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第3章

第237話 サキュパス?

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 野営を開始した時に、進んだ道を大まかに確認していたが、なだらかなカーブが多いのと、方位磁石が働かない事から正確には分からないが、山の中腹から地下の中心部へと向かっているような気がする。

 それなりの傾斜角で下っており、既に標高だけを考えると500mは下ったのかと推測した。
 
 道に分岐はあるが、程なくして行き止まりとなり、メインの道をひたすら進む。

 ニーナの話だと半日も進むと目的地、つまり山の底に当る所に辿り着く。

 そこはひらけた空間だったという。
 そこにいた何者かと戦い勝利したニーナは剣聖の力と体の一部を交換する事を持ち掛けられ、女性器~子宮までを求められ、当時15歳だったニーナは力を求め女性としての尊厳を差し出した。

 なぜその部分を欲しがったのかは10年後に、つまりあと3年後にその者の子を孕ませる為だと。
 産んだら剣聖はそのままで返すと言われていたが、あと2年位で訳の分からぬ奴から知らぬ間に犯される事を意味する。

 当時その意味を理解できていなかったという。

 ただ、それまでに返して欲しければ剣聖の力を喪うのと、その孕ませようとしている相手を殺さないといけないとハードルは高い。

 その相手は魔王と言われていたと。
 次期魔王を宿す母体になるのだが、信じなかったと。

 処女性を喪ってでも剣聖の力が欲しいと、当時はそう思ったと。
 契約した相手は女神か女魔族という。

 漸くニーナは過去に何があったのか語り出した。

 そして夜が明けて行動開始だが、昨夜は魔物の1体も出なく平和な野営だった。

 今日で全てが終わる?
 ニーナは魔王のではなく、俺の子を生みたいと皆に土下座をしていた。
 勿論と皆に言われ、取り戻そう!となり、もう剣聖の力に別れを告げたと吹っ切れていた。

 そして進み出してから30分程すると、オーガやサイクロプス等の大型の魔物が出始め、歩みが遅くなり始めた。

 流石に瞬殺はできないので、1体出ると数分は掛かってしまう。
 脇道から出て来る事もあり、慎重に進まざるを得なくなった。

 そんな中、二股の尻尾を持つサキュパス風のトップレスの雌が現われ、おっぱいに釘付けになっていると、運命の人だと確信し、あのような女がいるなんて素晴らしい!
 触れたい!やりたい!きすしたい!孕ませたい!
 そんな感情に支配され、ソロリソロリと近付いて行く。

 腕を伸ばしあのおっぱいは俺のだ!もまいでか!と唸りながら近付く。

 俺の異変に気が付いた誰かが矢を射かけた。

 その女性の右胸に矢が深々と突き刺さる。
 俺は倒れたその女性を助けるべく駆け寄り、2射目を剣で弾いた。

「いかん!チャームに支配されたぞ。あの魔物を殺すんだ」

 慌てたニーナが皆に指示を出すのであった。

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