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始めての景色・後編
しおりを挟む「殿下、上を向いてゆっくり目を開けてください。」
「わかった。」
大丈夫、空は怖くない。
「殿下。怖いと感じたらすぐ言ってくださいね。」
「わかった。」
正直少し怖い、屋根の上にたってないか?
「にーさま、にーさま、たかいたかいをしてください!」
「シルは高い所が好きだね~あれはお父様が下に居ないと出来ないんだよ。」
怖い話しが聞こえたが、気のせいだ!
想像したらだめだ!
私は何も聞いてない!
「殿下、殿下。お約束の景色ですよ。殿下が将来おさめる国が良く見えますよ。向こうのお山の向こうも、あっちのお山の向こうも。あっちの海もってお父様が言ってました。とってもとっても広くて国王陛下は大変だから、皆でお助けするのです。国王陛下はたまに泣いてしまってお祖父様に甘えるそうですが。人前で泣かないからいいんだと言ってました。」
「シルそれは喋っちゃだめって言われなかった?」
「……殿下は家族なのでいいのです。」
「お父様は怒られたくないから、お祖父様と国王陛下に告げ口するね。」
「お母様が最近…おっと。お母様との秘密でした。お父様と…なんて恥ずかしくてお母様は言えないって~シルはお父様を見習って約束は守りますよ~」
「お父様は疲れてるのか、さっきの話は忘れてしまったよ。お母様がなんて?」
「男性は女性の寝間着なんて興味が無いかしら、お父様の好みを買いたいけど、恥ずかしくてきけないと呟いてました!」
「寝間着…恥ずかしい…偉いぞシル!」
親に買収まがいの事をしてないか?
でもこの景色はすごい。
陛下が泣くなんて想像したこともなかった。
「陛下も人間なんだな…」
「ふふ、殿下は一度陛下と話した方がいいですね。1日だけ時間ができるか、お義父様に聞いて見ましょう。」
「迷惑をかけたくはない。大丈夫だ。」
「迷惑どころか、陛下は泣いて喜びますよ。」
「私と話すのを喜んでくれるのか?」
「はい、必ず。」
陛下でも、泣きながらでも国をおさめているんだ。
私も泣くほど辛くても頑張らねば。
泣いてしまえばなぐさめてもらえばいい。
シルはどうやってなぐさめてくれるだろう。
屋根から室内に戻るときつい下を見てしまって、少し涙が出たがシルが頭を撫でてくれたので、良かったと思う。
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