婚約者は想像と違います

いつき

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始めての景色 前編

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 今日はシルと2回目の顔合わせだ。
シルの母上は子供だけで遊ぶと言うとすごく心配する。
悪いえいきょうを受けないか心配らしい。

 私の母上は私が子供と遊ぶ機会が無いのが心配なようだ。
前回から少し、ほんの少しだけ甘えてみたりした。
甘えたと言ってもお茶を一緒にしたいといっただけだ。
 
カッコ悪くない。

 シルの話をしたらいたく気に入ってくれた。
母上は私の味方だと言ってくれた。
すごくハグをしたくなったけど、我慢した。
私は殿下なので恥ずかし事はしないのだ。

「今日は何をすんだ?」

「内緒ですよ~」

「何でお前の兄が要るんだ?」

「お母様の言い付けですよ~」

 それはいい、それはいいが…

「…何でずっとだっこされてるんだ?」

会ってからずっとだっこされてる。
挨拶もずっとだ。

「だっこが好きだからですかね?」

「恥ずかしくないのか?」

「何でですか?にーさまは恥ずかしいのですか?」

「全然恥ずかしくないよ。殿下は恥ずかしいみたいだから、シルはハグをしてはダメだよ?」

「わかりました。」

「だめとは言ってない。」

「王族に無礼を働くなんて出来ませんよ~」

わざとか?わざとなのか?
シルと手をつなごうと思ってたのに…
母上には言いづらい、シルなら子供同士だからいいと思ったのだが…
だっこされてると出来ない…

「ハグはぶれいなんですか?お膝は?」

「お膝とはなんだ?」

「お膝は、お父様のお膝の上に座るのです。おやつをあ~んしてくれます。お母様がやくのがかわいいのだそうです。」

「シルお父様の趣味をばらしてはダメだよ。」

「お父様!お待ちしてました。」

「殿下お久しぶりでございます。今日はシルのお願いの手伝いのためなので、少し失礼しますね。」

シルの父上が私を抱っこする。
だっこなんて、無礼ではないのか?

「殿下、これは移動のために必要なのでお許しください。カイはシルのエスコートを頼むよ。」

「もちろんです。」

 これはエスコートなのか?

それから宮殿の屋根裏部屋に行って、シルの兄が窓をくぐって行く。
まさか、私もか?

「殿下、外に出ると高くなっております。しっかりお捕まりください。そしてよろしければ、目を閉じていただけませんか?シルのお願いだそうですよ。」

 同じ男としてもカッコいいと思ってしまう。
だが高いのか。
こ、怖い…カッコ悪いが言っておかねば。

「高い所は怖く感じるのだが、大丈夫だろうか?」

「はい。お声をかけるので、目を開けたら空を見てくださいね。それまでは目をあけたらだめですよ。行きますよ。」

 言われたように、目を閉じてぎゅっと抱きついた。


シルのが行けたのだ、またこの前みたいに置いて行かれたくない。




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