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四章 異世界旅行編 1 オリーブ王国を離れ東へ
304 旅の行く末 と オアシスの街
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王都を出て早一月、砂漠を北側から迂回してカズ達一行の馬車はひた走る。
道は石と砂が混じり合い、多少ではあるが踏み固められている感じはある。
だが走りやすいという道ではない。
石が多いと馬車の車輪が消耗し、砂が多いと車輪が埋まり進みが遅くなる。
一度砂嵐でも起きれば、車輪の跡は消えてしまい、道が分からなくなってしまう。
カズはマップのスキルがあるため、道に迷うことはないが、視界に捉えることができないほど遠い場所や、山向こうなどはマップに表情されないので、結局はマッピングをしながら旅をすることになる。
新しい街に着く度に、高い所から見渡せる場所に行きマップを埋める必要がある。
路地を一本一本見て回るより、この方が手っ取り早い。
もちろんそれで全てが表情されるわけではない。
ガタガタと走る馬車では、乗り疲れてへばる女性三人の姿があった。
日暮れを迎える前に風を遮る壁を土魔法で作り、焚き火をして夕食の仕度をする。
冷える季節になったが昼間の砂漠はやはり暑い、しかし夜になると急激に冷えて息は白くなり凍えそうなる。
カズは三人と馬車を引く馬に、熱耐性と寒冷耐性の効果が付与してある物を身に付けさせた。
ビワとアレナリアには指輪を、レラは小さいので腕輪にした。
馬には首輪のような物を巻いてある。
どれも露店で売っている安物だ。
スキルでサイズや形を加工調整して、必要な効果を付与して使おうと買っておいた物だ。
寒さで震えるという事はないが、少しは冷えを感じはする。
耐性はあくまで、それを軽減するだけ。
それでもないより遥かにましだ。
強い耐性を与えることも出来たかも知れなかったが、今回カズはそれをしなかった。
自分自身が得ているスキルならいいのだが、長い間アイテム等で強い耐性を与え、体がそれに慣れてしまうと、通常時の体が弱くなってしまうかもと、カズは考えていた。
付与した指輪を渡す際に、少しだけ問題はあった。
アレナリアは左手の薬指に指輪をはめようとして、ビワも同じ様にしたので、カズはそれをやめさせた。
この世界に結婚指輪の文化はないはずなのに、なぜかアレナリアはその指を選んだのかは不明。
アレナリアが理由を聞いてきたが、カズは話題を変えてお茶を濁した。
カズは砂漠に入ってから毎夜〈アラーム〉を使い、一人で焚き火を絶やさないようにして夜を明かしている。
レラ、ビワ、アレナリアの女性三人は、馬車の中で寝るようにさせていた。
予定ではあと少し進むと、オアシスを囲む小さな街があるはずであった。
≪ 一ヶ月前 ≫
色々な人達と出会い住み慣れてきた街に別れを告げ、大通りを東に進み、王都から出る手前の街で一泊、その夜ジルバはカズに役に立てばと、自分が現役の冒険者だった頃の話した。
ある程度大きな街なら、どの国にも冒険者ギルドは存在する。
ただし国同士の行き来が少ないと、強さによるランクの基準が違う事を教えてくれた。
オリーブ王国でBランクの実力があっても、モンスターや賊などの討伐依頼が多い国では、Cランクの実力として見られ扱われてしまう事もあり、逆もまたしかりだと。
ギルドカードは、どこの国でも……という訳ではないが、殆どの国で身分証として使えるはずとジルバは言う。
ビワの故郷だと思われる東の国には行った事がないので、正確な場所は不明だとカズは聞かされた。
噂程度の話で聞いた場所では、大陸の遥か東より、更に東に行った場所だと言う。
だったら西から海を渡って向かった方が、早くて近いのではとカズか言うと、ジルバは首を傾げて不思議そうな顔をした。
と言っても、ビワの過去を思い出す旅をでもあるので、東へ向けて進むのに変わりはない。
しかし西から海を渡って行くと言った時のジルバの反応と、ビワの種族に関して気になったので、カズはその事を尋ねた。
するとここで、カズは新たな事実を知る事になった。
オリーブ王国の西はずっと海が広がっており、その先は世界の果てと呼ばれる場所だと聞かされた。
西にある世界の果ては、海の一部が滝となり暗闇へと落ちるか、空へと昇りいずれは雨となり降る、と。
その話を聞いたカズは衝撃を受けた、この世界が地球のような球体ではないことを。
今さら自分の常識が通じる訳がない。
そう自分が今居る場所は、エルフやドワーフにドラゴンなどモンスターが存在し、スキルや魔法がある世界だと、カズは改めて理解した。
考え込んだ様子のカズを見て、ジルバは話を変え、これから進むルートについて話した。
砂漠を越えるのは時間が掛かり、一日で昼の暑さと夜の寒さが交互に訪れる環境下で、五十日以上を過ごさなければならないと。
そこでジルバは北から迂回するルートを行く方が良いと提案した。
南のルートより寒さは厳しいが、一ヶ月は早く砂漠を抜けられると。
それでも馬車で走って、二ヶ月程かかると聞かされた。
北のルートで唯一の街は、一ヶ月程馬車で走った所にある、国境手前オアシスの街だという。
そこは以前、ルータの商売で何度か行った事のある街で、場所柄盗賊が現れる事は殆どないと。
街を出ても逃げ隠れる場所が近くにないからだという。
だがここ数年、マーガレットが倒れてからは、遠出をしなくなったので、もう何年も訪れてはないと。
ジルバ話を聞いたカズは、北のルートを通って行くことにしたのだった。
ビワの種族が今になって気になったのは、今までビワに会った誰しもが、オリーブ王国では珍しい狐の獣人だと言っていたのを聞きていたからだ。
しかしマーガレットがビワを紹介した時、確かに【半妖】と言ったのをカズは覚えていた。
ジルバが言うには、ビワを保護した後で、信用できる者に分析して調べてもらったが、一部のステータスは見ることが出来なかったらしい。
それでも種族が分かったのは、ジルバが種族売買をする賊を、ギルドと協力して討伐した際に、その連中が所持していた資料から知ったと。
偶然にも、それがビワを捕らえていた賊であった事から分かったと話した。
未だに種族売買をする組織が存在する可能性は高いから、気を付けるようにと、ジルバはカズに念を押して話を終えた。
そして翌朝ビワがカズ達の馬車に乗り、南北に分岐する道でまで進むと馬車は止まる。
ルータとジルバが馬車から降り、カズ達一行と最後の別れをする。
「カズさん、家族共々お世話になりました。道中お気を付けて」
「こちらこそマーガレットやメイドの皆さんには親切にしていただき感謝しています」
「ビワをよろしくお願いします」
「はい。お任せください」
「いつでも戻って来て構わないからねビワ。以前の記憶を取り戻して、本当の家族と会えることを祈ってるよ」
「はい旦那様。今までお世話になりました。私…必ず戻ってきます」
「カズ殿にこれを」
「手紙ですか?」
「奥様から預かっておりました。別れの際に渡すようにと」
「マーガレットさんからですか」
「国を出てから読んでほしいとのことです」
「そうなんですか? 分かりました」
ルータとジルバ、それにトラベルスパイダーのトラちゃんと別れ、双方別々の道を行く。
≪ そして現在 ≫
砂漠に入ってから三十五日目の昼、ようやくオアシスの街が視界に入る。
昼の休憩以降は止まらず馬車を走らせ、暗くなる前には街に入ることができた。
馬車を停められる宿屋を探し、街にあるオアシス近くの宿を見つけ部屋借りた。
夕食は宿屋近くの飲食店で済ませる。
名物料理はサボテンのサラダ、サンドワームのステーキ、デザートクラブの殻焼きだった。
サンドワームは女性三人が、名前を聞きたくないほど嫌がっていたので、夕食はサボテンとデザートクラブになった。
三人があれ程までに嫌がったのは、砂漠に入り五日程たった頃に、4m程のサンドワームが三体、馬車を襲ってきたのを見たからだ。
ただそれだけなら、そこまで嫌がらないとは思うが、アレナリアが「気持ち悪い」と言い、襲ってきたサンドワームを、エアースラッシュで切り刻んでしまったのを見たからだろう。
ちなみに切り刻まれたサンドワームは、三人が嫌がっていたので回収せず、カズがアースホールを使い地中に埋めた。
そのまま放置すると死臭に誘われ、他のモンスターが来かねないからだ。
そうこうしている内に、四人の元に料理が運ばれて来た。
サボテンはスティック状に切って出され、味付けはマヨネーズと塩が別皿で出された。
食べるとポキポキして良い食感、例えるなら味の薄いキュウリ。
カズが知っているサボテンとは違っていた。
確かにこれだと、何かしらのソースが欲しくなる。
昼間の砂漠で汗をかいているから、どちらかというとマヨネーズよりは塩が欲しくなる。
次に運ばれて来たのは、足を縦に割られて、そのまま殻ごと網の上で焼かれたデザートクラブ。
カズが王都で倒した個体より小さい。
それでも丸ごと一本は大き過ぎるため、一人分を30㎝程に切られ出された。
フォークで中の身を取り出し口に運ぶ。
四人は一口で『これは旨い!』と感じ、すぐに次の身を口に放り込んだ。
カズはうっすらとデザートクラブの殻焼きに覚えがあり、味の記憶をたどり思い当たった。
スーパーの駅弁祭りで買って食べた事のある、タラバガニの弁当その味だった。
その後四人は無言になりながらデザートクラブを平らげ、夕食に満足して宿に戻った。
宿屋から見えるオアシスは、月明かりでも底がハッキリ見えるほど、水は透き通っていた。
宿屋の人に話しを聞くと、北に見える山に積もった雪が解け、地下水となって涌き出ている、との事だ。
カズは東へ進むルートについて聞くと、冒険者ギルドがあるからそこで聞くといいと言われ、翌朝情報収集がてら行ってみることにした。
三人の部屋に行き、翌朝ギルドに出掛けると伝え、カズは一人部屋に戻って就寝した。
道は石と砂が混じり合い、多少ではあるが踏み固められている感じはある。
だが走りやすいという道ではない。
石が多いと馬車の車輪が消耗し、砂が多いと車輪が埋まり進みが遅くなる。
一度砂嵐でも起きれば、車輪の跡は消えてしまい、道が分からなくなってしまう。
カズはマップのスキルがあるため、道に迷うことはないが、視界に捉えることができないほど遠い場所や、山向こうなどはマップに表情されないので、結局はマッピングをしながら旅をすることになる。
新しい街に着く度に、高い所から見渡せる場所に行きマップを埋める必要がある。
路地を一本一本見て回るより、この方が手っ取り早い。
もちろんそれで全てが表情されるわけではない。
ガタガタと走る馬車では、乗り疲れてへばる女性三人の姿があった。
日暮れを迎える前に風を遮る壁を土魔法で作り、焚き火をして夕食の仕度をする。
冷える季節になったが昼間の砂漠はやはり暑い、しかし夜になると急激に冷えて息は白くなり凍えそうなる。
カズは三人と馬車を引く馬に、熱耐性と寒冷耐性の効果が付与してある物を身に付けさせた。
ビワとアレナリアには指輪を、レラは小さいので腕輪にした。
馬には首輪のような物を巻いてある。
どれも露店で売っている安物だ。
スキルでサイズや形を加工調整して、必要な効果を付与して使おうと買っておいた物だ。
寒さで震えるという事はないが、少しは冷えを感じはする。
耐性はあくまで、それを軽減するだけ。
それでもないより遥かにましだ。
強い耐性を与えることも出来たかも知れなかったが、今回カズはそれをしなかった。
自分自身が得ているスキルならいいのだが、長い間アイテム等で強い耐性を与え、体がそれに慣れてしまうと、通常時の体が弱くなってしまうかもと、カズは考えていた。
付与した指輪を渡す際に、少しだけ問題はあった。
アレナリアは左手の薬指に指輪をはめようとして、ビワも同じ様にしたので、カズはそれをやめさせた。
この世界に結婚指輪の文化はないはずなのに、なぜかアレナリアはその指を選んだのかは不明。
アレナリアが理由を聞いてきたが、カズは話題を変えてお茶を濁した。
カズは砂漠に入ってから毎夜〈アラーム〉を使い、一人で焚き火を絶やさないようにして夜を明かしている。
レラ、ビワ、アレナリアの女性三人は、馬車の中で寝るようにさせていた。
予定ではあと少し進むと、オアシスを囲む小さな街があるはずであった。
≪ 一ヶ月前 ≫
色々な人達と出会い住み慣れてきた街に別れを告げ、大通りを東に進み、王都から出る手前の街で一泊、その夜ジルバはカズに役に立てばと、自分が現役の冒険者だった頃の話した。
ある程度大きな街なら、どの国にも冒険者ギルドは存在する。
ただし国同士の行き来が少ないと、強さによるランクの基準が違う事を教えてくれた。
オリーブ王国でBランクの実力があっても、モンスターや賊などの討伐依頼が多い国では、Cランクの実力として見られ扱われてしまう事もあり、逆もまたしかりだと。
ギルドカードは、どこの国でも……という訳ではないが、殆どの国で身分証として使えるはずとジルバは言う。
ビワの故郷だと思われる東の国には行った事がないので、正確な場所は不明だとカズは聞かされた。
噂程度の話で聞いた場所では、大陸の遥か東より、更に東に行った場所だと言う。
だったら西から海を渡って向かった方が、早くて近いのではとカズか言うと、ジルバは首を傾げて不思議そうな顔をした。
と言っても、ビワの過去を思い出す旅をでもあるので、東へ向けて進むのに変わりはない。
しかし西から海を渡って行くと言った時のジルバの反応と、ビワの種族に関して気になったので、カズはその事を尋ねた。
するとここで、カズは新たな事実を知る事になった。
オリーブ王国の西はずっと海が広がっており、その先は世界の果てと呼ばれる場所だと聞かされた。
西にある世界の果ては、海の一部が滝となり暗闇へと落ちるか、空へと昇りいずれは雨となり降る、と。
その話を聞いたカズは衝撃を受けた、この世界が地球のような球体ではないことを。
今さら自分の常識が通じる訳がない。
そう自分が今居る場所は、エルフやドワーフにドラゴンなどモンスターが存在し、スキルや魔法がある世界だと、カズは改めて理解した。
考え込んだ様子のカズを見て、ジルバは話を変え、これから進むルートについて話した。
砂漠を越えるのは時間が掛かり、一日で昼の暑さと夜の寒さが交互に訪れる環境下で、五十日以上を過ごさなければならないと。
そこでジルバは北から迂回するルートを行く方が良いと提案した。
南のルートより寒さは厳しいが、一ヶ月は早く砂漠を抜けられると。
それでも馬車で走って、二ヶ月程かかると聞かされた。
北のルートで唯一の街は、一ヶ月程馬車で走った所にある、国境手前オアシスの街だという。
そこは以前、ルータの商売で何度か行った事のある街で、場所柄盗賊が現れる事は殆どないと。
街を出ても逃げ隠れる場所が近くにないからだという。
だがここ数年、マーガレットが倒れてからは、遠出をしなくなったので、もう何年も訪れてはないと。
ジルバ話を聞いたカズは、北のルートを通って行くことにしたのだった。
ビワの種族が今になって気になったのは、今までビワに会った誰しもが、オリーブ王国では珍しい狐の獣人だと言っていたのを聞きていたからだ。
しかしマーガレットがビワを紹介した時、確かに【半妖】と言ったのをカズは覚えていた。
ジルバが言うには、ビワを保護した後で、信用できる者に分析して調べてもらったが、一部のステータスは見ることが出来なかったらしい。
それでも種族が分かったのは、ジルバが種族売買をする賊を、ギルドと協力して討伐した際に、その連中が所持していた資料から知ったと。
偶然にも、それがビワを捕らえていた賊であった事から分かったと話した。
未だに種族売買をする組織が存在する可能性は高いから、気を付けるようにと、ジルバはカズに念を押して話を終えた。
そして翌朝ビワがカズ達の馬車に乗り、南北に分岐する道でまで進むと馬車は止まる。
ルータとジルバが馬車から降り、カズ達一行と最後の別れをする。
「カズさん、家族共々お世話になりました。道中お気を付けて」
「こちらこそマーガレットやメイドの皆さんには親切にしていただき感謝しています」
「ビワをよろしくお願いします」
「はい。お任せください」
「いつでも戻って来て構わないからねビワ。以前の記憶を取り戻して、本当の家族と会えることを祈ってるよ」
「はい旦那様。今までお世話になりました。私…必ず戻ってきます」
「カズ殿にこれを」
「手紙ですか?」
「奥様から預かっておりました。別れの際に渡すようにと」
「マーガレットさんからですか」
「国を出てから読んでほしいとのことです」
「そうなんですか? 分かりました」
ルータとジルバ、それにトラベルスパイダーのトラちゃんと別れ、双方別々の道を行く。
≪ そして現在 ≫
砂漠に入ってから三十五日目の昼、ようやくオアシスの街が視界に入る。
昼の休憩以降は止まらず馬車を走らせ、暗くなる前には街に入ることができた。
馬車を停められる宿屋を探し、街にあるオアシス近くの宿を見つけ部屋借りた。
夕食は宿屋近くの飲食店で済ませる。
名物料理はサボテンのサラダ、サンドワームのステーキ、デザートクラブの殻焼きだった。
サンドワームは女性三人が、名前を聞きたくないほど嫌がっていたので、夕食はサボテンとデザートクラブになった。
三人があれ程までに嫌がったのは、砂漠に入り五日程たった頃に、4m程のサンドワームが三体、馬車を襲ってきたのを見たからだ。
ただそれだけなら、そこまで嫌がらないとは思うが、アレナリアが「気持ち悪い」と言い、襲ってきたサンドワームを、エアースラッシュで切り刻んでしまったのを見たからだろう。
ちなみに切り刻まれたサンドワームは、三人が嫌がっていたので回収せず、カズがアースホールを使い地中に埋めた。
そのまま放置すると死臭に誘われ、他のモンスターが来かねないからだ。
そうこうしている内に、四人の元に料理が運ばれて来た。
サボテンはスティック状に切って出され、味付けはマヨネーズと塩が別皿で出された。
食べるとポキポキして良い食感、例えるなら味の薄いキュウリ。
カズが知っているサボテンとは違っていた。
確かにこれだと、何かしらのソースが欲しくなる。
昼間の砂漠で汗をかいているから、どちらかというとマヨネーズよりは塩が欲しくなる。
次に運ばれて来たのは、足を縦に割られて、そのまま殻ごと網の上で焼かれたデザートクラブ。
カズが王都で倒した個体より小さい。
それでも丸ごと一本は大き過ぎるため、一人分を30㎝程に切られ出された。
フォークで中の身を取り出し口に運ぶ。
四人は一口で『これは旨い!』と感じ、すぐに次の身を口に放り込んだ。
カズはうっすらとデザートクラブの殻焼きに覚えがあり、味の記憶をたどり思い当たった。
スーパーの駅弁祭りで買って食べた事のある、タラバガニの弁当その味だった。
その後四人は無言になりながらデザートクラブを平らげ、夕食に満足して宿に戻った。
宿屋から見えるオアシスは、月明かりでも底がハッキリ見えるほど、水は透き通っていた。
宿屋の人に話しを聞くと、北に見える山に積もった雪が解け、地下水となって涌き出ている、との事だ。
カズは東へ進むルートについて聞くと、冒険者ギルドがあるからそこで聞くといいと言われ、翌朝情報収集がてら行ってみることにした。
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