エラーから始まる異世界生活

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第4章

S級昇格祝い

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 day29

 朝5時前に起きて二人を起こさないようにベッドから出て、着替えに寝室に戻ろうとしたら既に起きていた。起き抜けに短時間だが可愛がってあげた。

 着替えて街をランニングしてみた。
 それとなく貴族街走り抜けると、屋敷が一つ全焼していて、眠そうな騎士が歩哨をしていた。
 直ぐ近くにある屋敷の周りには兵士が取り囲んでいてその屋敷には近づけなかった。
 兵士にそれとなく聞くと、何でも王城に兵を差し向けて、王を殺そうとした兵士の雇い主だとか。逃亡を防ぐのに取り囲んでいるという。朝、責任者が到着したら攻め入るから、ここは危険になるから近づかない方が良いと教えて貰った。

 どうやらあいつらは俺の目的通りに踊ってくれたようだ。

 30分位走り、屋敷の庭に戻り、稽古を始めようとして大事な事を忘れているのを思い出した。
 馬車小屋に向かう。
 死体が並べられたままだった。既に金品や装備は回収しているのでもう死体は不要だった。なので収納に入れていく。

 稽古をする前にふと気になり馬を見るとトリシアが馬の世話をしながら何かを話しかけていた。
 トリシアに声を掛けて、馬の世話の仕方を教えて貰った。
 馬は温かかった。

 トリシアに剣の稽古に付き合って貰ったが、彼女の剣技は我流で、どちらかというと邪道な部類だ。騎士のような上品な剣じゃなく、生きるの必死な剣だ。
 足や手で砂を投げつけて怯んだ隙に足を狙ってきたり、トリッキーな動きが多かった。
 6時位になるとセバスチャンとフレデリカが出てきて暫く剣の稽古を付けて貰った。
 俺に不足しているのはちゃんとした剣の使い方だった。
 スキルではなくて、体が覚える実技だ。
 戦闘術で言うと俺は柔道があるので、格闘術のアドバンテージが有るが、私兵の隊長と切り結んだときに実感した。
 剣の技は大幅なステータス差を補うのに十分な効果があると。

 カトレアとレフトアイと我が家の前衛陣がやはり朝の稽古に出て来ていた。

 暫くするとメイドの一人がもう少しで食事の準備が出来るのと、お風呂を準備してあるのでどうぞと言うので女性陣を連れて向かった。
 我が家の男衆は3階を使わせている。

 4人と一緒に風呂に入ったが鍛えられた姿は俺の心を滾らせて行く。

 残念ながら何事もなく風呂を出て用意された服に着替え朝食になった。
 実は椅子が足りず、部屋の机用のを持ってきている。
 注文したのがまだ来ていないなら隣街かその隣街に買い出しに行く事と成った。

 今日の予定は男四人は各自のパートナーを連れて服を買いに行く。お金は生活必需品を買うようにと多目に渡してある。靴も買うようにと。彼女達は何も持っていない。屋敷も燃えたし。って俺が燃やしちゃった。てへ

 昼は庭でバーベキューをすると決めていて、準備をお願いしてある。

 俺はギルドに呼ばれていて行く事にした。
 食事を終えた後、シェリーとクレアを伴いギルドに行った。

 ギルドマスターから昨日の顛末を教えて貰った。
 オルクス家の3女の邸宅が燃えた。
 オルクス家が兵を城内に忍び込ませて王城に襲撃をして、失敗に終わったと。
 俺が関係しているとは誰も思っては居いなかった。

 3女の屋敷を襲撃した時は俺は馬車小屋で死体の検分をしていた事になっており、屋敷から火の手が上がった時に俺が小屋を出る所をギルドマスターが見ていてたのでアリバイがある。城の襲撃の犯人がオルクス家と何故に分かったかを聞くと、顔を見知った奴がいて、死体の検分時に判明したという。

 丁度今頃はオルクス家当主と一族一同が国家反逆罪で捕まっている頃だろうと話してくれた。

 俺は頷いた。今回の騒動はオルクス家の内紛と国家に対する反逆罪、3女の乱心とで片が付く。念の為3女はどうなるのかを聞くと、屋敷が焼けたときに死んだだろうと、もし生きていたら捕まり処刑されると言うのだった。

 俺は損害の請求は出来ないそうだ。当主や一族が全て国家反逆罪で捕まる為だ。

 取り敢えず今回の騒動の話しは早々に切り上げた。

 先日の盗賊討伐で俺は既にS級に上がったのだが、カード更新がまだだった。
 今晩俺のS級カードの授与式と祝いの席を設けると言うので、屋敷の全員を連れて行く事となった。

 話が終わり屋敷に帰ると11時位だった。   
 既にバーベキューの準備が出来ていたので、早速始めた。

 やり方は教えたが、この世界にバーベキューは無かったので、俺が中心的になり、焼いて行った。

 実はバーベキューをやろうとしたのは、武器屋で1.5mx0.5m位の板状の盾をみつけた為だ。

 綺麗に塗装を剥がして、鉄板に変身させて、石で釜戸を作って焼き始めた。
 俺はひたすら焼いたが、食べるのに困る事はなかった。皆が

「あーんして下さいね」

 と食べさせてくれたからだ。
 段々エスカレートして、口移しを始めてきて、中には咀嚼してのもあり、俺も調子に乗りヘラで格好付けて切り分けてたり、酒を入れて火を付けたりとしたら、前髪が焦げたりと中々盛り上がり、口一杯に頬張ったトリシアの顔を見て笑い転げたりと久し振りに大いに笑い転げた。

 終わった後は俺も片付けをしようとしたが却下され、フレデリカとニーベリングに屋敷に引っ張られ、寝室に押し込まれた上に押し倒されてしまった。三人共に満足する頃には着替えてギルドに行く時間になっていた。

 そんなこんなでギルドに着いた。

 祝いは訓練場でやるというので向かうと既に多くの冒険者や、ギルド関係者でごった返していた。
 中央に何やら木が置いてある。まるでキャンプファイアーをするあれである。

 訓練場にはテーブルにクロスが掛けられて大量の料理が出されていた。
 俺の姿に気がついたギルドマスターが壇上に上がり大声で喋りだした。

「注目」

 と怒鳴り、静かになり、皆が注目したのを確認すると、演説を始めた。

「今日は集まって貰い感謝する。皆も知っていると思うが、今日は一年半ぶりに新たなS級冒険者が生まれた。まあ恒例の祝の席だ。紹介しよう」

 と俺を手招きして隣な行くと

「若干18才で、登録後僅か一月でS級になった、最短記録を更新したランスロットだ」

 と紹介した。
 周りから拍手が起こる。

「知っての通り、ここにいる我らが受付嬢のナンシーを落としたすけこましでもある」

 と言うと爆笑とブーイングが起こる。

「我らがにっくきすけこまし君に挨拶をしてもらおう。それとプラチナのギルドカードだ」

 前振りもなく投げつけられて突如挨拶をする事になってしまった。
 ここには総勢200名近くがいる。
 やめて欲しいと思うが、格好をつける。

「俺は紹介されたすけこましだ。俺のモットーは売られた喧嘩は買う。そして倒したら小便掛けてサムズアップする事だ」

 と言うと笑いが聞こえた 

「来るものは拒まないが、野郎は来んなよ!おれはすけこましだからさ!」

 とサムズアップするとなんか飛んできた。
 女性の下着だ。しかもブラが頭に乗っかってしまったりするものだから皆笑う。

「俺はこの街に来てまだ一月だが、この街が好きだ。貴族はくそだが、女は綺麗だ!」

 皆笑う。調子に乗ってきた。

「俺は女は好きだが、権力者は嫌いだ。貴族に困ったら俺を頼れ。礼儀を持って接する限り、こちらも礼をもって接する。俺はこの街の事が好きだ。今日は俺を祝ってくれてありがとう!今日は存分に楽しみ、明日を生きる活力にしよう。兄弟達よ、姉妹達よ!皆の幸運を!この町に感謝する。そして今日のこの席に感謝する。乾杯!』

 とカードを掲げた。

 そしていつの間にか渡された大ジョッキをイッキ飲みした。

 ヒューと言う感嘆の唸りが多く聞こえて宴が始まった。
 S級冒険者が誕生すると、ギルドが祝の席を設け、一種のお祭り騒ぎがあるそうだ。

 皆歓談して食事を楽しんでいると、若い冒険者が大きな音を立てて注目を集めて

「それではランスロット様に火を付けて貰いましょう!」

 と俺にキャンプファイアーに火を着けるように松明を渡してきた。そいつは周りから袋叩きにあい、唐突過ぎると叩かれていた。

 俺は場を盛り上げるのに、火の着いた松明をもう2本貰い、ジャグリングをして見せて、皆が口をぽかんとしてるのをどや顔で見ながら、仰々しく火を着けた。

 火が着くと皆がキャンプファイアーを囲み踊り出した。
 踊る相手を短時間で変えていき、陽気に踊る。俺も見よう見真似で躍り、人一倍弾けてた。ナンシーやシェリーとも踊り、他の受付嬢や、知らない冒険者とも踊った。俺は主賓なので、一度踊った相手とは踊らないのがルールで、異性と一度は踊らないといけなかった。
 楽しかった。
 途中でシェリーの歌が披露され、俺も調子に乗り、マイケルのスリラーを躍りつきで熱演し、アース・ウィンド&ファイアーのメドレーを披露して盛り上げた。
 セレナにアイズレーブラザーズの、ビトゥイーン・ザ・シーツを捧げ皆がうっとりとしていた。バリバリのラブソングだから、破壊力満載だ。

 ****80,90年代の曲ですがお薦めです。*****

 そんなこんなでお開きになったが酔っ払った俺は知らない女の生乳を揉みながらキスをしていた。先程ブラを投げてきた女だ。トリシアに見付かり頭を叩かれながら会場を後にした。

 気がついたらレジアナとミアプラが隣で寝ていた。可愛がってたような気がする。もみもみしながら眠いので再び寝ていった。
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