので特に抵抗することも無く、俺とリリィの二人は後方へと下がって待機する。
「見えた……行くぞ、デューク! エルシー!」
「了解したぜ!」
「まっかせて!」
前方にいるであろうドレッドオロチの姿を確認したのか、前衛3人が駆け出した。
流石にここからだと見えにくいな……。
前で何が起こっているのかわからないのは困る。
ギルドマスターが言うには彼らだけだとドレッドオロチをギリギリ倒せるかどうかと言う所らしいし、何かあった時にすぐに参戦出来るようにはしておきたい。
何かいい方法は……そうだ、跳べばいいのか。
上からなら見通しも良いし、彼らが戦っている様子も見えるはず。
「リリィ、ちょっと離れていてくれ」
「ん、分かった」
念のため、リリィを離れさせた。
「ちょ、ちょっと貴方、何をするつもりなんですか。待機しているように言われたはずですよ」
「大丈夫です、少し跳んで状況を確認するだけですから」
「跳ぶ……ですって?」
ケアリーは困惑している様子だ。
まあ、この荷物で跳ぶなんて今までの俺じゃ絶対に出来なかったことだ。
Fランク冒険者の身体能力でそんなことをすると言えば、そりゃ驚かれるのも当然ではあるか。
かと言って、やめる訳でも無いが。
「よっ……と」
「なっ……!?」
地を蹴り、俺は数十メートルほど跳躍する。
「……あれか」
前方にデカい赤い蛇型の魔物がいた。
もはや考えるまでもない。
あれがドレッドオロチだろう。
直接見るのはこれが初めて……と言うより、今までの俺がアイツの姿が見られる場所に近づこうものなら瞬時に食われていたはずだ。
アイツはそれくらいの化け物なのである。
そんなドレッドオロチだが、前衛3人はかなり善戦しているようだった。
デュークもエルシーも共にBランクの冒険者と言うだけあって、その戦闘力は確かなもののようだ。
的確にドレッドオロチの隙を見つけてダメージを与えている。
一撃一撃は大したものじゃないだろうが、手数で圧倒的に優位をとっていた。
しかし、それすら霞む程の存在が目を引く。
リーダーにして盾役のアレンだ。
彼は強い……いや、もはや強いなんてものじゃないだろう。
仮にも限りなくAランクに近いと言われているだけあって、その強さは他の二人とは段違いだった。
全ての攻撃を瞬時に見抜き、盾で受け止めたり受け流したりしている。
それだけの防御能力を持っていながら、盾による攻撃すらも行っていた。
まさしく英雄と言って良い程の戦いっぷりだ。
……そのはずなのだが、どうにも俺にはあの戦いが物足りなく思えて仕方が無かった。
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