快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

sky-high

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不毛な同棲生活

ナツの最期

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目の前で山下が殺された…
次は、オレの番か。

足がすくんで動けない。このコンテナの中から、助けを求めても誰も来ない。
辺りは真っ暗な野原だ。

覆面の男は、ナツの知り合いなのか?

「 아직 죽이지 말아(まだ殺さないで)」

何を言ってるんだ?

「亮ちゃん…亮ちゃんは私の物なの。だから亮ちゃんを他の女に取られたくないから、このまま死んでもらうの、いいでしょ?」

狂ってる…

ナツはオレの目の前で服を脱ぎ、全裸になった。

「亮ちゃん。最期に亮ちゃんの子種ちょうだい。そして、亮ちゃんの子供を私が育てるから…だから安心して死んでね」

何を言ってんだ、コイツ…

目の前で首が切断されてるのに、これからセックスなんて出来るワケないだろ!


「미안하지만 밖에 받을래? (悪いけど外に出てくれる?)」

何を言ってんのか、丸っきり分からない。

「 빨리 끝나라.(早く終わらせろよ)」

男はそう言うと、コンテナの外に出た。

オレの横には、首の無い山下の死体が。

足元には、切断されて転がっている頭が…

「んもう、邪魔ね!」

ナツは山下の頭を蹴り飛ばした。

コイツ…目の前で人が殺されてるのに、何とも思わないのか?

「ひ、一つ聞きたいんだが」

声が上ずっている。

「お前は韓国の人間か?」

「んふ…さぁ、どうでしょう?亮ちゃんには、私が日本人に見えないの?」

素性を知られたくないから、全ての郵便物をオレに見せないようにしていたのか。

「お前、あのユキって女を殺ったのか?」

「ユキ?亮ちゃんは私の物よ。そんな女知らないわ」

ナツはオレのベルトを外し、チャックを下ろした。

「お、お前、居酒屋で一緒にいたユキって女と高校の同級生なんだろ」

こんな状態でセックスしようって、正気の沙汰じゃない。

「…んー、あぁ、あの不細工な女ね。亮ちゃんあんな不細工より、私のような美人の方がいいでしょ?」

チャックを下ろされ、ズボンを脱がされた。
恐怖で抵抗が出来ない。

「お前、22才なんてウソだろ?ホントは28才なんだろ!」

「何言ってるの?私は22才、亮ちゃんの一つ下よ」

…硬直していた身体が、少し動かせるようになった。
だが、抵抗しても、いずれはあの覆面男に殺される…

「どうせオレは死ぬんだろ?だったら、教えてくれてもいいだろ?」

ナツは面倒くさそうに話した。

「全く…そんな事知って、どうなるの?私はね、韓国籍の女よ。
広瀬奈津美なんて名前は、亮ちゃんに近づく為の偽名。
本名は朴 奈津美(パク なつみ)。下の名前は本名よ。
あの不細工な女と高校の同級生?あれは、あの女が勝手に私の事を同級生に似てるから、勘違いしてただけ」

ならば、ユキは何故、殺されたんだ?

「だったら、何でアイツは死ななきゃなんないんだ?おかしいだろ?」

ナツは構わず、オレのパンツを下ろした。

「亮ちゃん、今日はフェラでイッちゃだめよ。ちゃんと私の中でイッてね。でもフェラでイキたいなら、もう一回しましょうね」

ナツは縮こまった、オレの肉棒を握りしめ、頬ずりしていた。

こんな時に、勃つヤツなんていないだろ?

ナツを突き飛ばした。

「お前、ユキを殺したんだろ?そうだろ?」

「…あの女がいけないのよ。私の正体を知ったからね。それに私の事、整形女!って言ったのよ。失礼しちゃうわよね。だから、あの女は消したの。
まぁ、手を出したのは私じゃないけどね」

韓国籍と知られるのが、そんなに都合が悪い事なのか?
在日韓国人なんて、いっぱいいるじゃないか。
なのに何故、知られただけで殺すんだ?

「ナツ!韓国籍だという事を知られるのが、そんなに嫌なのか?」

ナツの表情が急変した。

「当たり前でしょ!アンタ達日本人には分からないのよ、在日の事を!私がどんな思いで、この日本を過ごしたのか…
迫害されて、差別されて…何で同じ日本に住んで、こんな仕打ちされなきゃなんないの?」

…オレは在日韓国人の苦労なんて知らない。だが、それでも日本で暮らしてる人々は大勢いる。

なのに、国籍がバレただけでユキを殺すのか…

「あの女、私が在日だと知ったら、整形だの、差別するような事を言ったのよ!
勝手に同級生だと勘違いして、間違いだって分かった途端、手のひら返しで私を罵って…」

ナツとユキの間に、何があったのかは知らない。

在日の韓国人って、そんなに差別を受けたのか…

でも、殺すなんて間違ってる!

「ナツ!オレは日本人だろうが、韓国人だろが、欧米人だろうが関係ない。
国じゃないだろ?もっと大事な事があるだろ?
日本人の中には、韓国籍のヤツラと仲良くしてる人もいるんだ!今まで付き合ってきた人が悪いだけなんだ!
ナツ!いい加減、目を覚ませ!」

オレの言葉が効いたのか、ナツは目を潤ませた。

「亮ちゃん…今までゴメンね、ウソついて。
実はね、私…頼まれたの」

「…頼まれた?誰に?」

…その時だった。ナツが何かを言おうとしたのを遮るかのように、キラリと刃物が一瞬光った。次の瞬間、ナツの首が胴体から離れた…

山下の時と同じように…

「ナツ!!」

その背後には、例の覆面男が立っていた…
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