エラーから始まる異世界生活

KeyBow

文字の大きさ
上 下
79 / 527
第4章

工作

しおりを挟む
 day30

 5時頃目覚めると二人がぐっすり寝ている。
 俺は着替えて走り込みに行った。
 朝の凜とした空気が好きだ。
 まだ皆が寝静まっていて人気のない絶妙な空気感。昔は明け方に一人で車を走らせたもんだ。当時の愛車は69じゃ無くて86だ。

 屋敷に戻るとトリシアが相変わらす馬の世話をしている。
 俺は何も言わずただ一緒に体を拭いて、ブラシを掛けて行く。この優しく馬の世話をするトリシアが好きで、思わず後ろから抱き付いてしまった。

「トリシア好きだよ。」

 只その一言を言うだけだがしかしまだ16なので抱けない。愛したいが年齢的にいけない事なのだと葛藤している。

 こちらの世界に来て1月になる。
 色々有ったがあっという間に結婚までしているが。ふと自分がとんでも無い事をしたと自覚した。

「20名以上の純潔を散らしてしまった。取り返しのつかない事をしてしまった。俺はなんて事をしてしまったんだ」

 と気が付くと呟いて呆然と立ち竦んでいた。そして膝をつき泣いていた。
 そうするとトリシアが黙って俺の頭を抱き寄せてお腹で泣かせてくれていて気が付くとトリシアが膝枕をしてくれており、頭を撫でてくれている。やがて俺は落ち着いた。

「ありがとう。もう落ち着いたよ。助かった!」

 トリシアは立ち上がった俺の背中に黙って優しく抱き付いてくれて

「無理すんなよ。ランスはいつも無理ばかりして一人で背負い込み過ぎるんだよ。たまには俺の事抱いても良いんだぜ!なんなら今からここで良いぜじゃなく良いですわよ」

「ありがとうな。でもたまも何もまだ君とは躰の関係はまだないんだよ。でも気遣ってくれてありがとな」

 といい稽古を始めた。

 暫くして前衛衆が出揃い稽古に熱が入る。
 そして何時ものように風呂と食事をする。

 日常の些細な事だが、俺が一番必要としているのはそんな些細な日常とちょっとした優しさだった。志郎の壊れた心を癒すのはそんな日常の些細な事で、ふと幸せを感じる時だ。

 朝食の後シェリーに文字の読み書きを教えて貰い始めた。
 意外な事にシェリーは教え上手だった。そして甘え上手だった。

 今日はブラックスワンはギルドで依頼を受けてくると言う。彼女達は既にB級になっていた。実力も備えており、若手の中では飛び抜けていた。

 男3人のファイヤークリスタルも依頼を受けに行った。

 俺はと言うと久し振りに武器屋に武器を売りに行く事とした。たまにはおっちゃんに強化武器を売ってやらないとな

 俺は執務室に行き新たなパーティーについて考えた
 ブラックオニキスにウリアとエルフのミザリィを加えて
 俺と副官のシェリー、全体の副長にナンシー、セレナの6名

 フレデリカに任せるのは
 盗賊のミアプラと商人のセッカ、元貴族のサラ、副長にニーベリングの5
 名

 クレアをリーダーとしてエトワールを副長、獸人のアンバー,アヤメと後方支援でカトレアの5名
 チーム名はムーンライト
 こんな感じかな。

 と言う事でギルドで仕事をするナンシー以外のブラックオニキスは武器を売りに行く事とした。

 ムーンライトとムーンストーンにはギルドで依頼を受けるようにさせる。

 因みにナンシーの専属は俺のクランと言う扱いになった。男衆もそんな中だ。

 武器店で馬車の中でせっせと作った武器を9種45本一気に持っていき、オヤジを泣かせてやった。
 全部で2100万に成った。うはうはだ。
 それと俺がS級に成った事を知っていた。
 強化武器は飛ぶように売れるという。
 次に服屋でまたもや買い出しだ。俺の服は大事なプレゼント以外殆ど放出してしまったんだと思い出した。
 なので大量に買った。
 ウリアとミザリィのを一通り選ばせて、シェリー達も買っていく。
 何時もの採寸を行ったり、靴屋でも何時もの行動を行う。
 単独男子禁制の店で食事を行い忘れ物が無いか確認した後、ふと思い追加で小屋とトイレを買った。
 屋敷に帰り、荷物を各自の部屋に置いてから俺は先日1台作った移動用トイレの追加分の作成に着手する事にした。

 今日買ったのを含め3台分あるので一気に3台作る事にした。
 馬車小屋にて行う。普段馬車は俺の収納に入れている。
 その為普段は専ら作業小屋になっている。
 3時間ほどで出来上がったのだが小屋にはいつの間にやら手の空いている者が皆集まってきていた。集中していて小屋に人が何人も入って来ている事に気が付かなかった。

 出来上がりの2台をセレナに渡して、アイテムボックスに収納して貰った。セレナのアイテムボックスは俺の奴隷に成ってから容量が増えており、10倍の5トンまでいけるようになっていた。しかも今までは無かった時間停止も。一度奴隷契約を解除したら0.5トンに戻ってしまっていたので、俺の奴隷契約の恩恵と確認できた。
 ただ容量に上限があるので無茶は出来ないが、万が一俺と離れてしまったり、それが無くても別チームを率いる事も有るのだろうからとトイレも渡しておいた。これで俺が2台、セレナが2台だ。

 皆喜んでいた。特に一緒に旅をしていない面子は驚いていた。
 他にもテント3帳に内部拡張を行いセレナに持たした。便利な事に一度拡張すると、一般人5人分程度の魔力を注入すれば再び拡張した内部サイズのなり、約12時間で元の大きさに戻ると言うマジックアイテムになってしまっている。
 ついでに男衆用にシングル用の小型テントを4帳買いこれにも施した。
 また小型のテントは5帳程買って同じ処理をして倉庫に置いておく。
 各パーティーが野営を伴う依頼を行う場合に荷物を減らす処置だ。1人用テントの為入り口は狭いが、中は20畳位にまで拡張できた。

 見ているメンバーに

「工作なんかしてるの見ててもつまんないだろうにみんな物好きだな」

 とぼやくとシェリーに怒られた

「何を言ってるのですか!とても大事な事ですよ!トイレを、移動中のトイレを作ってくれてるんですよ!女性にとって大事な事だから見ちゃいますよ!それにランスの格好いい姿を皆見たいんだからね」

 と一気に言われて周りも頷いていました。
 丁度夕食時間が近づいていて、30分位有ったのでパーティーメンバーで風呂に入った。セレナは恥ずかしそうにしていたが、パーティーとして行動するとき俺は聖人である。
 セレナが俺のある部分がお休み中で有るのを恥ずかしそうにチラ見をしていたのは分かっていたので、ずっと休んで貰うように努力した甲斐も有り、お風呂を上がった後紳士ですねと言われて気分が良かった。

 夕食後シェリーが読み書きを1時間位行ってくれた。お礼に1戦交えた後自室に帰って行った。

 ウリアとミザリィの超美形2人が今日の添い寝の当番だった。
 破壊力有り過ぎな組み合わせで盛り上がり夜中にようやく眠りに落ちていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

KeyBow
ファンタジー
 日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】  変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。  【アホが見ーる馬のけーつ♪  スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】  はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。  出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!  行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。  悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!  一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!

ザ・タワー 〜俺にしかできない魔石を鑑定する能力!魔石を使っての魔法&スキル付与!この力で最強を目指す〜

KeyBow
ファンタジー
 世界初のフルダイブ型のVRMMOゲームにダイブしたはずが、リアルの異世界に飛ばされた。  いきなり戦闘になるハードモードを選んでおり、襲われている商隊を助ける事に。  その世界はタワーがあり、そこは迷宮となっている。  富や名誉等を得る為に多くの冒険者がタワーに挑み散っていく。  そんなタワーに挑む主人公は、記憶を対価にチート能力をチョイスしていた。  その中の強化と鑑定がヤバかった。  鑑定で一部の魔石にはスキルや魔法を付与出来ると気が付くも、この世界の人は誰も知らないし、出来る者がいないが、俺にはそれが出来る!  強化でパラメータを上げ、多くのスキルを得る事によりこの世界での生きる道筋と、俺TUEEEを目指す。  タワーで裏切りに遭い、奴隷しか信じられなくなるのだが・・・

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜

KeyBow
ファンタジー
 主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。  そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。  転生した先は侯爵家の子息。  妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。  女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。  ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。  理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。  メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。  しかしそう簡単な話ではない。  女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。  2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・  多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。  しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。  信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。  いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。  孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。  また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。  果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・

異世界召喚された俺は余分な子でした

KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。 サブタイトル 〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。

名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

処理中です...