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第1章

第46話 オーガの群れ

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 レオンとアイリーンは、ポカーンとしながらオーガが消え去る様子を見ていた。

 ドロップは魔鋼鉄のダガーで、ニーナは残念そうにしていたが、気の所為かチッと舌打ちをしていた。それとアイリーンの矢を回収した。

「へー。潰した後って血や肉片が無いからひょっとしてとは思ったけど、魔物はこうやって消えて行くんだ!」

「まるでアニメやゲームみたいですね!」

 ニーナはキョトンとしていたが、既にオーガの侵入経路を探すべく周りを見ていた。

 その後、矢を回収したアイリーンは、アーチェリー用の弓と矢をレオンに渡し、収納に入れて貰った。

 レオンはアイリーンが持っていた弓と矢はどこから持ってきたのか分からなかったが、アーチェリー用なのだが、この世界は現代の地球で使われているような弓矢が有るんだなと感心していた。

 ドロップを回収した後、皆で侵入経路を探した。結局隣の小部屋の窓が壊されており、そこから入ってきた。窓には格子があったが、引き千切られていた。人の侵入を防ぐ為の物であり、格子を外してから人が侵入するのは、警備の兵士達に見つかるから格子は有効だったが、今のように魔物が闊歩する所で侵入を防ぐ事は考慮されていない。ましてや見咎める者もいない。

 取り敢えず岩で塞ぎ、各部屋を巡って行く。

 途中収納に有った物で昼食を済ませ、その後一切合切を取り込んでいった。飾られている絵画、花瓶、壺、調度品等も収納し、ほぼ引き渡されたばかりの城の状態になった。

「レオン、ここで最後だ。もう目ぼしい物は無いぞ」

「うん。そろそろ夕方だよね。町に向かいましょうか」

「お、終わったのね!」

 アイリーンはクタクタだったが、レオンはテンションがやたらと高かった。

「そう言えばあんな弓何処にあったっけ?」

「うん。買ったの」

 レオンは、はっ!?何言ってんの?となった。修学旅行に何故か弓矢を持ってきていたからだ。ひょっとしたら、修学旅行だと思い込んでいたけど、アーチェリーの強化合宿とかで、県内外から選手が集まっていたのか?と思ったが、男子は学生服だったが、女子は同じデザインのセーラー服だったから、同じ学校だと思われる。

 確かに分解すれば旅行カバンに入らなくはない。だが、意味が分からなかった。矢が目に刺さったからそれなりに弓の腕前は有ると思うが・・・後で聞こう。

「それにしても見事な腕だな。見た事のない弓矢だが、異世界の弓なのだな」

「アーチェリーって言うんです」

「えっと、そろそろ城を収納しちゃうから、2人共警戒ヨロ!オッケー
 ?」

「あっはい!私は大丈夫です」

「アタイも大丈夫だ」

「よおし、じゃあしまうねー!いっくよー」

 レオンは軽いノリで城を収納にしまう。

 アイリーンは?となっていた。こんなにノリが軽い人だったかしら?と。

 城が消えると、俺達は窪地にいる形になるのだが、窪地の周りに多くの魔物の気配を感じた。

「おい、レオン、気が付いたか?」

「今まで気が付かなかったけど、囲まれているね。どうしよう?」

「飛べるか?」

「問題ないよ。じゃあトンズラで良いか?」

「アタイは大丈夫だが、2人は厳しいだろう。別に相手にする必要は無いぞ」

「じゃあ飛びますか!アイリーン!抱っこするよー!ニーナはしっかり捕まって落ちないようにね!じゃあ行くよ!シュワッチ!」

 そうして空の人になったが、先程と同じようなオーガが10体程いた。

 それを尻目にレオンはニーナが指示する方に飛んでいくのを一旦止めた。

「なあ、あの魔物って倒した方が良くないか?」

「バカを言うもんじゃないよ。さっきのを見たろ?下を見ろ、10体はいるんだぞ。アタイも3匹位なら1人でなんとかなるが、お前達がいる中であの数は無理だぞ」

「安全に倒す事が出来るなら?」 

「確かにあの数が人里に向かうと被害が出るだろうから、倒す事が可能なら殺った方が良い。だがな、下手をするとお前達が死ぬんだぞ」

 レオンは不思議に思う。ニーナは岩を出すのを見ているよね?と。

「じゃあ、5秒で全部倒すと言ったら?」

「そうだな。アタイのおっぱいを5秒間揉ませてやるよ」

「ハレンチさんは駄目です!メっ!ですよ!」

「堅いねぇ。じゃあ、後でお姉さんによるお姉さんのスペシャルマッサージをしてやるよ」

 アイリーンがジト目だ。

「よおうし!よく見ていてよ!俺の収納がすんばらしいって事を!とりゃあー!ぺったんこさん行きまーす!」

 レオンは眼下目掛け、足の先からをイメージして1番岩を放出。ニーナのマッサージがどんなのか楽しみだ。まさか?あっち系のですか?イヤイヤイヤイヤ、それは不味いでしょ。アイリーンに嫌われる。それだけは避けねばならない!ニーナは俺達、特にアイリーンを弄って遊んでいるからな。さっきのおっぱいもアイリーンをからかっていたもんな。本気に受け取るから、更に弄られるんだよ!アイリーンよ!それはまあ、良い。良くはないけど、1番岩の範囲に全部いるよな?行きますか。

 ヒューン、ドッゴーン!と見事に10体を潰したはずだ。

「出ました~レオンの18番、ぺったんこさん!レベルがまた上がったよー!」

「アタイとした事が忘れていたよ。さっき城を出す場所をこうやって均していたんだったな。実に見事だな。それにしてもBランクの魔物の群れをこうもあっさり倒すとは、いやはや」

 俺は褒められたのもあり、上機嫌で降下していくのであった。
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