一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
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~第1部~ 第1章 別れと出会い
第12話 自問自答 ~優香SIDE~ 1
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~優香SIDE~
その日の夜。
お風呂の浴槽に深々と肩まで浸かった私は、今日という日に起こった一連の出来事を思い返していた。
川で溺れた美月を、同じクラスの男子が助けてくれた。
「紺野蒼太くん……」
小さなつぶやきはしかし、静かな浴槽内だからか私の耳に妙に大きく届いた。
そんな蒼太くんとは2年生になって初めて同じクラスになったけど、半月経っても話したことはなくて。
どちらかというとクラスではあまり目立たない方だけど、隣のクラスの葛谷さんって綺麗な女の子と付き合っていることだけはなんとなく知っていた。
そんな程度の薄い関係しかなかった蒼太くんが今日、美月を助けて家まで送り届けてくたことで偶然仲良くなったのだ。
「美月がすっごく懐いてたよね。おかげで初めて話したのにすっごく話が弾んじゃった」
美月はかなりの甘えんぼさんだけど、それはあくまで家族限定の話だ。
家族以外の、しかも会ってすぐの男の子にあんなに懐く美月を見るのは初めてだった。
「いつの間にか蒼太おにーちゃんとか呼んじゃってるし……それじゃほんとのお姉ちゃんの私の立場がないじゃないの。なんてね、ふふっ」
もちろん今のは冗談だ。
姉の自分が言うのもなんだけど、美月はとてもよくできた妹だった。
明るくて礼儀正しくて、しかも可愛くて愛嬌があって。
きっと将来はモテることだろう。
「蒼太くんかぁ……今まで話したことがなかったから知らなかったけど。優しくて、誠実そうで。なんかいい感じだったな……結構好きかも?」
…………
……
「――って、何を言ってるのかな私!? 初めて話した男の子を好きになっちゃうとか、さすがにお尻が軽すぎでしょ!?」
なんだかものすごい答えに行きつきかけた私は、思わず大きく目を見開くと浴槽の中で勢いよく立ち上がってしまう。
ザバァン!
大きな音を立てて浴槽のお湯が大量に流れていった。
「はぅ、やっちゃった……」
もう一度、湯船につかり直すと追い炊きボタンを押す。
すぐにお湯が供給されはじめ、浴槽は瞬く間に元の深さを取り戻した。
「だ、だいたい蒼太くんには葛谷さんって彼女がいるんだし――あ、でも振られたって言ってたよね……?」
『あいつ、俺だけじゃなくてイケメン医大生とも付き合ってたみたいでさ。向こうがデートしてる時に偶然鉢合わせたら速攻で振られちまったんだ』
別れ際、蒼太くんが言っていたのを思い出す。
その時垣間見た蒼太くんの切ない表情を思い出すだけで、私の胸はなぜかキュッと強く締め付けられてしまった。
「なんだろうこの気持ち……」
自分の気持ちなのによく分からない。
だけど嫌な気持ちでないことだけは確かで。
「でもでも。ってことはだよ? 蒼太くんは今フリーってことなんだよね?」
葛谷さんとよりを戻したりはしない……よね?
たしかに葛谷さんは美人だけど、でもでも二股かけた相手とよりを戻すなんて普通はしないもんね?
「でも実際のところはどうなんだろ……」
私は浮気や二股どころか、そもそも男子とお付き合いすらしたことがないから、そういう男女関係について疎いんだよね……。
「――って、私ってばさっきから何を勝手なことばっかり考えてるのかな!? 振られたばかりの蒼太くんの気持ちとかぜんぜん考えてないし。何より悲しくないわけがないんだから。そこに付け込むなんて私、最悪女になっちゃうし」
あ、でも蒼太くんは吹っ切れたとも言ってたはずだよね?
ってことはやっぱりもう、葛谷さんとよりを戻す気はないってことじゃない?
だったら――
「いやいやちょっと待ってね私。そもそもの話、私の気持ちがどうかでしょ? 私が蒼太くんのことをどう思ってるかが大事な訳でしょ?」
でも私、今まで特定の男子を好きになったことないから……だから好きかどうかなんて分からないし……。
その日の夜。
お風呂の浴槽に深々と肩まで浸かった私は、今日という日に起こった一連の出来事を思い返していた。
川で溺れた美月を、同じクラスの男子が助けてくれた。
「紺野蒼太くん……」
小さなつぶやきはしかし、静かな浴槽内だからか私の耳に妙に大きく届いた。
そんな蒼太くんとは2年生になって初めて同じクラスになったけど、半月経っても話したことはなくて。
どちらかというとクラスではあまり目立たない方だけど、隣のクラスの葛谷さんって綺麗な女の子と付き合っていることだけはなんとなく知っていた。
そんな程度の薄い関係しかなかった蒼太くんが今日、美月を助けて家まで送り届けてくたことで偶然仲良くなったのだ。
「美月がすっごく懐いてたよね。おかげで初めて話したのにすっごく話が弾んじゃった」
美月はかなりの甘えんぼさんだけど、それはあくまで家族限定の話だ。
家族以外の、しかも会ってすぐの男の子にあんなに懐く美月を見るのは初めてだった。
「いつの間にか蒼太おにーちゃんとか呼んじゃってるし……それじゃほんとのお姉ちゃんの私の立場がないじゃないの。なんてね、ふふっ」
もちろん今のは冗談だ。
姉の自分が言うのもなんだけど、美月はとてもよくできた妹だった。
明るくて礼儀正しくて、しかも可愛くて愛嬌があって。
きっと将来はモテることだろう。
「蒼太くんかぁ……今まで話したことがなかったから知らなかったけど。優しくて、誠実そうで。なんかいい感じだったな……結構好きかも?」
…………
……
「――って、何を言ってるのかな私!? 初めて話した男の子を好きになっちゃうとか、さすがにお尻が軽すぎでしょ!?」
なんだかものすごい答えに行きつきかけた私は、思わず大きく目を見開くと浴槽の中で勢いよく立ち上がってしまう。
ザバァン!
大きな音を立てて浴槽のお湯が大量に流れていった。
「はぅ、やっちゃった……」
もう一度、湯船につかり直すと追い炊きボタンを押す。
すぐにお湯が供給されはじめ、浴槽は瞬く間に元の深さを取り戻した。
「だ、だいたい蒼太くんには葛谷さんって彼女がいるんだし――あ、でも振られたって言ってたよね……?」
『あいつ、俺だけじゃなくてイケメン医大生とも付き合ってたみたいでさ。向こうがデートしてる時に偶然鉢合わせたら速攻で振られちまったんだ』
別れ際、蒼太くんが言っていたのを思い出す。
その時垣間見た蒼太くんの切ない表情を思い出すだけで、私の胸はなぜかキュッと強く締め付けられてしまった。
「なんだろうこの気持ち……」
自分の気持ちなのによく分からない。
だけど嫌な気持ちでないことだけは確かで。
「でもでも。ってことはだよ? 蒼太くんは今フリーってことなんだよね?」
葛谷さんとよりを戻したりはしない……よね?
たしかに葛谷さんは美人だけど、でもでも二股かけた相手とよりを戻すなんて普通はしないもんね?
「でも実際のところはどうなんだろ……」
私は浮気や二股どころか、そもそも男子とお付き合いすらしたことがないから、そういう男女関係について疎いんだよね……。
「――って、私ってばさっきから何を勝手なことばっかり考えてるのかな!? 振られたばかりの蒼太くんの気持ちとかぜんぜん考えてないし。何より悲しくないわけがないんだから。そこに付け込むなんて私、最悪女になっちゃうし」
あ、でも蒼太くんは吹っ切れたとも言ってたはずだよね?
ってことはやっぱりもう、葛谷さんとよりを戻す気はないってことじゃない?
だったら――
「いやいやちょっと待ってね私。そもそもの話、私の気持ちがどうかでしょ? 私が蒼太くんのことをどう思ってるかが大事な訳でしょ?」
でも私、今まで特定の男子を好きになったことないから……だから好きかどうかなんて分からないし……。
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