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お母様の過去(この話しは必見だよ~)
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私は憂鬱だった。
シオンと一緒に暮らせる様になり、新しい国を建国する事が決まってからは、すぐにこんな日が来ると思っていた。
そう、周辺国への使者として、それなりの者を連れ行かなければ門前払いを受けてしまうからだ。
しかし、今回は私達アクエリアス一家しかそれに該当しないため、家族で周辺国を廻らなければならなかった。
「それにしても、新しい都市アスタリスクには驚いたわね………」
シオンが修道院送りになり、最初は戸惑い混乱したけど、すぐに私の持てる権力、資金、人材全て使い、救出の手配をしてシオンを不当に扱った者達の制裁を実行した。
その上で、私の愛する夫が言ってきたのだ。
「シオンはすでに、多くの種族と関わりを持ち楽しく暮らしているそうだ。どうだろうか?私達がシオンのすぐ側に引っ越すと言うのは?」
シオンの領地の事を調べていたとき、ナダクズ子爵の不正を掴んでいた。それを使えば、子爵家を取り潰し、アクエリアス家が代わりに治める事も可能だった。
そう、その時はそのくらいにしか思っていなかったのだ。でも報告から多種族と楽しく暮らすシオンを見て考えが変わった。ファーランド王国は人間国家であり、多種族には排他的だったからだ。
まだ帝国はかつて他国に侵略し、領土としたため多種族には寛容的だった。その迫害され隠れて暮らしている多種族と仲良くなり、一緒にご飯を食べ、遊び、協力して魔物と戦い暮らしていく。
王国の常識では考えられない事だった。でも、多種族が手を取り合い暮らすなんて夢物語をシオンは実現していた。だったら私達もシオンを見習い、共存共栄の道を模索できるのではないだろうか?
各種族の強みを生かして得意なことで貢献していく。無論、価値観が違うこともあるので少しずつ寄り添って行けばいい。
そして、自分達の理想を実現するために独立することを話し合って決めた。如何に公爵家でも、国に属する貴族でしかない。なら、独立して自分達で自由に政策を打ち出せるようになった方が良いという話しになったのだ。
念入りに、何ヵ月も準備して住民達にも村長や町長に話を通じて、ようやく実行に移した。
その後はシオンに会えた喜び以上に、シオンの作った城塞都市や首都アスタリスクを見て驚いたわ。この世の物とは思えない建造物に、表情には出さなかったけど凄く驚いたのよ。
これは想像を超えていた出来栄えだった。作ったシオン自身も驚いた顔をしていたのは笑ってしまったわね。
さて、楽しい事を思い出して現実逃避しても仕方がない。これか会う両親の事を考えると憂鬱になってしまうのだ。
私の父親は先帝陛下であり、正室の王妃から産まれたれっきとした姫だった。ただ、私は王妃から産まれた3番目であり、二人の兄がいた。側室も男子と女子を【先に】何人か産んでいたので、産まれた順番は7番目であり、姫としては3番目であった。
帝国は実力主義であったが、実子であった我が兄達は共にプライドだけ高いだけの無能で、平民を見下すように育ったため地方に飛ばされた。そして少し揉めたが、先帝陛下の体調が悪くなった事も重なり、現在の皇帝は先帝陛下の弟である方が皇帝を務めている。
他の私の兄妹は爵位を賜り、それなりに満足して暮らしているそうだ。
長々となったが、私は実の両親に会いたくないのである。
子だくさんな帝室にて、私は小さい頃から魔術の才能に目覚め、通常の魔法使いよりも何倍も魔力量が多く、強力な魔法もどんどん覚えていった。淑女のレッスンは行っていたが、私は魔法にのめりこみ、周りからは変わった姫として囁かれた。
魔法の練習と平行して魔道具の開発にも力を入れて様々な魔道具を開発した。
今では定番の、魔法使いが持っている魔力増強のロッドの宝石も私が開発したものだ。従来より向上率の高い物をね。
私はそれなりに国に貢献している自負があった。
しかし、上の兄がバカをやったせいで私は会ったこともない、隣国のアクエリアス公爵家へ嫁がなければならなくなった。
いずれは帝国の姫として、義務を果たさなければならないと思っていたが、【16歳】で嫁ぐ事になるとは思っていなかった。
まぁ、帝国内では強大な氷の魔術を得意とし、50人規模の盗賊を全て氷付けにしたことから、【氷姫】の2つ名で呼ばれる様になり、帝国内では貰い手が無いからであろうと想像していた。
ただ、先帝が体調を崩し帝位を譲るゴタゴタの時に嫁げというのは、厄介払いしたかったとも思えた。
趣味からのめり込んだ魔法であったが、私は両親に認めて貰いたかったのかも知れない。
それなのに、厄介払いされて悲しかったのだ。
それから私は隣国へ嫁いだ。特に両親の見送りもなく…………
初めて旦那様を見たとき、私は内心舞い上がった。好みのドストライクだったからだ。少し一緒に暮らして、性格も良いとわかった。だけど旦那様は私に関心がなく、酷い態度は取らないが、無関心が1番私には堪えた。
少し経って、長男を産み、妹を産んだが貴族としての義務としてであり、夫婦仲は冷えていった。
シオンが2歳になり、喋れるようになって来たときに、拙い言葉で泣きながら私達に訴えたのだ。それは赤子とは思えないほどの必死さが伝わってきた。
私はこんな自分の子供にまで悲しい想いをさせまいと、この数年間の想いを旦那様に訴えた。
旦那様もシオンの必死さが伝わったのか、その日は人払いをして、二人でじっくりと話し合った。私は実家に恥を忍んで帰る事も辞さない気持ちで打ち明けると、なんとも単純な事がわかった。
旦那様はただの照れ屋さんで、私の前では恥ずかしくて無口になっていただけとわかった。旦那様も私に一目惚れしたことを打ち明け、私が旦那様を嫌いだと思い、避けるようになったそうだった。
それからは世界が変わった。全てが輝かしい物に見えて、私は良く笑うようになった。
今までメイドにさせていたシオンの世話も、出来る限り自分でするようになった。
子供の世話は本当に大変だとわかり、メイド達には特別手当てを出したぐらいだ。
長男のクオンにも寂しい思いをさせないよう、平等に愛してきた。だからこそ、自分の子供を厄介払いした両親が許せなく、会いたくなかったのだ。
しかし、帝国の使者として私以上の人物もいないため、シオンを連れてやって来た次第である。
シオン、お母さんに勇気を頂戴ね!
シオンと一緒に暮らせる様になり、新しい国を建国する事が決まってからは、すぐにこんな日が来ると思っていた。
そう、周辺国への使者として、それなりの者を連れ行かなければ門前払いを受けてしまうからだ。
しかし、今回は私達アクエリアス一家しかそれに該当しないため、家族で周辺国を廻らなければならなかった。
「それにしても、新しい都市アスタリスクには驚いたわね………」
シオンが修道院送りになり、最初は戸惑い混乱したけど、すぐに私の持てる権力、資金、人材全て使い、救出の手配をしてシオンを不当に扱った者達の制裁を実行した。
その上で、私の愛する夫が言ってきたのだ。
「シオンはすでに、多くの種族と関わりを持ち楽しく暮らしているそうだ。どうだろうか?私達がシオンのすぐ側に引っ越すと言うのは?」
シオンの領地の事を調べていたとき、ナダクズ子爵の不正を掴んでいた。それを使えば、子爵家を取り潰し、アクエリアス家が代わりに治める事も可能だった。
そう、その時はそのくらいにしか思っていなかったのだ。でも報告から多種族と楽しく暮らすシオンを見て考えが変わった。ファーランド王国は人間国家であり、多種族には排他的だったからだ。
まだ帝国はかつて他国に侵略し、領土としたため多種族には寛容的だった。その迫害され隠れて暮らしている多種族と仲良くなり、一緒にご飯を食べ、遊び、協力して魔物と戦い暮らしていく。
王国の常識では考えられない事だった。でも、多種族が手を取り合い暮らすなんて夢物語をシオンは実現していた。だったら私達もシオンを見習い、共存共栄の道を模索できるのではないだろうか?
各種族の強みを生かして得意なことで貢献していく。無論、価値観が違うこともあるので少しずつ寄り添って行けばいい。
そして、自分達の理想を実現するために独立することを話し合って決めた。如何に公爵家でも、国に属する貴族でしかない。なら、独立して自分達で自由に政策を打ち出せるようになった方が良いという話しになったのだ。
念入りに、何ヵ月も準備して住民達にも村長や町長に話を通じて、ようやく実行に移した。
その後はシオンに会えた喜び以上に、シオンの作った城塞都市や首都アスタリスクを見て驚いたわ。この世の物とは思えない建造物に、表情には出さなかったけど凄く驚いたのよ。
これは想像を超えていた出来栄えだった。作ったシオン自身も驚いた顔をしていたのは笑ってしまったわね。
さて、楽しい事を思い出して現実逃避しても仕方がない。これか会う両親の事を考えると憂鬱になってしまうのだ。
私の父親は先帝陛下であり、正室の王妃から産まれたれっきとした姫だった。ただ、私は王妃から産まれた3番目であり、二人の兄がいた。側室も男子と女子を【先に】何人か産んでいたので、産まれた順番は7番目であり、姫としては3番目であった。
帝国は実力主義であったが、実子であった我が兄達は共にプライドだけ高いだけの無能で、平民を見下すように育ったため地方に飛ばされた。そして少し揉めたが、先帝陛下の体調が悪くなった事も重なり、現在の皇帝は先帝陛下の弟である方が皇帝を務めている。
他の私の兄妹は爵位を賜り、それなりに満足して暮らしているそうだ。
長々となったが、私は実の両親に会いたくないのである。
子だくさんな帝室にて、私は小さい頃から魔術の才能に目覚め、通常の魔法使いよりも何倍も魔力量が多く、強力な魔法もどんどん覚えていった。淑女のレッスンは行っていたが、私は魔法にのめりこみ、周りからは変わった姫として囁かれた。
魔法の練習と平行して魔道具の開発にも力を入れて様々な魔道具を開発した。
今では定番の、魔法使いが持っている魔力増強のロッドの宝石も私が開発したものだ。従来より向上率の高い物をね。
私はそれなりに国に貢献している自負があった。
しかし、上の兄がバカをやったせいで私は会ったこともない、隣国のアクエリアス公爵家へ嫁がなければならなくなった。
いずれは帝国の姫として、義務を果たさなければならないと思っていたが、【16歳】で嫁ぐ事になるとは思っていなかった。
まぁ、帝国内では強大な氷の魔術を得意とし、50人規模の盗賊を全て氷付けにしたことから、【氷姫】の2つ名で呼ばれる様になり、帝国内では貰い手が無いからであろうと想像していた。
ただ、先帝が体調を崩し帝位を譲るゴタゴタの時に嫁げというのは、厄介払いしたかったとも思えた。
趣味からのめり込んだ魔法であったが、私は両親に認めて貰いたかったのかも知れない。
それなのに、厄介払いされて悲しかったのだ。
それから私は隣国へ嫁いだ。特に両親の見送りもなく…………
初めて旦那様を見たとき、私は内心舞い上がった。好みのドストライクだったからだ。少し一緒に暮らして、性格も良いとわかった。だけど旦那様は私に関心がなく、酷い態度は取らないが、無関心が1番私には堪えた。
少し経って、長男を産み、妹を産んだが貴族としての義務としてであり、夫婦仲は冷えていった。
シオンが2歳になり、喋れるようになって来たときに、拙い言葉で泣きながら私達に訴えたのだ。それは赤子とは思えないほどの必死さが伝わってきた。
私はこんな自分の子供にまで悲しい想いをさせまいと、この数年間の想いを旦那様に訴えた。
旦那様もシオンの必死さが伝わったのか、その日は人払いをして、二人でじっくりと話し合った。私は実家に恥を忍んで帰る事も辞さない気持ちで打ち明けると、なんとも単純な事がわかった。
旦那様はただの照れ屋さんで、私の前では恥ずかしくて無口になっていただけとわかった。旦那様も私に一目惚れしたことを打ち明け、私が旦那様を嫌いだと思い、避けるようになったそうだった。
それからは世界が変わった。全てが輝かしい物に見えて、私は良く笑うようになった。
今までメイドにさせていたシオンの世話も、出来る限り自分でするようになった。
子供の世話は本当に大変だとわかり、メイド達には特別手当てを出したぐらいだ。
長男のクオンにも寂しい思いをさせないよう、平等に愛してきた。だからこそ、自分の子供を厄介払いした両親が許せなく、会いたくなかったのだ。
しかし、帝国の使者として私以上の人物もいないため、シオンを連れてやって来た次第である。
シオン、お母さんに勇気を頂戴ね!
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