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第3章

第236話 きのこ

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 ダンジョンの入り口の前で俺は指差呼称を始めた。

「防具ヨシ!武器ヨシ!岩ヨシ!食料ヨシ!お尻拭きヨシ!ハンカチとティッシュヨシ!トイレは・・・済ませた!皆いっくぞおおおおお!」

「なんですかそれ!?今日の栃郎さんはテンションが高いですね!」

「あっ!ひょっとしてあんた昨日森で採れたあれ食べたんじゃないでしょうね?」

 昨日周りを確認した時に松茸を発見し、密かに焼いて食べている所をニーナに発見され、ハイになるから食べてはいけないきのこだと言われたのでそれ以上は食べなかった。
 みっちゃんに監視されながらその場で松茸もどきを破棄させられたんだ。
 つまり松茸にしか見えない別物でした。

 だから朝からハイで、少し変だった。

「勿体ないけどぜーんぶ捨てたの見ただろ!さあとっとと行って屋敷に帰ろうぜ」

 確かに廃棄したのを見たわねとみっちゃんは頷き、護衛に見送られながらダンジョンへと足を踏み入れた。

 この世界に来てから初めてのダンジョン。
 興奮するぜ!

 ゴツゴツする岩の道を進む。半径3mほどの半円のトンネルといった感じだ。

 岩がゴツゴツしていて、おお!川○xxx探検隊だ!と妙にテンションが高い。

 コケたら痛いし、擦り傷だらけだよなぁ!としみじみと思う。

 足元が悪いので、1時間に2キロも進んでいないが、昔の事だがニーナが入った時にはロープなどいらなかったとの事で、特に急ぐ必要はないし、いざとなれば俺の飛翔でなんとでもなる。

 で、1時間ほど歩くと獣型の魔物がわんさかと出てきたが、各自が持つ武器にて戦う。
 魔法はいざとなる時まで温存だ。

 だが、サクッと倒していき、魔物は魔石に姿を変えて行った。
 放置すると踏んだ時に危ないからと魔石を回収していく。

 気の所為かなだらかに下っており、段々気味が悪くなってきた。
 あっ!きのこの影響です。

 俺も剣を持っているが、あまり役に立たない。
 剣の技がしょぼく、剣自体の能力に依存しているからだ。
 2時間程歩くと俺は泣いていた。
 きのこの反動は躁鬱を繰り返すのだとかで、もろにそれだった。

 同じ物を食べたアイリーンは元気ハツラツで羨ましい。

 魔物は散発的に現れるも、数が多いのがネックだが脅威判定は低い。
 それよりも魔石を回収するのが面倒なのだ。

 お昼の時間になり、交代で休憩を取る。
 俺はトイレを出したりするが、本来お尻丸出しでう○こやお○っこをするので、特にニーナが嬉しそうだった。

 以前来た時、1番の敵はトイレだったと。

 ニーナは1人で来ていたが、お尻丸出しで用を足している時に魔物が来たりして、下半身丸出しで戦う事があったりと大変だったと言う。
 汚い話だが、決して笑ったり馬鹿にできないのがトイレ事情だ。

 人数が多いので順調に進んでいき、予定通りの場所に来ているとの事。
 夕方になったので野営をするのだが、見張りは交代交代でする。
 しかし、見張り当番から俺だけ外された。
 食事の用意などは俺がするからで、夜になり漸くきのこの毒が抜けて正常に戻ったのだった。
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