トライアングル

五嶋樒榴

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番外編 Step3・滋

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ぐいっと腕を掴まれ、俺はびっくりした。

「お前今、しほなと何話してた?」

久利がなんかイラってしてる。
こいつってホントなんなの?
お前、しほなとどうなりたいの?
俺もイラっときたけど、せっかくの打ち上げでもめるのも嫌だった。

「お前がしほなを気にする気持ちって何?」

久利に耳打ちした。

「………わかんねーよ。なんでかわかんないんだよ。大事すぎて、わかんねーんだよ」

おいおい、それって側から聞いたら、愛の告白なんじゃねーの?
と言うか、なんか分かってきた。
久利にとってしほなは、恋人より大事すぎる存在になっちまった。

それってマジ、父親じゃん。

俺は不器用な久利に笑ってしまった。
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